裁判官が行う「免責審尋(めんせきしんじん)」当日の質問と面接対策

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、利息制限法、破産法、民事再生法、および多数の債務整理(任意整理・過払い金回収・個人再生・自己破産)の実務実績に基づきわかりやすく解説しています。

Q 自己破産の免責審尋ではどんな質問をされますか?当日は厳しい尋問をされるのでしょうか?
A 【質問内容と所要時間】免責審尋での質問は、事前に提出した破産申立書や陳述書の内容に沿って行われます。借入が増えた経緯や現在の生活状況、浪費やギャンブルなどがある場合はその反省についての確認が主となります。面接は厳しい尋問ではなく落ち着いた雰囲気で行われ、所要時間も個別面接であれば5分から15分程度と比較的短時間で終了します。
【生活再建と弁護士サポート】当日はこれまでの反省の意と今後の生活再建に向けた具体的な計画を誠実に伝えることが重要です。自己破産の手続きや審尋への不安が大きい場合でも、事前に弁護士のサポートを受けて対策を万全にしておくことで、落ち着いて当日を迎え、スムーズな借金免除と生活立て直しにつなげることができます。

自己破産の手続きを進める中で、多くの申し立て人が不安に感じるのが「免責審尋(めんせきしんじん)」です。審尋という言葉を聞き慣れないため、厳しい尋問や裁判のようなものを想像してしまうかもしれませんが、実際には裁判官との落ち着いた面接形式で行われることがほとんどです。

この免責審尋がどのような目的で行われ、当日どのような質問をされるのかを事前に把握しておくことで、過度な緊張を和らげることができます。

免責審尋とはどのような手続きか

免責審尋とは、破産手続きの終盤において、裁判官が債務者本人と直接面会し、免責(借金の支払い義務をなくすこと)を許可すべきかどうかを最終確認する場です。

多くの裁判所では、管財人が選任されない「同時廃止事件」の場合に集団あるいは個別の審尋期日が設けられます。管財事件の場合は、破産管財人による報告集会とあわせて行われることが一般的です。

面接の所要時間は、集団面接の場合は全体で30分から1時間程度(個別の持ち時間は数分)、個別面接の場合は5分から15分程度と比較的短時間で終了します。

免責審尋での主な質問内容

裁判官からの質問は、基本的には事前に提出した「破産申立書」や「陳述書」の内容に沿って行われます。以下のような質問を想定しておくと安心です。

  • 破産に至った経緯についての確認(なぜ借入が増えてしまったのか)
  • これまでの返済状況や、現在の生活状況について
  • 浪費、ギャンブル、投資など、免責不許可事由に該当する行為がある場合の反省の弁
  • 今後の生活再建に向けた具体的な家計管理の計画
  • 財産隠しや債権者に対する偏頗(へんぱ)弁済(特定の債権者だけに返済すること)がないかどうかの確認

特に、借金の原因がギャンブルや浪費といった免責不許可事由に該当する場合、裁判官は「本当に反省しているか」「今後同じ過ちを繰り返さないか」を厳しく確認します。

面接当日の対策と心構え

免責審尋で最も重視されるのは、「誠実な態度」「反省の弁」、そして「今後の生活再建の意気込み」です。

面接に臨む際は、以下のポイントを意識してください。

  • 正直に真摯に答える: 不都合な事実を隠したり嘘をついたりせず、質問にはハキハキと正直に答えてください。
  • 反省の意を伝える: 債権者に多大な迷惑をかけたことに対する反省の気持ちを自分の言葉で伝えます。
  • 再建への計画を示す: 今後は収支のバランスを整え、計画的な生活を送るという意思を明確にします。
  • 身だしなみとマナー: 裁判所という公的な場にふさわしい、清潔感のある服装と落ち着いた態度を心がけてください。

まとめ

免責審尋は、債務者がこれまでの借金問題から解放され、経済的な再スタートを切るための最終関門です。裁判官を怖がらせるための場ではなく、裁判官が「この人であればもう一度やり直せる」と判断するための面接です。

事前に提出書類をしっかりと見直し、自分の言葉で過去の反省と未来の再建計画を語れるように準備をして当日を迎えてください。

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