Q&A:給与を差し押さえられて生活が成り立たない・会社にバレて困っている方へ

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、利息制限法、破産法、民事再生法、および多数の債務整理(任意整理・過払い金回収・個人再生・自己破産)の実務実績に基づきわかりやすく解説しています。

Q 給与を差し押さえられて生活できません。会社にバレずに止める方法や、債務整理ですぐに解決できますか?
A 【法的解決策】自己破産や個人再生を裁判所に申し立てて受理されると、給与の差押え(強制執行)の効力を即座に止めることが可能です。
【生活再建と弁護士介入のメリット】裁判所を通じた法的手続きにより給与全額の受給が復活するため生活苦を脱却できます。また、弁護士へ速やかに依頼することで差押えの停止命令申し立てを迅速に行い、会社への発覚に伴う精神的負担や今後の返済不安を根本から解決できます。

毎月受け取る給与が突然差し押さえられてしまい、生活費の工面すらままならないというご相談は後を絶ちません。さらに、勤務先の会社を経由して手続きが行われるため、職場に借金の存在や滞納事実が知られてしまうのではないかと、精神的なプレッシャーを抱えている方も少なくありません。

本記事では、給与差押えに直面した際によくある疑問をQ&A形式で取り上げ、法律の仕組みに基づく具体的な解決への道筋を詳しく解説します。

Q1:給与の差押えとはどのような状態ですか?

借金の返済を滞納し、債権者(貸金業者や金融機関など)から裁判を起こされて判決や支払督促が確定すると、債権者は債務者の財産に対して強制執行を行う権利を得ます。その対象が勤務先から支払われる給与に向けられたものが「給与差押え」です。

法律上、給与の全額を差し押さえることは原則として認められていません。通常は手取り額の4分の1(手取り額が一定額を超える場合は、その超過部分の全額)が差押えの対象となります。しかし、日々の生活に必要な最低限の収入すら削られるため、家計の破綻に直結する深刻な問題となります。

Q2:会社に給与差押えが通知されると、借金はバレてしまいますか?

給与差押えの通知(債権差押命令)は、裁判所から債務者だけでなく「第三債務者」である勤務先の会社に対しても送達されます。そのため、人事部や経理部などの事務担当者が手続きに関与することになり、会社に借金の滞納や強制執行を受けている事実が知られることになります。

会社側に知られたくないという焦りから、慌てて債権者に全額を一括返済しようとする方もいますが、自力での解決が困難な状態でその場しのぎの対応をしても、根本的な解決にはつながりません。会社への発覚を最小限に抑えつつ、法的な枠組みの中で状況を正常化させるためには、債務整理手続きの活用が現実的な選択肢となります。

Q3:給与差押えはどのような方法で止めることができますか?

一度開始された給与差押えを自力で止めることは極めて困難ですが、債務整理手続き(自己破産または個人再生)を裁判所に申し立てることにより、法的効力を停止させることが可能になります。

自己破産や個人再生の申し立てを行い、裁判所から「手続きの開始」や「中止命令」が出されると、給与差押えの効力をストップさせることができます。 ただし、これらの手続きを行うには、法的な書類作成や裁判所とのやり取りなど、厳密な法務知識が求められます。

自己破産による解決

  • 裁判所に申し立てて免責許可を得ることで、原則としてすべての債務の支払義務が免除されます。
  • 差押えの原因となった債務そのものがなくなるため、給与差押えは完全に終了します。

個人再生による解決

  • 裁判所の認可を得て、借金の総額を大幅に減額(原則5分の1程度など)し、それを原則3年間で分割返済する再生計画を遂行します。
  • 住宅ローンを残したまま他の借金を整理できる場合もあり、生活基盤を維持しながら差押えを解除することが可能です。

Q4:差押えを止めるために、任意整理では対応できませんか?

任意の話し合いによって借金の減免や分割払いの合意を目指す任意整理では、すでに始まってしまった給与差押えを直接止める法律上の強制力がありません。

債権者が任意の和交渉に応じ、差押えの取り下げに同意すれば止まる可能性はありますが、強制執行に踏み切っている債権者が容易に取下げに応じないケースも多く見られます。確実に、そして今すぐ差押えを止める必要がある場面では、裁判所を通じた自己破産や個人再生の申し立てが確実な手段となります。

Q5:給与差押えを受けてしまったら、まず何をすべきですか?

給与差押えの通知が届いた、あるいは実際に給与から天引きされて生活が立ち行かなくなった場合は、一人で抱え込まずに迅速に専門家へ連絡し、法的な助言を求めることが重要です。

放置すれば毎月の給与が差し押さえられ続け、生活の立て直しがさらに困難になります。法的な手続きを適切に進めることで、差押えを速やかに止め、生活再建に向けた道筋をつけることができます。差し押さえにお悩みの方は、手遅れになる前に債務整理の専門家へ早めにご相談ください。

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