テナントの退去時やテナント区画の変更(B工事)において、水回りの移設に伴って施工された「床アップ(スラブ上げ)」のハツリ解体費用は、高額な見積もりが提示されやすいトラブルの温床となっています。
床上げコンクリートのハツリ解体やその後のスラブ面清掃工事は、専門的な知識がないと適正価格を判断するのが非常に難しい工事です。今回は、B工事における床ハツリおよび解体費用の単価精査のポイントについて詳しく解説します。
【不当請求への対策と減額交渉】相場からかけ離れた過大な請求に直面した際は、内訳の明細化を強く要求し、他社相場と比較して不当な上乗せがないか精査しましょう。テナントの原状回復やB工事のトラブルに精通した専門家や弁護士に相談し、適正価格への減額交渉を行うことが有効です。
B工事における「床アップ(スラブ上げ)」とは
店舗やオフィスのテナント工事では、トイレや給湯室などの水回りを新設・移設する際、排水管に十分な勾配を確保するために床をかさ上げする「床アップ(スラブ上げ)」工事が行われます。
コンクリートやモルタルを使用して床を高くするこの施工は、入居時の「A工事またはB工事」として借主側の負担で行われることが一般的です。そして、退去時やレイアウト変更時には、この床アップ部分を撤去して元のコンクリートスラブの状態に戻す「ハツリ解体工事」が必要になります。
床ハツリ工事の主な作業内容
- コンクリート床の破砕・ハツリ作業
- 発生したコンクリートガラ(産業廃棄物)の搬出・処分
- スラブ面のハツリカス清掃・下地調整
ハツリ解体とスラブ面清掃の単価精査における重要ポイント
B工事として提示された見積書に「床ハツリ工事」「床上げ撤去一式」といった曖昧な項目がある場合、そのまま支払うのは禁物です。以下のポイントに沿って単価や数量を精査する必要があります。
- 数量(面積・厚み)の妥当性確認:施工図面や現地調査データに基づき、ハツリを行う実際の平米数(㎡)やコンクリートの厚みが正確に反映されているか確認します。
- 単価の適正水準:一般的なコンクリートのハツリ・撤去単価は、厚みや現場の搬出条件にもよりますが、過度に高額な単価が設定されていないか同業他社の相場と比較します。
- 廃材処分費の二重計上や過大請求:産業廃棄物の運搬費や処分費が、ハツリ単価の中に含まれているにもかかわらず別途「一式」で計上されていないかチェックします。
スラブ面清掃工事の費用と注意点
床のコンクリートをハツリ解体した後は、元のコンクリートスラブ面をきれいにする「スラブ面清掃工事」が行われます。
ハツリ作業に伴う粉塵や小さな破片、接着剤の残りなどを綺麗に取り除く作業ですが、ここでも「一式」という名目で高額な費用が計上されるケースが見受けられます。作業範囲(㎡数)に対して適正な人件費や清掃費になっているか、内訳を詳細に開示させる姿勢が大切です。
B工事のトラブルを防ぎ適正化するためのアプローチ
B工事はビル側の指定業者との交渉になるため、借主側が不利になりやすい傾向があります。「指定業者だから言い値で支払うしかない」と諦めてしまう前に、専門的な視点を取り入れて適正化を図ることが重要です。
- 見積書の内訳明細を請求する:「一式見積もり」ではなく、作業員数、日数、重機損料、処分費などの詳細な内訳を書面で提出させます。
- 第三者や専門家への相談:賃貸借契約の内容や原状回復・B工事のルールに詳しい専門家に相談し、法的な観点や過去の事例に基づいたアドバイスを受けることで、無駄な支出を防ぐことができます。
床ハツリやB工事の費用でお困りの際は、泣き寝入りせずに早めの対策を講じましょう。
原状回復・退去費用の高額請求でお悩みの方へ
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