【給与差押え予告の段階で弁護士に相談し、任意整理や自己破産を申し立てることで強制執行を回避・停止させることができます。】会社に借金の滞納や裁判が発覚して差押えが実行されると、勤務先からの社会的信用に影響が出るおそれがあります。裁判所からの通知や督促が届いた段階で、一刻も早く弁護士へ介入を依頼し、債務整理手続きを行うことで差押えの差し止めや生活再建への道を開くことが可能です。
借金の返済を滞納し、債権者から裁判所を通じた強制執行の申し立てがなされると、給与の差押え(債権差押命令)が実行されます。毎日の生活に直結する給与が差し押さえられる場合、法律によって生活を維持するための限度額が明確に定められています。ここでは、給与差押えにおける金額の計算方法や実務上のルールについて詳しく解説します。
給与差押えの金額は「手取り額」を基準に計算する
給与差押えの金額を算出する際、基準となるのは会社から支給される総額(額面給与)ではありません。所得税や住民税、健康保険料や厚生年金保険料などの税金・社会保険料を控除した後の「手取り額」が計算の基礎となります。
実務上の計算式は非常にシンプルであり、原則として以下の計算によって毎月の差押え額が決定されます。
- 差押え可能額 = 手取り額 × 4分の1(25%)
例えば、毎月の手取り額が30万円である人の場合、その4分の1である7万5千元が毎月給料から天引きされ、債権者への返済に充てられることになります。この状態は、債権者に対する借金が完済されるまで毎月継続されます。
手取り額が44万円を超える場合の例外ルール
原則として「4分の1」が差押えの限度となりますが、高額な給与を得ている人の場合には生活保障の観点から別の計算ルールが適用されます。民事執行法により、生活を維持するために最低限必要な金額が保護されているためです。
手取り額が44万円を超える給与の場合の計算式は以下のようになります。
- 差押え可能額 = 手取り額 - 33万円
この例外ルールに該当する場合、手取り額の4分の1ではなく、「手取り額から33万円を引いた全額」が差押えの対象となります。
具体的な例として、毎月の手取り額が50万円であるケースを考えてみます。 原則の4分の1計算であれば12万5千円ですが、例外ルールが適用されるため「50万円 - 33万円 = 17万円」となり、毎月17万円が差し押さえられることになります。
給与差押えの対象に含まれるもの・含まれないもの
給与の差押えは毎月の基本給や各種手当だけが対象になるわけではありません。実務上、給与という名目で支給される多くの金銭が差押えの対象となります。
- 基本給、役職手当、家族手当、住宅手当などの各種手当
- 残業代(時間外手当)や通勤手当(※一部例外あり)
- 賞与(ボーナス)や退職金
特に賞与(ボーナス)や退職金についても、毎月の給与と同様に原則として手取り額の4分の1が差押えの対象となります。まとまった金額が支給されるタイミングで同様に差し押さえられるため、生活への影響が非常に大きくなる特徴があります。
会社(勤務先)の対応と連絡
裁判所から「債権差押命令」の通知書が会社の給与担当部署(人事・経理部門)に届くと、会社は法律上の義務として、その従業員の給与から指定された金額を天引きし、債権者へ直接送金しなければなりません。
会社が従業員の借金問題を把握することになるため、職場での信用低下を心配する声が多く聞かれます。差押えの回避や、生活への深刻な影響を防ぐためには、給与差押えの申立てがなされる前の段階で、債務整理の手続きに着手することが重要となります。
給与がすでに差し押さえられてしまった場合でも、弁護士や司法書士などの専門家に依頼して個人再生や自己破産などの法的手続きを進めることで、差押えの効力を停止または失効させられる可能性があります。状況に応じた法的な対処法を検討することが求められます。