生活保護申請時におけるケースワーカー経由の家族連絡とプライバシー

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、利息制限法、破産法、民事再生法、および多数の債務整理(任意整理・過払い金回収・個人再生・自己破産)の実務実績に基づきわかりやすく解説しています。

Q 生活保護を申請すると実家や親族に借金がバレる?扶養照会を回避して家族に連絡がいかないようにする方法は?
A 【結論】福祉事務所から親や兄弟等の親族へ行われる「扶養照会」は、長期間の音信不通やDV・虐待の過去、家庭内トラブル、親族自身が高齢・経済困窮で援助不能であるなどの正当な理由がある場合、厚生労働省の通知に基づきスキップ(回避)することが可能です。
【生活再建のポイント】借金問題や生活苦で生活保護を検討する際は、ご自身の切実な事情を福祉窓口へ正確に伝える必要があります。弁護士の適切なサポートや法的アドバイスを受けることで、自己破産などの債務整理と並行しながら、親族に知られずに安全かつ確実な福祉申請・生活再建を進めることができます。

生活保護の申請と「扶養照会」のリスク

多重債務で生活が立ち行かなくなり、生活保護の申請を検討される方もいらっしゃいます。その際、多くの方が懸念されるのが「扶養照会(ふようしょうかい)」です。

扶養照会とは、福祉事務所(ケースワーカー)が、申請者の親や兄弟などの親族に対して「この方を金銭的・精神的に援助できませんか?」と手紙や電話で連絡を入れる手続きのことです。これが行われると、実家や親族にご自身が生活保護を申請したこと、そして経済的に困窮している(借金がある)ことが確実にバレてしまいます。

扶養照会を回避・スキップする方法

「親族にバレるくらいなら申請したくない」とためらう必要はありません。実は、厚生労働省の通知により、一定の条件を満たす場合は扶養照会を行わなくてよい(スキップできる)とされています。

具体的には、以下のようなケースです。

  • 長期間(おおむね10年以上)親族と音信不通である

  • 親族からDVや虐待を受けていた過去がある

  • 親族との間に深刻なトラブルがあり、関係が断絶している

  • 親族自身も高齢で年金生活をしており、明らかに援助が不可能である

専門家と連携した安全な生活再建

ご自身の事情を適切に福祉事務所に説明し、「扶養照会は控えてほしい」と正しく申し出ることが重要です。

弁護士にご相談いただければ、借金の整理(自己破産など)と並行して、福祉窓口での生活保護申請のサポートやアドバイスを行うことが可能です。

借金問題や債務整理でお悩みの方は、一人で抱え込まず、法テラス(日本司法支援センター)や各都道府県の弁護士会法律相談センターなど、公的な相談窓口のご利用をご検討ください。

弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、交通事故の賠償問題をはじめ、事業者様を狙う求人広告詐欺の被害救済やオフィス・テナント等の原状回復トラブルなど、不測の事態に直面した皆様の精神的・経済的なご負担を少しでも和らげ、正当な権利の実現と円満な解決へと導くためのサポートを徹底して行っています。

TOP