【弁護士介入のメリット】弁護士に任意整理を依頼した時点で受任通知が発送され、楽天カードからの督促や返済を即座にストップさせることができます。また、楽天銀行の口座を引き落とし口座に指定している場合は、事前に入金を停止して口座凍結による預金の相殺を防ぐなどの実務的な対策を講じることで、安全に借金問題を解決して生活を立て直すことが可能です。
日本国内で非常に多くの利用者を誇る楽天カードは、リボ払いやキャッシング機能が手軽である反面、利用が重なることで毎月の返済額が膨らみ、借金問題に発展しやすい債権者の一つです。 支払いが困難になった際の有効な解決手段として任意整理がありますが、楽天カードを相手方とする場合、特有の和解傾向や実務上の注意点が存在します。 本記事では、楽天カードにおける任意整理の和解条件や、ショッピング・キャッシングを同時に整理する際の実務ポイントについて詳しく解説します。
楽天カードの任意整理における和解傾向
債務整理における任意整理は、債権者との直接交渉によって将来利息をカットし、元本のみの分割返済に合意してもらう手続きです。 楽天カードにおける和解交渉の一般的な傾向は以下の通りです。
- 将来利息および手数料の全額カット:和解成立日以降に発生する利息、ならびにショッピングのリボ払い手数料やキャッシングの利息について、原則として全額カットに合意が得られます。
- 返済期間の目安(最長60回払い):分割回数は原則として最長60回(5年)程度が目安となります。債務額が少額である場合などは、36回や48回など、より短い期間での和解を求められることもあります。
- 一括返済や短期分割への要求:借入残高が少額である場合や、過去の利用履歴に短期での頻繁な滞納がある場合などは、長期の分割返済に難色を示され、一括返済や24回から36回程度の短期分割を主張されるケースがあります。
ショッピング枠とキャッシング枠の一括整理
楽天カードの特徴として、通常の買い物利用であるショッピング枠と、現金を借り入れるキャッシング枠が1枚のカードに付帯している点が挙げられます。
任意整理を行う際、一部の借入金や特定の枠だけを除外して手続きを進めることは原則として認められません。 そのため、ショッピング枠とキャッシング枠の両方で残債がある場合は、両方を一体として(一括して)任意整理の対象にする必要があります。
- ショッピングの未確定債権:利用から引き落とし日までの間に発生している未確定のショッピング利用分も、計算上の債権額に含めて交渉対象とします。
- 保証会社との関係:楽天カードのキャッシングやショッピングの一部債権は、保証会社(株式会社Cedynaなど)が代位弁済を行うケースがありますが、代理人として交渉窓口が一本化されるため、基本的には全体の総額をベースに和解交渉が進められます。
楽天銀行口座への影響と事前の注意点
楽天カードの利用代金を引き落とすために、楽天銀行の口座を指定している人は非常に多いです。 任意整理の手続きを開始するにあたり、この口座設定が大きな影響を及ぼすため、細心の注意が必要です。
専門家に任意整理を依頼すると、各債権者に対して受任通知が発送され、債権者からの直接の督促や引き落としがストップします。 しかし、楽天カードと楽天銀行は同じグループ企業あるいは密接な連携関係にあるため、以下のようなリスクが生じる可能性があります。
- 口座凍結のリスク:楽天カードの債務整理を行う際、同一グループである楽天銀行に残高がある場合や、楽天銀行カードローンからの借入もある場合は、口座が一時的に凍結される恐れがあります。
- 預金の相殺リスク:口座内に預貯金がある状態で楽天カードの整理を始めると、銀行側がその預金を借金の返済に勝手に充てる「相殺」が行われる可能性があります。
- 対策:任意整理の依頼前に、楽天銀行の口座に残高を残さないように引き出しておく、あるいは給与振込口座を別の金融機関に変更しておくといった事前の防衛策が極めて重要となります。
任意整理を成功させるための実務上のステップ
楽天カードを含めた任意整理をスムーズに進め、安定した生活再建を果たすための基本的な流れは以下の通りです。
- 取引履歴の取り寄せと引き直し計算:過去からの利用状況を網羅した取引履歴を取り寄せ、利息制限法の上限金利に基づいた正しい残高(引き直し計算後の元本)を算出します。
- 受任通知の発送と一時停止:代理人弁護士・司法書士から楽天カードに対して受任通知を発送し、日々の督促や引き落としを止めます。
- 和解案の交渉:将来利息のカットと最長60回の分割返済を軸に、楽天カード側と和解書の締結に向けた交渉を行います。
- 和解契約に基づく返済の開始:和解成立後、合意された毎月の返済額を定められた期日までに遅れることなく支払い続けます。
楽天カードは比較的柔軟に任意整理の和解に応じる傾向がありますが、グループ銀行との関係やショッピング・キャッシングの合算管理など、法的知識を要するポイントが複数存在します。 自身の借入状況や口座の状況を正確に把握し、無理のない返済計画を立てて着実に手続きを進めることが大切です。