賃貸物件の退去時、トラブルを防ぐためにご自身で記録を残そうとする方は少なくありません。しかし、「その場で写真を撮るのはマナー違反なのではないか」「管理会社や大家さんに怒られるのではないか」と不安に感じる方もいらっしゃるでしょう。
結論からお伝えすると、退去立ち会い時の写真や動画の撮影は一切違反ではありません。むしろ、後日の不当な高額請求や言いがかりを防ぐために、非常に有効かつ正当な自衛手段となります。
【トラブル防止と対策】万が一、管理会社や大家さんに撮影を拒否された場合でも、「後日の認識のズレを防ぎ、お互いに納得のいく円満な確認を行うため」と冷静に伝え、記録を残すことが重要です。その場で安易に署名・捺印をせず、もし法外な退去費用を請求された場合は、ガイドラインを根拠に減額交渉を行い、必要に応じて消費生活センターや専門家に相談することをおすすめします。
退去立ち会いでの写真・動画撮影が「違反ではない」理由
賃貸物件の退去立ち会いは、お部屋の傷や汚れの状態を確認し、どちらが修繕費用を負担するかを明確にする大切な場です。この場において、写真や動画を撮影することが法律や規約で禁止されることは基本的にありません。
借主には、契約終了時の原状回復義務の範囲を正しく把握し、不当な請求から身を守る権利があります。立ち会い時に「ここには最初から傷があった」「この汚れは経年劣化によるものだ」と主張しても、口頭だけでは後日「言った・言わない」の水掛け論になってしまいます。客観的な証拠を残すことは、借主にとって極めて自然で正当な行為なのです。
管理会社や大家さんに拒否された場合の対処法
稀に、管理会社や大家さんから「撮影は困ります」「プライバシーの問題があるからやめてください」と拒絶されることがあります。しかし、ご自身が暮らしていた専有スペースを記録することはプライバシー侵害には当たりません。
もし拒否された場合は、以下のように冷静に理由を説明してみましょう。
- 「後々の認識のズレやトラブルを防ぎ、お互いに納得のいく形で清算するための記録として撮影させてください」
- 「部屋の全体像や、すでに存在していた傷などを客観的な証拠として残しておきたいのです」
多くの場合はこちらの真摯な姿勢を理解し、撮影を認めてくれます。
撮影する際の重要なマナーと注意点
退去立ち会い時の撮影は権利として認められていますが、相手の心情に配慮しない行動をとると、かえって心証を損ねて険悪な雰囲気になってしまう恐れがあります。円滑に立ち会いを終えるためにも、以下のマナーを守りましょう。
- 撮影前に必ず一言断りを入れる 無断でスマートフォンのカメラを向けたり、動画を回したりするのは不快感を与えます。「記録のために、全体や傷の写真を何枚か撮ってもよろしいですか?」と事前に許可を得るのが大人のマナーです。
- 立ち会い担当者の顔や個人情報は写さない 大家さんや管理会社の担当者がフレームインしないよう、あくまで「物件の床や壁、設備」に焦点を絞って撮影してください。
- その場で決定した事項を鵜呑みにしない 「ここは直しておきますね」と相手が口頭で言ったとしても、その場ですぐに書面にサインするのではなく、撮影したデータと照らし合わせて慎重に確認することが大切です。
トラブルを防ぐための効果的な撮影ポイント
退去時のトラブルを防ぐためには、ただやみくもに撮影するのではなく、効果的な箇所を網羅しておくことが重要です。以下のポイントを参考に撮影を行いましょう。
- 部屋全体のパノラマ・広角撮影 各部屋に入った段階で、全体の状態がわかるように各面の写真を残しておきます。
- 入居前からあった傷や汚れ 「入居時チェックシート」に記載した箇所や、引き渡し時点ですでに存在していたキズは、スケール(大きさのわかるもの)を添えてアップで撮影します。
- 水回りや備品の状態 キッチン、浴室、トイレ、洗面台などの水回りや、エアコン、建具などの設備も、動作確認を含めて状態を記録しておきましょう。
万が一、退去完了後に法外な修繕費用を請求されたり、身に覚えのないクロスの張り替え費用などを全額負担させられそうになったりしたときは、ご自身で撮影した写真や動画が強力な証拠となります。泣き寝入りせず、専門家への相談を検討してください。
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