求人広告詐欺で一部の金額を支払ってしまった場合の法的リスクとは
求人広告の掲載や、人材紹介の初期費用と称して高額な契約を締結させられ、その後に悪質な手口であると気づくケースが後を絶ちません。被害に遭った経営者や店舗オーナー様から「すでに一部の金額(5万円など)を振り込んでしまったのですが、もう契約は覆せないのでしょうか?」という切実なご相談を数多くいただきます。
結論から申し上げますと、一度一部の金額を支払ってしまったからといって、法的な救済の道が完全に閉ざされるわけではありません。ただし、安易な対応を続けると、法律上の「追認」とみなされ、後から契約の取消しや無効を主張することが困難になるリスクが生じます。
【実務上の対抗・解決手順】これ以上の支払いを直ちに停止し、弁護士名義で「異議留保(法的責任を認めていない旨の留保)」を付した通知書を発送します。夕陽ヶ丘法律事務所では、定額55,000円(2社以上は1社あたり44,000円の複数社まとめ割あり)の受任通知送達により、業者からの督促を即時ストップさせ、既払金の返還交渉や残金0円解決へ向けた法的手続きを迅速に実行します。
一部入金が「追認」とみなされる法的リスク
民法上、取り消しうる行為について、取消権を持つ者が異議なく履行(支払いや一部の支払い)をした場合、法律上「追認」とみなされ、もはや後からその契約を取り消すことができなくなるルールが存在します(民法第122条、第125条)。
求人詐欺の悪質な業者は、この法律の仕組みを悪用します。例えば、「まずは着手金として5万円だけでも振り込んでください。残りは採用できてからで構いません」などと甘い言葉で誘い、少額の支払いをさせます。そして、後日になって契約の取消しを主張した経営者に対し、「一部とはいえ自分から進んでお金を支払ったのだから、契約に同意し、追認したはずだ」と主張してくるのです。
事業者間取引(B2B)における法律の壁
本件のような求人広告や集客サポートの契約は、一般的な「消費者」を対象としたものではなく、店舗や企業という「事業者(B2B)」を当事者として締結されます。そのため、クーリング・オフ制度や消費者契約法の強力な保護規定は原則として適用されません。
したがって、事業者が詐欺的な業者と対等に渡り合うためには、民法や商法の一般原則に基づき、正確かつ戦略的な法的アプローチをとる必要があります。
一部を支払ってしまった後に取るべき具体的アクション
万が一、すでに5万円などの一部金額を振り込んでしまった場合であっても、パニックになって業者と電話で言い争ったり、さらなる支払いに応じたりしてはいけません。以下の手順に沿って、冷静かつ的確に対処することが極めて重要です。
- これ以上の支払いを即座にストップする さらなる被害を拡大させないために、自動引き落としの設定を停止し、追加の振込を一切行わないようにします。
- 契約書ややり取りの証拠をすべて保全する 締結した契約書、利用規約、業者とのメールやチャットの履歴、見積書、そして5万円を振り込んだ際の振込明細書など、すべての証拠をデジタルおよび紙媒体で保存します。
- 「異議留保」を明確にした書面を作成する 業者に対して支払う際、あるいは支払った後に法的責任を認めていないことを示すために、異議を留保した旨を通知する準備を行います。専門知識がない状態で独自の連絡を入れると不利な発言を引き出される恐れがあるため、この段階で弁護士に相談することを強く推奨します。
弁護士による法的主張と解決アプローチ
夕陽ヶ丘法律事務所では、悪質な求人広告詐欺被害に悩む企業経営者・店舗オーナー様を代理し、以下の法理を駆使して被害回復と追加請求のブロックを実現しています。
1. 民法第96条に基づく「詐欺取消」の主張
求人広告の掲載にあたって、「必ず応募が殺到する」「大手求人サイトのメイン枠に優先表示される」などと虚偽の効果をうたい、実際にはそのような実績や体制がないにもかかわらず欺いて契約を締結させた場合、民法第96条に基づき契約の取消しを主張します。一部入金があったとしても、それが欺罔(ぎもう)行為によって誤認させられた結果であるならば、適法な取消権の行使により契約を消滅させることが可能です。
2. 民法第95条に基づく「錯誤取消」の主張
契約の重要な要素(広告の仕様や配信範囲、期待される成果など)について、業者の説明と実際のサービス内容に重大な認識の食い違い(錯誤)があった場合、契約は無効あるいは取り消しが可能となります。
3. 合意の不存在および公序良俗違反(民法第90条)の主張
そもそも契約書面における重要な条項が曖昧である場合や、著しく不当な違約金・高額なキャンセル料を課す契約条項は、公序良俗に反し無効であると主張します。また、一部金を受領したことが直ちに「契約の追認」に該当しない理由を、判例や法理に照らして厳密に主張・立証します。
4. 既払金の不当利得返還請求
法律上の原因なく(あるいは詐欺・錯誤により取り消された契約に基づき)業者が受領した金員は、「不当利得」に該当します(民法第703条)。契約の取消しとともに、すでに支払ってしまった5万円などの金員の返還を求めて交渉・法的措置を行います。
一人で悩まず、専門家による迅速な対応を
「すでに一部を支払ってしまったから、弁護士に相談しても無駄ではないか」「これ以上トラブルを大きくしたくない」と泣き寝入りしてしまう経営者様がいらっしゃいますが、それは大変危険です。悪質な業者は、一度お金を払った相手を「カモ」とみなし、あの手この手で残金や新たな名目の料金を請求し続けます。
夕陽ヶ丘法律事務所では、事業者間の求人広告詐欺トラブルに対し、初回相談30分無料で対応しております。ご依頼いただいた場合の費用は、定額55,000円(税込・一律・成功報酬0円)の明確な料金体系となっており、受任通知を業者に送達することで、煩わしい督促を即座にストップさせます。
一部の金額を振り込んでしまった場合でも、法的アプローチを正しく行えば解決の糸口は必ず見つかります。被害に気づいたら、時間を開けずに一日も早く当事務所までご相談ください。