任意整理をしても「今あるスマホや携帯電話の契約」はそのまま使い続けられる?

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、利息制限法、破産法、民事再生法、および多数の債務整理(任意整理・過払い金回収・個人再生・自己破産)の実務実績に基づきわかりやすく解説しています。

Q 任意整理をすると、現在使っているスマホや携帯電話の回線が使えなくなったり、機種変更ができなくなったりしますか?
A 【結論と影響の範囲】通信料の滞納がなく、端末代金の分割払い(ローン)を残債ごと整理対象から外せば、スマホの回線契約や端末はそのまま使い続けることができます。ただし、キャリアを任意整理の対象に含めると端末の残金一括請求や回線解約のリスクが生じ、信用情報機関のブラックリスト掲載期間中は新たな端末の分割購入(ローン契約)が難しくなります。
【安全に使い続けるための対策と弁護士相談のメリット】スマホを保護するためには、該当するキャリアや端末ローンを任意整理の対象外に指定して他の借金だけを整理し、弁護士に依頼して受任通知を送ることで即座に債権者からの督促や引き落としを止めた上で、生活に必要なインフラを維持したまま返済負担を大幅に軽減する計画を立てることが重要です。

スマホ・携帯電話の契約と任意整理の関係

現代の生活においてスマホは必須のインフラです。任意整理を行う際、スマホ契約に与える影響は以下の2つのパターンに分かれます。

1. 通信料金(月々の基本料・パケット代)に滞納がない場合

カード会社や消費者金融を任意整理しても、ドコモ・au・ソフトバンク・格安SIMなどの通信回線契約は何の影響もなくそのまま使い続けることができます

2. スマホ端末代金を「分割払い(ローン)」で購入している場合

最新iPhoneなどの端末代金を月々の通信料と一緒に分割払いしている場合、その端末代分割は「割賦販売(ローン)」の一種です。

携帯キャリア自体を任意整理の対象にしてしまうと、端末ローンの解約・一括請求が発生し、通信契約も解約される恐れがあります。


スマホを安全に使い続けるための3つの対策

  1. 携帯キャリア(通信会社)を任意整理の対象から「除外」する

    任意整理では整理対象を選べるため、携帯料金や端末分割代金はこれまで通り期日通り支払い続け、消費者金融やクレカだけを任意整理します。これでスマホは100%守られます。

  2. 任意整理前の「携帯料金の滞納」を解消しておく

    通信料金自体を長期間滞納していると、不払者情報(TCA・TELESA)に登録され強制解約になります。弁護士介入前に通信費の滞納だけは解消しておくのが安全です。

  3. ブラックリスト期間中のスマホ機種変更

    任意整理後は信用情報に事故情報が登録されるため、10万円を超える高額スマホの分割購入審査が通りにくくなります。その場合は、10万円以下の廉価端末(簡易審査対象)を購入するか、一括購入(中古スマホ等)を利用するのが賢明です。

端末の分割代金が残っている場合の「強制解約」リスク

近年、スマートフォン端末の価格は高騰しており、10万円から20万円以上の機種を24回〜48回の分割払いで購入するケースが一般的です。この「端末の分割払い」は、通信料金ではなく「クレジット契約(割賦販売)」に該当します。もし端末の分割代金が残っている状態で、その通信キャリア(ドコモやau、ソフトバンクなど)を任意整理の対象に含めてしまうと、キャリア側は「クレジット契約が破綻した」と判断し、残りの端末代金を一括で請求してきます。さらに、それと連動して通信回線の契約自体も強制解約(強制利用停止)となる恐れがあります。現代社会においてスマホが使えなくなることは、仕事の連絡や家族とのやり取り、各種サービスの認証などに致命的な影響を及ぼすため、このリスクは絶対に回避しなければなりません。

任意整理ならではの「スマホ契約を守る」解決策

自己破産や個人再生といった裁判所を通す手続きでは、「すべての債権者を平等に扱わなければならない」という原則があるため、スマホの端末代金だけを除外して支払い続けることは原則として認められません。しかし、任意整理であれば、整理する債権者を自由に選ぶことができます。つまり、消費者金融やリボ払いで膨らんだクレジットカードだけを整理対象とし、スマホの端末代金(通信キャリア)はこれまで通り毎月支払い続けるという方法をとることで、スマホを没収されることなく安全に使い続けることが可能です。

機種変更時の注意点と「廉価版スマホ」の活用

任意整理を行った後は、信用情報機関に事故情報(ブラックリスト)が登録されるため、向こう約5年間は、10万円を超えるような高額スマホの新たな分割審査には通りにくくなります。しかし、一括払いで購入する場合や、10万円以下の廉価版スマホ(いわゆる格安スマホ等)であれば、法律上の審査基準が緩和されているため分割で購入できるケースもあります。

夕陽ヶ丘法律事務所では、借金問題に関する無料相談を受け付けています。スマホや携帯電話を維持しながら、どの借金を整理すべきかを適切にアドバイスいたします。一人で悩まず、まずは弁護士にご相談ください。

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