弁護士が介入しても業悪質な求人業者が引き下がらないケースとは?
悪質な求人広告詐欺や無料求人商法に巻き込まれ、弁護士に依頼して受任通知を送っても、業者が一切引き下がらないケースが稀に存在します。通常、弁護士が代理人として介入すれば、多くの業者は法的リスクを恐れて請求を諦めます。しかし、詐欺的な手口を常習とする悪質事業者は、弁護士の介入をも無視して強硬な態度を崩さないことがあります。
弁護士が介入したにもかかわらず業者が引き下がらない場合、彼らは単なる電話督促の段階を抜け出し、実際に法的手続(裁判や支払督促)に踏み切ってくるケースが少なくありません。「裁判沙汰になったらどうしよう」と不安になる経営者の方も多いですが、ここからが弁護士の真価を発揮する場面となります。
なぜ業者は弁護士の介入を無視して裁判を起こすのか
悪質な求人業者が弁護士の介入を無視して裁判を起こす理由は、主に「ハッタリによる心理的プレッシャー」と「裁判制度の形式的な利用」にあります。
彼らは、事業者が裁判所からの通知(特別送達など)を受け取れば驚いて言いなりになり、支払いに応じてしまうと考えています。また、弁護士名義の書面を無視することで、被害者である事業者に「本当に裁判を起こされるかもしれない」という過度な恐怖心を与え、交渉を有利に進めようとする意図もあるのです。
実際に「裁判沙汰」になった場合の弁護士の対応力
業者が実際に裁判を起こしてきた、あるいは簡易裁判所から「支払督促」が届いた場合でも、慌てる必要はありません。むしろ、適法な法的手続の土俵に乗ったことで、法的根拠のない不当請求を完全に打ち負かすチャンスとなります。
弁護士は、こうした法的手続に対して以下のような専門的かつ強力な対応を行います。
1. 支払督促に対する「異議申し立て」の速やかな実施
簡易裁判所から「支払督促」が届いた場合、放置すると業者の主張がそのまま認められてしまい、財産の差し押さえ(強制執行)が可能になってしまいます。
- 支払督促が届いた日から原則2週間以内に、弁護士が「督促異議申し立て」を行います。
- 異議申し立てを行うことで、支払督促は通常の民事訴訟(裁判)へと移行します。これにより、業者のくくった安易な督促手続きをストップさせることができます。
2. 法的根拠に基づく「答弁書」の作成と提出
通常の裁判に移行した場合、弁護士は被告(事業者)側の代理人として、原告(業者)の請求を退けるための「答弁書」を作成・提出します。
- 求人広告詐欺や無料求人商法における契約の「錯誤(民法95条)」や「詐欺・強迫(民法96条)」を主張します。
- 契約締結時の電話や訪問における不実告知や、重要事項の不告知といった消費者契約法や民法上の違法性を論理的に指摘します。
- 業者が提示する「中途解約違約金」や「高額な掲載料」が公序良俗違反(民法90条)に該当し、無効であることを法的書面で明らかにします。
3. 法廷代理人としての出廷・尋問への対応
弁護士に依頼していれば、基本的には経営者本人が裁判所に出頭する必要はありません。弁護士がすべての期日に代理人として出廷し、裁判官との協議や主張の補足を行います。
- 相手方業者の代理人弁護士(または業者本人)からの理不尽な主張に対し、証拠に基づき法的に反論します。
- 和解の打診があった場合でも、依頼人である事業者の不利益にならないよう、「1円も支払わない(完全な請求棄却・合意解約)」という方針を貫いて交渉します。
求人詐欺の裁判で事業者が知っておくべき心構え
業者が裁判を起こしてきた段階で、すでに相手の「ブラフ(ハッタリ)」である可能性は極めて高くなっています。なぜなら、悪質業者のビジネスモデルは「手間をかけずに少額の金を回収すること」であり、弁護士を相手に本格的な裁判闘争を行うことは、彼らにとってコスト(時間と費用)に見合わないためです。
多くの場合、弁護士がきちんとした答弁書を提出し、徹底的に争う姿勢を見せると、業者は途中で「訴えの取り下げ」を申し出てきたり、和解を求めてきたりします。
悪質業者との全面対決は専門家にお任せください
弁護士が介入しても引き下がらない悪質な求人業者は、法的な防衛網を突破するための「最後のハードル」を越えてきたにすぎません。
- 自社だけで対応しようとすると、法的な不備から不利な状況に追い込まれるリスクがあります。
- 訴状や支払督促が届いた場合は、一刻も早く求人広告トラブルに精通した弁護士に書類一式を持参して相談してください。
適切な法的対応(答弁書の提出や応訴)を行うことで、不当な金銭の支払いを回避し、事業の平穏を取り戻すことが十分に可能です。一人で悩まず、確かな専門知識を持つ弁護士の力を頼りましょう。