Q:店舗の居抜き譲渡料(造作譲渡代金)の相場は?

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」、民法(通常損耗・経年劣化の減価償却ルール)、および多数の退去費用減額・敷金返還交渉の裁判実務に基づきわかりやすく解説しています。

店舗の居抜き譲渡料(造作譲渡代金)の相場と決まり方

Q 店舗の居抜き譲渡料(造作譲渡代金)の相場はどのくらいですか?
A 【造作譲渡料の一般的な相場】小規模店舗で数十万〜150万円、中規模で150万〜300万円程度と、設備の築年数や業態、立地により数十万〜数百万円と幅広くなります。価格は後任テナントとの直接交渉で決定し、スケルトン戻しの解体費用と比較して「新品を揃えるより安いか」が判断基準となります。
【トラブル回避と交渉のポイント】造作譲渡は貸主の承諾が必須です。原状回復義務の免除や、残存価値の低い設備の扱いでトラブルになりやすいため、法的な権利関係や過去の判例に精通した専門家への相談を視野に入れ、慎重に条件交渉を進めることが重要です。

店舗を退去する際、内装や厨房設備などを次の借り手に引き継ぐ「居抜き譲渡」を行うことで、造作譲渡代金を受け取れるケースがあります。退去費用(原状回復費)を抑えられるだけでなく、プラスの収入になる可能性があるため、多くのテナント経営者にとって気になるポイントでしょう。

この章では、居抜き譲渡料の基本的な相場観や、価格がどのように決まるのかを詳しく解説します。

居抜き譲渡料(造作譲渡代金)の一般的な相場

造作譲渡代金に一律の定価はなく、店舗の規模や立地、残す設備の価値によって大きく変動します。一般的な目安としては以下の通りです。

  • 小規模な飲食店やサロン(10坪〜15坪程度):数十万〜150万円程度
  • 中規模なレストラン・カフェ(20坪〜30坪程度):150万円〜300万円程度
  • 大規模店舗や高級内装の店舗:300万円以上、あるいはそれ以上になることも

スケルトンに戻す場合の解体費用(坪数×数万円)と比較して、「この金額であれば新品を揃えるより安い」と後任の借主が納得できる価格設定がポイントとなります。

造作譲渡の金額を左右する主な要素

実際の金額交渉では、以下のような要素が価格の基準となります。

  • 設備の築年数と状態:新しい設備ほど価値が高く、耐用年数を過ぎたものは価格が下がります。
  • 業態の需要:同じ飲食店でも、ダクトやグリストラップが完備された物件はカフェやラーメン店などから重宝されます。
  • 立地条件:好立地の物件であれば、内装の価値が高くなくても居抜き需要が集中するため高値がつきやすくなります。

後任テナントとの直接交渉と注意点

造作譲渡は、基本的に退去するテナント(旧借主)と次に借りるテナント(新借主)の間で直接交渉を行い、売買契約を締結します。

ただし、賃貸借契約上は「貸主(オーナー)の承諾」が不可欠です。オーナーや管理会社を無視して話を進めると、後々トラブルになり、造作譲渡が無効になってしまうリスクもあります。必ず仲介業者や専門家を交え、貸主の合意を得ながら進めるようにしましょう。

退去時の原状回復トラブルや、居抜き譲渡をめぐる貸主との条件調整にお困りの際は、不動産トラブルに強い弁護士へのご相談もご検討ください。

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弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、借金問題、既婚者との男女トラブルなど、日常の不測の事態に直面した皆様の心理的なご負担を少しでも和らげ、円満な解決を導くためのサポートを徹底して行っています。どんな小さなお悩みでも、まずは当事務所の事務スタッフがLINEのチャットにて丁寧にお話をお伺いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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