賃貸経営において、借主が夜逃げするように退去したり、連絡が取れなくなったりした上、大量の家財道具が放置される「残置物トラブル」や、高額な原状回復費用の未払いは大きな頭痛の種です。ご自身で解決しようとしても、法的な手続きの壁に阻まれ、時間と労力がかかってしまいます。
そこで有効なのが弁護士への依頼ですが、気になるのは「弁護士費用はどれくらいかかるのか」「未払い費用や原状回復費用の回収率は上がるのか」という点でしょう。
今回は、貸主(大家)が弁護士へ原状回復や残置物撤去を依頼した場合の費用感と、回収率の現実について詳しく解説します。
【弁護士活用のメリットと注意点】勝手な残置物処分による損害賠償リスクを防ぎ、法的に正しいプロセス(占有移転禁止の仮処分や明け渡し訴訟等)で迅速にトラブルを解決できます。連帯保証人への請求も含め、次の入居者募集に向けた損失を最小限に抑える効果が期待できます。
大家が弁護士に残置物撤去・原状回復を依頼するメリット
借主が室内に私物を残したまま音信不通になった場合、貸主が勝手に私物を処分することは原則として法律で禁じられています(自力救済の禁止)。万が一、独断で処分すると、後から借主から損害賠償を請求されるリスクがあります。
弁護士に依頼する最大のメリットは、法的な正当手続を踏んだ上でのスピーディな解決にあります。
- 占有移転禁止の仮処分や訴訟手続きの迅速な代行
- 契約解除から明け渡しまでの法的に不備のないプロセスの構築
- 連帯保証人への的確な請求と交渉
これらを法的専門知識に基づいて行うことで、次の入居者募集へ向けたロスを最小限に抑えることができます。
弁護士に依頼した場合にかかる費用の目安
弁護士費用は、依頼する事務所の報酬基準や事件の複雑さ(相手の行方が分かっているか、訴訟が必要かなど)によって異なりますが、一般的には以下のような構成になります。
- 相談料:初回無料〜5,000円程度(30分)
- 着手金:交渉段階では10万円〜20万円程度、訴訟に発展する場合は請求額に応じて変動
- 報酬金:実際に回収できた金額の10%〜20%程度、または経済的利益の一定割合
残置物撤去を伴う建物明渡し請求訴訟から原状回復費用の回収までを一貫して依頼する場合、トータルの初期費用(着手金等)としては20万円〜40万円程度を見込んでおく必要があります。決して安くはありませんが、空室期間が長期化する機会損失や、不法投棄リスクを考慮すれば十分な投資対効果と言えます。
未払い費用・原状回復費用の「回収率」の実態
「弁護士に頼めば、お金は全額戻ってくるのか」という疑問を持つ大家さんは多いですが、回収率は相手(借主・連帯保証人)の「資力(支払い能力)」と「所在の有無」によって大きく左右されます。
1. 相手の居所が判明しており、仕事や資産がある場合
このケースでの回収率は非常に高くなります。弁護士名義で内容証明郵便を送る、あるいは裁判所の督促手続や訴訟を起こすことで、相手や連帯保証人に強いプレッシャーを与えられます。給与や預貯金の差し押さえ(強制執行)まで視野に入れることで、70%〜90%以上の高い回収率を期待できるケースも少なくありません。
2. 相手が行方不明、または無資力の場合
夜逃げなどで完全に連絡が取れず、勤務先も不明な場合、たとえ勝訴判決を得ても強制執行の対象となる財産が存在しないため、回収率は低下します。ただし、弁護士による戸籍・住民票の調査や財産開示手続を活用することで、隠された資産を見つけ出せる可能性もあります。
また、回収できる見込みが低い場合でも、「合法的に残置物を処分し、次の賃貸経営をスタートできる」という経済的・精神的メリットを重視して依頼する貸主様が多数いらっしゃいます。
トラブルを未然に防ぐため、そして迅速な解決のために
原状回復費用の未払いや残置物放置は、放置すればするほど被害が拡大します。管理会社だけで対応しきれなくなった段階で、早めに弁護士へ相談することが、結果的にトータルの損失を抑える近道となります。
当事務所では、賃貸人側の立場に立ち、適正な原状回復費用の算定から法的な明渡し請求、残置物撤去のサポートまで幅広く対応しております。お気軽にご相談ください。
原状回復・退去費用の高額請求でお悩みの方へ
国交省ガイドラインに基づき、弁護士が適正金額への減額交渉・返還請求をサポートします。諦めて支払う前に、まずはお気軽にご相談ください。