詐欺業者の「顧問弁護士」から突然の請求書!その実態と正しい向き合い方
無料求人商法や悪質な求人広告トラブルに巻き込まれた際、業者から突然「顧問弁護士」を名乗る人物や法律事務所から連絡が来ることがあります。経営者や担当者であれば、「弁護士が出てきたということは、支払うしかないのでは…」と大きな心理的プレッシャーを感じてしまうことでしょう。
しかし、冷静になってその実態を見極める必要があります。悪質な事業者が使う「弁護士からの請求」には、実は多くの法的・構造的な弱点が存在しています。ここでは、相手方弁護士との交渉における実務的なアプローチについて解説します。
相手方弁護士から請求が来たときに確認すべき3つのポイント
悪質な求人広告詐欺のスキームでは、高額な違約金や掲載料を支払わせるために、形式的に弁護士の名前を使っているケースや、実態を十分に把握していない弁護士が機械的に受任しているケースが散見されます。相手から連絡があった場合、まずは以下のポイントを確認しましょう。
- 弁護士の存在自体が本物か(弁護士会照会等で実在を確認するか)
- 非弁提携(弁護士法72条違反)に該当するような実態がないか
- 契約書面における消費者契約法違反や公序良俗違反(民法90条)の有無
特に注意すべきなのは、悪徳業者と弁護士が不適切な関係を結んでいる「非弁提携」のケースです。業者の実態を知らずに名前だけを貸しているような場合、法的な追及を行うとあっさりと受任を辞退するケースも少なくありません。
法律のプロ同士だからこそ通じる「契約の違法性」を突いた交渉
事業者間であっても、無料と謳いながら高額な有料プランへ自動移行させるような手口や、実体のない広告枠に対して法外な違約金を請求する契約は、公序良俗違反や詐欺・錯誤による取消しの対象となります。
相手方代理人(弁護士)に対して反論を行う際は、感情的な言い分を伝えるのではなく、具体的な法律上の根拠を示すことが極めて有効です。
- 誇大広告や虚偽の説明(不実告知)によって締結させられた契約の瑕疵
- 提供された役務の価値と請求額の間に著しい不均衡がある点
- 裁判外紛争解決手続(ADR)や法的措置を視野に入れた場合の相手方の法的リスク
弁護士は原則として、勝訴の見込みがない事案や、依頼者の違法行為に加担することになるリスクが高い事案では、継続的な代理人活動を行わない傾向にあります。そのため、こちら側にしっかりとした法的根拠があり、簡単に言なりにならない姿勢を示すことが、請求を諦めさせるための大きなポイントとなります。
弁護士名義の督促に屈せず、早期の専門家相談を
詐欺業者の「顧問弁護士」という肩書は、あくまで相手側のプレッシャー戦術の一つに過ぎません。個人や自社のみで対応を続けようとすると、相手のペースに巻き込まれ、言質を取られてしまう危険性もあります。
もし相手方の弁護士から内容証明郵便や督促の電話が届いた場合は、ご自身だけで対応せず、事業者間トラブルや求人広告詐欺に強い弁護士に代理交渉を依頼することを強く推奨します。法律の専門家同士で法的ディスカッションを行うことにより、不当な請求の無効化や合意解約への道筋をスムーズに開くことが可能になります。