賃貸アパートの退去時、壁紙に傷をつけてしまい「自分でパテを使って補修したら、管理会社や大家さんに怒られてしまった」というトラブルは少なくありません。
良かれと思ってやった自作補修が原因で、かえって事態を悪化させてしまうケースがあります。この記事では、壁紙の自作補修がなぜ怒られてしまうのか、その後の費用請求や正しい対処法について詳しく解説します。
賃貸アパートで壁紙を自作補修して怒られたときの対処法
【不当な高額請求への対処と交渉のポイント】無断でのDIYは契約違反とみなされがちですが、経年劣化や通常損耗分の費用まで支払う義務はありません。全額請求された場合は、耐用年数を踏まえた適正額の算出を求め、納得がいかない場合は専門家や消費者生活センターへ早めに相談しましょう。
賃貸物件の壁紙は借主の所有物ではなく、大家さんや管理会社から借りているものです。そのため、無断で手を加えること自体が契約違反とみなされ、トラブルに発展しやすくなります。
「きれいに直そうとしたのに、なぜ怒られなければならないのか」と疑問に思うかもしれませんが、まずは不動産会社の主張と借主の権利のバランスを正しく理解することが大切です。
なぜ壁紙の自作補修がダメだと言われてしまうのか
市販のパテや補修キットを使って、自分で壁紙の穴や傷を隠そうとする人は多くいます。しかし、なぜこれが管理会社や大家さんの逆鱗に触れてしまうのでしょうか。主な理由は以下の通りです。
- 素人の補修がかえって状態を悪化させることがある
- 色や質感が周囲のクロスと合わず、かえって目立ってしまう
- 剥がす際に下地(石膏ボードなど)まで傷つけてしまうリスクがある
- 無断で手を加えること自体が契約上のトラブルの種になる
素人がパテ埋めやDIYを行うと、プロが直す際に「パテを削る作業」や「下地の調整」といった余計な手間がかかります。結果として、最初につけた傷よりも修理範囲が広がり、高額な工事費を請求される原因になってしまうのです。
パテ補修に失敗した場合の費用負担と「減価償却」のルール
では、自作補修が失敗したとして、請求された費用は全額支払わなければならないのでしょうか。結論から言うと、不完全な補修に対する費用請求がされる場合でも、減価償却のルールは適用されます。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、壁紙(クロス)の耐用年数は6年と定められています。
- 耐用年数の考慮 入居してからの年数が経てば経つほど、壁紙の価値は下がっていきます。例えば、入居から5年が経過している壁紙であれば、価値は残りわずか(1年分程度)です。
- 自作補修のペナルティについて 「勝手に直したから定価で弁償しろ」と請求されるケースがありますが、法律上、どんなにきれいに使っていても経年劣化・損耗は進むものとされています。自作補修によって下地を著しく破壊した場合を除き、耐用年数を無視した全額請求は法的に認められにくい傾向にあります。
つまり、パテ補修が失敗してプロによる貼り替えが必要になったとしても、「元々の傷の責任」および「経過年数(残存価値)」に応じた負担額が基本となります。
高額な原状回復費用を請求されたときの正しい相談先
壁紙の自作補修をめぐり、「パテを塗ったから部屋全体のクロス代を全額払え」などと、法外に高額な請求を突きつけられるケースが後を絶ちません。
もし管理会社から納得のいかない請求をされた場合は、その場で安易に示談書にサインをしないことが重要です。写真や見積書を保管し、消費者センターや弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。
当事務所では、適正な原状回復費用に関するご相談を多数承っております。泣き寝入りする前に、ぜひ一度専門家へご相談ください。
原状回復・退去費用の高額請求でお悩みの方へ
国交省ガイドラインに基づき、弁護士が適正金額への減額交渉・返還請求をサポートします。諦めて支払う前に、まずはお気軽にご相談ください。