賃貸物件を退去する際、管理会社から法外な原状回復費用を請求され、納得がいかずに交渉しようとしたところ、「減額には一切応じない。応じないなら保証会社へ請求する(立て替えてもらい、あなたへ督促させる)」と言われて困惑してしまうケースは少なくありません。
この言葉は、借主に対する心理的なプレッシャー、いわば「脅し」の手段として使われることがよくあります。しかし、管理会社からこのような発言があった場合でも、借主は決して恐れる必要はありません。
この記事では、管理会社から保証会社への請求をちらつかされた際の法的リスクや、実効性のある対処法について弁護士が詳しく解説します。
【具体的な対処法】管理会社が保証会社へ請求を強行した場合は、不当請求であることを主張し、弁護士等を通じて受任通知を発送して立替払いを未然に防ぐ、または即時ストップさせることが効果的です。信用情報への悪影響を恐れず、毅然とした態度で減額交渉を行いましょう。
管理会社が「保証会社へ請求する」と言う心理と手口
賃貸借契約において、家賃保証会社は本来、家賃の滞納リスクなどに備えるためのものです。しかし一部の悪質な管理会社や大家は、退去時の原状回復費用を巡るトラブルにおいて、この保証会社を「借主を心理的に追い詰めるための道具」として悪用することがあります。
「保証会社に立て替えてもらえば、お前の信用情報に傷がつく」「保証会社から厳しい督促が行くようになるぞ」といったニュアンスを含めて発言し、借主に面倒事を避けたがらせて全額支払わせようとするのです。
しかし、そもそも不当に高額な原状回復費用や、貸主側が負担すべき経年劣化・損耗の費用まで請求されている場合、その請求自体に法的根拠がありません。
保証会社へ請求された場合の法的リスクと現実
では、実際に管理会社が退去費用を保証会社へ請求した場合、借主にはどのような影響があるのでしょうか。ここを正しく理解しておくことが重要です。
1. 立替払いが行われる可能性
保証会社の契約内容にもよりますが、管理会社からの請求に基づいて、保証会社が一時的に費用を立て替えて支払うことがあります。
2. 保証会社からの督促
立替払いが行われた場合、今度は保証会社から借主に対して「立替金の返還請求(督促)」が来るようになります。
3. 信用情報(ブラックリスト)への影響
保証会社の種類(信販系など)や規約によっては、立替金の未払いが続くと信用情報機関に登録されるリスクがゼロとは言えません。ただし、「そもそも請求金額自体が不当(法的な支払義務が存在しない)」場合、その争いがある中で機械的にブラックリストに登録されることは、保証会社にとっても法的なリスクを伴います。
恐れず弁護士を通じて保証会社へアプローチする
管理会社の「保証会社に請求するぞ」という脅しに対して、個人で口頭ベースで抗議を続けていても、らちが明かないことが多いのが現実です。このような場面で最も効果的なのは、弁護士を代理人に立てて法的な対抗措置をとることです。
弁護士が介入した場合、主に以下のような対応を行います。
- 管理会社への法的反論: 国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に基づき、法的に妥当な金額を算出して書面で主張します。
- 保証会社への受任通知の送付: 弁護士が代理人となった旨の通知(受任通知)を保証会社にも送付し、現在管理会社との間で金額の正当性を争っている最中であることを伝えます。
弁護士からの受任通知が届くことで、保証会社側も「安易に立替払いや強硬な督促を行うとトラブルに巻き込まれる」と判断し、無謀な立替払いをストップさせることが可能になります。
不当請求に屈せず、冷静に対処しよう
「保証会社に請求する」という言葉は、借主の不安を煽るための常套句にすぎません。法的な支払義務のない高額な費用を、言われるがままに支払う必要は一切ありません。
もし管理会社から不当なプレッシャーをかけられてお困りであれば、一人で抱え込まずに、退去費用・原状回復トラブルの交渉実績が豊富な弁護士へ早めにご相談ください。
原状回復・退去費用の高額請求でお悩みの方へ
国交省ガイドラインに基づき、弁護士が適正金額への減額交渉・返還請求をサポートします。諦めて支払う前に、まずはお気軽にご相談ください。