倒産した武富士などの過払い金請求:会社が消滅していると回収不可能な理由

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、利息制限法、破産法、民事再生法、および多数の債務整理(任意整理・過払い金回収・個人再生・自己破産)の実務実績に基づきわかりやすく解説しています。

Q 武富士などすでに倒産して消滅した消費者金融に対して、今から過払い金請求を行うことはできますか?
A 【請求の不可と理由】会社自体が破産や会社更生法などで完全に消滅している場合、法的に返還を求める相手が存在しないため過払い金の回収は不可能です。武富士の法的整理時の配当率は数パーセント程度に留まり、現在はすべての配当手続きが終了しているため新たに請求することはできません。
【存続会社への早急な対応】ただし、アコムやアイフル、プロミスなど現在も営業を続けている貸金業者や、吸収合併によって債務や過払い金返還義務を引き継いだ存続会社であれば請求が可能です。過払い金には最終取引日から10年という時効があるため、消滅時効が完成する前に弁護士へ相談し、存続している会社に対する過払い金回収を急ぐ必要があります。

倒産した会社への過払い金請求はできる?

「過去に高い金利でお金を借りていたけれど、その会社はすでに倒産してしまった」というご相談をよくいただきます。代表的な例として、かつて業界最大手であった「武富士」などが挙げられます。

結論から申し上げますと、会社自体が破産や民事再生などの法的手続きによって完全に消滅してしまった場合、過払い金を回収することはほぼ不可能です

過払い金請求は、あくまで「払い過ぎた利息を返してほしい」と貸金業者(会社)に対して請求する手続きです。そのため、請求先となる会社がすでに存在しない状態では、交渉も裁判も行うことができず、法的に返還を求める相手がいなくなってしまうのです。

過去の倒産劇と配当金

例えば武富士の場合、2010年に会社更生法の適用を申請し、事実上倒産しました。当時、過払い金を持っている債権者(利用者)に対しては、会社に残された財産を分配する「配当」という手続きがとられました。しかし、その配当率は本来の過払い金のわずか数パーセント(約3.3%)に過ぎず、ほとんどのお金は戻ってきませんでした。

そして現在では、その配当手続きもすでに終了しているため、武富士に対して新たに過払い金を請求することはできません。

吸収合併などで存続している場合は可能

ただし、すべての「名前がなくなった会社」が対象外というわけではありません。会社が倒産したのではなく、他の会社に「吸収合併」されたり、事業が引き継がれたりして名前が変わっているだけの場合は、引き継いだ現在の会社に対して過払い金を請求することができます。

例えば、プロミス(現在のSMBCコンシューマーファイナンス)やアコム、アイフルなどは現在も存続しており、過払い金請求が可能です。しかし、存続している会社であっても、経営状況が悪化すればいつ倒産してもおかしくないリスクは常にあります。

「後で請求しよう」と先延ばしにしている間に会社が倒産してしまえば、1円も取り戻せなくなります。

夕陽ヶ丘法律事務所では、借金問題に関する無料相談を受け付けています。過去の借入先が現在どうなっているか、請求可能かどうかの調査も迅速に行います。一人で悩まず、まずは弁護士にご相談ください。

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