【確認の重要性と専門家への相談】時効成立後も債権者の更新漏れ等で情報が残る場合があるため、一定期間経過後の確認が不可欠です。万が一事故情報が残っている場合や、万全を期して確実に手続きを進めたい場合は、借金問題に強い弁護士へ無料相談し、速やかな対応を依頼することをおすすめします。
借金の返済を長期間滞納していた場合、信用情報機関にいわゆる「ブラックリスト」として事故情報(異動情報)が登録されます。その後、専門家を通じて、あるいはご自身で内容証明郵便等を送り、消滅時効の援用手続きを無事に完了させたとしても、それだけで自動的に安心することはできません。
時効が成立した後に最も重要な作業の一つが、信用情報の開示請求を行い、事故情報が実際に消去されているかを目視で確認することです。ここでは、主要な信用情報機関であるCICとJICCを対象に、スマホや郵送を活用した具体的な開示手順と見方のポイントを解説します。
なぜ時効援用後に信用情報の確認が必要なのか
消滅時効の援用通知が債権者(借入先や回収を委託されたサービサー)に到達し、法的に時効が成立したとしても、信用情報機関に登録されているデータが即座に書き換わるとは限りません。
債権者が信用情報機関に対して「契約終了」や「時効成立」に伴う情報の更新・抹消手続きを行う必要があります。しかし、実務上では、手続きの失念や処理の遅れによって、いつまでも事故情報が残り続けてしまうケースが稀に存在します。
事故情報が残ったままでいると、新しくクレジットカードを作ろうとしたり、住宅ローンやマイカーローンを組もうとしたりする際に審査に通らなくなってしまいます。そのため、時効援用から一定期間(通常は数週間から数ヶ月)が経過した後に、ご自身で開示請求を行って状況を正確に把握することが不可欠です。
日本の主要な信用情報機関と確認すべき対象
日本国内には、主に以下の3つの信用情報機関が存在します。自身の借入先がどこであったかによって、請求先を選択する必要があります。
- CIC(株式会社シー・アイ・シー):主にクレジットカード会社、信販会社、携帯電話会社の端末分割払いなどを扱う機関。
- JICC(株式会社日本信用情報機構):主に消費者金融、信販会社、銀行系カードローン、保証会社などを扱う機関。
- KSC(全国銀行個人信用情報センター):主に銀行、信用金庫、農業協同組合(JA)などを扱う機関。
消費者金融やクレジットカード会社からの借金で時効援用を行った場合は、CICとJICCの両方、あるいは該当する機関に対して個別に開示請求を行うのが確実です。
CIC(株式会社シー・アイ・シー)の開示手順
CICでは、パソコンやスマートフォンを利用したインターネット開示、および郵送による開示を受け付けています。
スマホ(インターネット)での開示手順
- CICの公式ホームページにアクセスし、パソコンまたはスマートフォンから「インターネット開示」を選択します。
- 利用規約に同意し、指定された条件(対応している端末やブラウザ等)を確認します。
- 受付番号が発行された後、本人確認のための電話発信(IP電話を利用した自動音声による本人確認)を行います。
- クレジットカード決済等により開示手数料(通常500円程度)を支払います。
- 画面上にPDFファイルとして開示結果が表示され、その場でダウンロードして確認することができます。
郵送での開示手順
- CICのホームページから「本人開示申込書」をダウンロードして印刷します。
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、健康保険証などから2種類)のコピーを用意します。
- 指定の定額小為替(手数料分)を郵便局で購入し同封します。
- 必要書類一式をCICの開示相談窓口宛に郵送します。数日〜1週間程度で自宅に結果が郵送されてきます。
JICC(株式会社日本信用情報機構)の開示手順
JICCでも、公式のスマートフォンアプリや郵送による開示請求が可能となっています。
スマホ(公式アプリ)での開示手順
- スマートフォンにJICCの公式アプリ「おとなのいっぽ」または専用の開示受付アプリをダウンロードします。
- 画面の指示に従って必要事項を入力し、本人確認を行います(マイナンバーカードや運転免許証の撮影、顔写真の撮影等による本人確認)。
- クレジットカード決済やキャリア決済などで手数料を支払います。
- 手続きが完了すると、アプリ内で開示結果(ファイル)を確認できるようになります。
郵送での開示手順
- JICCのホームページから「個人信用情報開示申込書」をダウンロードして印刷します。
- 本人確認書類のコピーを準備します。
- 郵便局で発行される定額小為替などの手数料を同封します。
- JICCの窓口宛てに郵送し、後日、結果が自宅に郵送で届きます。
開示書面(CIC・JICC)のチェックポイント
開示された書面を手に入れたら、以下のポイントを慎重に確認します。時効援用が成功し、情報が正しく整理されている場合、どのような表示に変わるのでしょうか。
CICの場合の確認ポイント
CICの開示報告書では、「お支払の状況」という項目や「入金状況」のグリッド(CマークやPマークなどが並ぶ欄)を確認します。
- 「終了」「完了」などの記載:契約が終了している旨の記載があるかを確認します。
- 「異動」の文字の有無:かつて存在していた「異動」という文字が消えているか、あるいは契約自体が削除されているかを確認します。時効が成立して情報が更新されると、異動情報が外れるか、契約が「完了」として扱われます(社内情報として残る場合や、一定期間経過後に完全にファイルから消去されるケースもあります)。
JICCの場合の確認ポイント
JICCのファイルには、「ファイルメンテ」や「異動情報」の項目があります。
- 異動情報の有無:「異動情報」の欄に「破産」「債務整理」「遅延」などの記載がある場合、これがどう変化しているかを見ます。
- 債権の消滅・契約終了:時効援用によって処理が完了した場合、残債務に関する情報がクリアされているか、あるいは「契約終了」等のステータスに変更されているかを確認します。
情報が修正・削除されていない場合の対処法
時効援用を通知してから数ヶ月が経過しているにもかかわらず、信用情報に依然として古い事故情報や延滞情報が残っている場合は、いくつかの原因が考えられます。
- 処理の遅延:債権者側でのデータ更新作業が遅れているだけの可能性があります。
- 情報の行き違い:時効援用通知が届いているものの、担当部署での事務処理が滞っているケースです。
このような状況に直面したときは、時効援用を代理で行った専門家(弁護士や司法書士など)に連絡し、債権者に対して情報の速やかな削除・更新を行うよう催促をしてもらうのが最も確実でスムーズな方法です。ご自身で対応された場合も、当時の通知控えや相手方の受領証などを手元に用意したうえで、債権者に直接問い合わせを行ってみてください。
信用情報の正確な把握は、今後の新たなライフプランを描くうえで非常に重要な第一歩となります。時効援用を行った後には、必ずご自身の目で信用情報の状態を確かめるように心がけましょう。