「契約書にサインした以上、すべて特約に従って支払わなければならない」——管理会社からそのように言われ、法外な原状回復費用を支払ってしまう経営者様が多くいらっしゃいます。しかし、契約書に記載されていても、法的に無効となる特約は存在します。
BtoB(事業者間)契約特有の難しさ
個人の住居用賃貸であれば「消費者契約法」が適用され、借主に一方的に不利な特約は比較的容易に無効とされます。しかし、法人・店舗など事業者間の契約(BtoB)では消費者契約法が適用されません。「事業者同士の対等な契約」とみなされるため、契約の原則として特約が有効とされるハードルが高くなります。
それでも特約が無効・制限されるケース
- 暴利行為・公序良俗違反:社会通念上、明らかに常軌を逸した過大な費用負担を強いる特約は、民法上の公序良俗(民法90条)に反し無効となる可能性があります。
- 特約の要件を満たしていない場合:過去の最高裁判例に基づき、「特約の必要性があるか」「借主が特約の義務を明確に認識していたか」「借主がその負担の意思表示をしているか」の3要件を満たしていない曖昧な特約は効力を有しないと判断されます。
- 説明義務違反:契約締結時において、特約の具体的な金額や負担範囲について重要事項説明が不十分であった場合。
💡 弁護士による契約書精査のメリット
弁護士は、膨大な契約書の条文から「借主に有利な条項」と「無効を主張できる特約の穴」を見つけ出します。また、退去の直前ではなく、退去の予告通知を出す前(あるいは直後)にご相談いただくことで、貸主に主導権を握られる前に、法的に有利な戦略を立てることが可能になります。
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