【法的メリット】弁護士に依頼して書類の取り寄せや財産評価を正確に行うことで、裁判所へのスムーズな申立てが可能となり、借金の総額を大幅に圧縮しながら大切な財産の保全と生活再建を実現できます。
個人再生と保険の解約返戻金に関する基礎知識
個人再生手続きを行う際、債務者が保有している財産は「清算価値」として正確に評価されなければなりません。現金や預貯金、不動産や自動車だけでなく、生命保険や損害保険の「解約返戻金」も重要な財産評価の対象となります。
多くの保険には、途中で解約した際に戻ってくるお金(解約返戻金)が設定されています。個人再生では、保険を実際に解約するかどうかに関わらず、その時点で保険を解約したらいくら戻ってくるかという「解約返戻金相当額」を算出します。この金額が、債権者へ最低限支払わなければならない金額(清算価値保障原則)の算定基礎に含まれることになります。
したがって、現在加入しているすべての保険について、正確な金額を証明する書面を裁判所に提出することが求められます。
取り寄せが必要となる書類の種類
保険に関する調査や証明のために、主に以下の書類を取り寄せる必要があります。
- 保険証書(保険証券):現在どのような契約を結んでいるか、特約や契約者を確認するために必要です。
- 解約返戻金証明書(または現在価値証明書):申立てを行う時点(または裁判所が指定する基準日)における正確な解約返戻金の金額を証明する書類です。
掛け捨て型で一切解約返戻金が発生しない保険であっても、裁判所や代理人弁護士・司法書士が「返戻金ゼロ」を確認するために、返戻金がない旨が記載された証明書や、保険証書の提出を求められることが一般的です。
保険会社からの証明書取り寄せ手順
保険会社から解約返戻金証明書を取り寄せる大まかな流れは以下の通りです。
- 加入状況の確認:自身が契約者となっている生命保険、医療保険、学資保険、個人年金保険、火災保険など、すべての保険会社と証券番号を確認します。過去に加入して失効していないかなども含めて洗い出します。
- 保険会社への連絡・申請:各保険会社のコールセンター、お客様窓口、または担当営業員に連絡し、「個人再生の手続きで使用するため、解約返戻金証明書を発行してほしい」旨を伝えます。
- 必要書類の提出:保険会社所定の請求書や、本人確認書類のコピーなどの提出が求められます。契約者本人からの申請が原則となります。
- 証明書の受領:通常、申請から手元に届くまで数日から2週間程度かかります。裁判所の申立てスケジュールに間に合うよう、余裕を持って請求手続きを行う必要があります。
実務上の注意点とトラブル防止のポイント
保険証書や解約返戻金証明書を取り寄せるにあたり、実務上注意すべきいくつかのポイントがあります。
- すべての保険をもれなくリストアップする:一部の保険を隠して申立てを行うと、後から財産隠しを疑われ、再生計画案が不認可になるなどの重大な不利益を受ける恐れがあります。少額の返戻金であっても必ず申請してください。
- 契約者と被保険者の確認:例えば、親が契約者で子どもが被保険者となっている学資保険などでは、誰の財産とみなされるか法的な整理が必要になることがあります。名義を正確に確認して証明書を取り寄せましょう。
- 保険契約者貸付がある場合:すでに保険から借入れを行っている(契約者貸付)場合、解約返戻金から借入残高が差し引かれるため、その旨が反映された証明書や借入残高証明書が必要になります。
個人再生の手続きをスムーズに進めるためには、正確な財産調査が不可欠です。保険の解約返戻金証明書の取り寄せは時間がかかる場合もあるため、早めの準備を心がけることが大切です。