【実務上の対抗・解決手順】まずは交信履歴、契約書面、請求書等の証拠を保全します。その上で、弁護士名義で内容証明郵便または受任通知を送達し、相手方の実体調査と不当請求の即時停止・0円解決に向けた交渉を行います(弁護士費用は定額55,000円(2社以上は1社あたり44,000円の複数社まとめ割あり))。焦って自己判断で相手に連絡する前に、専門家へご相談ください。
求人広告の契約相手が「バーチャルオフィス」であるリスクと実態
求人難に悩む企業経営者や店舗オーナーにつけ込み、「必ず応募が集まる」「大手求人サイトと連携している」といった誇大広告で高額な契約を迫る悪質な広告会社が後を絶ちません。
契約後に相手企業の所在地を調べてみたところ、実体のないバーチャルオフィスやレンタル私書箱であったというケースが多発しています。事業者間のB2B取引においては、クーリング・オフが適用されないため、泣き寝入りを余儀なくされると考えてしまう経営者の方も少なくありません。
しかし、相手がペーパー会社であったり、実体を偽って契約を締結させたりした場合には、明確な法的手段を用いて請求を拒絶することが可能です。ここでは、バーチャルオフィスを悪用した求人広告詐欺に対する法的アプローチと、企業が取るべき実践的な防衛策を解説します。
事業者間取引(B2B)におけるクーリング・オフの壁と別の法的根拠
しばしば誤解されますが、店舗や企業が契約する求人広告は「事業者間(B2B)取引」に該当するため、特定商取引法に定められるクーリング・オフの適用外となります。
そのため、単に「やっぱり採用活動をやめたから解約したい」という一方的な理由では、約款に基づく高額な違約金を請求されるリスクがあります。しかし、相手企業が以下のような状況にある場合、契約そのものの正当性を覆すことが可能です。
- 実体のない所在地を提示して信用を誤認させた
- 「応募が殺到する」など、客観的根拠のない虚偽のシミュレーションを示して勧誘した
- 契約書面の内容と、口頭で説明された条件に著しい乖離がある
会社実体のなさを立証するための調査と証拠保全
バーチャルオフィスを利用していること自体が直ちに違法となるわけではありませんが、詐欺的な求人広告業者の多くは、責任逃れのために実体を隠す目的でバーチャルオフィスやレンタルスペースを登記上の本店としています。
相手企業の実態がない、あるいは虚偽であると主張し、契約を無効化するためには、客観的な証拠を集めることが不可欠です。
1. 法人登記(履歴事項全部証明書)の取得
まずは、法務局で相手企業の「履歴事項全部証明書」を取得します。本店所在地や代表者名、会社設立日を確認し、実態のない住所ではないか、短期間で何度も所在地や商号を変更していないかをチェックします。
2. 現地確認および通信状況の記録
登記上の住所地をインターネットの地図サービス等で確認し、実在するオフィスビルなのか、単なる私書箱やバーチャルオフィスサービス提供事業者であるのかを特定します。また、相手から送られてきたメール、提案書、見積書、電話の録音データ、契約書面などの交信履歴は、一切削除せずにすべて保存しておきましょう。
民法上の対抗法理:詐欺取消・錯誤無効・合意不存在の主張
ペーパー会社や悪質な広告代理店に対しては、民法上の規定を根拠に契約の効力を否定します。
民法第96条(詐欺による取消し)
相手が「自社は大手求人媒体の正規代理店である」「毎月必ず数名の応募がある」などと嘘の事実を告げ、それを信じ込ませて(欺罔行為)契約を締結させた場合、詐欺を理由に契約を取り消すことができます。取り消しが認められれば、契約は初めからなかったものとみなされます。
民法第95条(錯誤による取消し)
契約の重要な要素(広告の媒体力や会社の信用力など)について、認識と現実の状況に大きな食い違い(錯誤)があり、それが一般的に見て通常の注意を払っても避えられなかった場合、錯誤による取消しを主張します。ペーパー会社であることを知っていれば絶対に契約していなかったという事情を法的に主張・立証します。
合意の不存在および公序良俗違反(民法第90条)
契約書の形式が整っているように見えても、実態の伴わない詐欺的なスキームに基づき、著しく不当な高額料金を請求する契約は、公序良俗に反し無効と主張できる余地があります。また、代理権限のない者が勝手に契約を締結した「無権代理(民法第113条)」に該当する場合もあります。
不当請求を拒絶し、0円解決を目指すためのネクストアクション
バーチャルオフィスを悪用した求人広告詐欺の被害に気づいた場合、自社だけで相手と連絡を取り続けるのは非常に危険です。「解約したい」と伝えた途端に威圧的な取り立てを行ったり、弁護士を持ち出すと脅してきたりするケースが後を絶ちません。
安全かつ確実に対抗するためには、以下のステップを踏むことが重要です。
1. 自社での安易な連絡・支払いの停止
相手からの執拗な督促に気圧されて、言われるがままに支払いをしたり、中途半端な減額交渉に応じたりしてはいけません。既成事実を作られてしまうと、その後の法的回収が困難になります。まずは請求を一時的に止め、支払いを保留してください。
2. 弁護士による受任通知の送達
詐欺被害の解決において最も効果的なのは、代理人弁護士を通じて「受任通知」を相手企業に送達することです。弁護士名義で契約の取消しおよび一切の支払拒絶を通告することにより、悪質な業者は法的責任を追及されるリスクを恐れ、それ以上の督促や請求を断念するケースが多数存在します。
当事務所では、初回相談(30分無料)を実施しており、被害に遭われた企業様・店舗様に向けて、定額55,000円(税込・一律・成功報酬0円)の明朗会計で詐欺被害の解決をサポートしております。バーチャルオフィスを利用した不審な求人広告の請求にお悩みの経営者様は、どうぞお早めに夕陽ヶ丘法律事務所までご相談ください。