事務所やオフィスの退去時、パーテーションの撤去や床のタイルカーペットの張り替え、壁紙の修繕など多岐にわたる原状回復工事が求められます。しかし、「どこまでが借主の負担か」の線引きを巡って管理会社とトラブルになるケースが増加しています。
オフィス特有の「通常損耗」の扱い
住居用の賃貸借契約では、ポスターの画鋲の穴や家具の設置による床の凹みなど「通常損耗」は貸主負担となるのが原則(国土交通省ガイドライン)です。しかし、事業用物件(オフィス等)では「通常損耗も借主が負担する」という特約が設けられていることが一般的です。そのため、ガイドラインがそのまま適用されないケースが多く、特約の有効性や範囲が争点となります。
よくある不当な請求の例
- 設備の全面更新:エアコンや照明器具など、経年劣化による設備の交換費用まで借主に負担させる請求。
- 過剰な修繕要求:一部の汚れや傷を理由に、壁紙やタイルカーペットの「全面張り替え」を求める請求。
- 指定業者の高額見積もり:相場を大きく上回る指定業者の見積もりに対して、他社との相見積もりや価格交渉を一切認めないケース。
💡 弁護士による解決へのアプローチ
事業用物件であっても、特約の文言が曖昧であったり、暴利行為にあたるほど過剰な負担を強いる特約は法的に無効とされる余地があります。弁護士は契約書と特約の内容を精査し、過去の判例(東京高判など)と照らし合わせて、借主が本来負担すべき適正な範囲を画定し、管理会社と論理的に交渉を行います。
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