賃貸物件でより快適な生活を送るために、温水洗浄便座を自分で後付け(DIY)する方は少なくありません。しかし、いざ退去するとなったとき、「自分で付けた便座はどうすればいいのか」「元々あった便座はどこへ行ったか」と頭を悩ませるトラブルが多発しています。
今回は、温水洗浄便座をご自身で後付けした際の、退去時における撤去や原状回復のルールについて詳しく解説します。
【不当請求への対処法と法的ルール】元便座を紛失・処分してしまった場合でも、トイレ設備の法的耐用年数は6年であり、残存価値が極めて低い(1円など)ケースがほとんどです。高額な新品購入・工事費を請求された場合は、国交省の原状回復ガイドラインを根拠に、残存価値に応じた適正額への減額交渉を行いましょう。納得できない場合のプロや弁護士への相談も有効です。
温水洗浄便座のDIYと原状回復の基本ルール
賃貸借契約では、退去時に部屋を元の状態に戻す「原状回復義務」が借主に課せられています。これはトイレの便座も例外ではありません。
もともと温水洗浄便座が備え付けられていた物件であれば問題ありませんが、普通便座だった物件に、入居者が自分の好みや便利さから温水洗浄便座を後付けした場合、退去時には原則として撤去して元の状態に戻す必要があります。
無断で取り付けたまま退去したり、「便利になるから置いていく(残置物)」と勝手に判断したりすると、後々トラブルの原因になります。
元々あった普通便座の「保管責任」について
DIYで便座を交換する際、最も重要なのが「取り外した元の普通便座をどうするか」という問題です。
多くの借主が見落としがちな点ですが、元々備え付けられていた設備は大家さんの所有物(貸与品)です。したがって、借主には退去時までそれを善良な管理者の注意義務をもって保管する責任があります。
自宅での保管が難しい場合の注意点
「大きくて邪魔だから」「使う予定がないから」といって、元々あった普通便座を知人に譲ったり、勝手に処分してしまったりするのは大変危険です。退去時に元の便座がない場合、以下のような対応を求められることがあります。
- 大家さんや管理会社を通じて同じ型番の便座を取り寄せ、弁償する
- 退去時の原状回復費用として高額な買い替え・取り付け費用を請求される
もし自宅での保管スペースがない場合は、貸主や管理会社に「取り外した便座を預かってもらえないか」、あるいは「退去時に置いていってもよいか(残置の承諾)」を事前に相談・確認しておくことが賢明です。
退去時の正しい手順と注意すべきポイント
実際に退去する際、温水洗浄便座をどのように処理すべきか、正しい手順を確認しておきましょう。
1. 契約内容や管理会社への事前確認
まずは賃貸借契約書を確認し、設備交換に関する特約がないかをチェックします。その上で、管理会社や大家さんに「自分で取り付けた温水洗浄便座があるが、取り外して元に戻して退去してよいか」を連絡しましょう。稀に、次の入居者のために「そのまま置いていってもいいよ」と言ってくれるケースもあります。
2. 取り外しおよび復旧作業の注意点
自分で取り外して元の便座に戻す場合、水漏れなどのトラブルに十分注意してください。
- 作業前には必ず止水栓を閉める
- 配管内に残った水が床にこぼれないよう雑巾を用意する
- パッキンなどの消耗品が劣化している場合は新しいものに交換する
自信がない場合は、無理をせず専門業者や、管理会社が手配する業者に有償で依頼するのも一つの方法です。中途半端なDIYのまま返却し、水漏れによる床の腐食などが発覚すると、多額の損害賠償を請求されるおそれがあります。
3. トラブルになった場合の対処法
「元の便座を処分してしまった」「大家さんから法外な原状回復費用を請求された」など、退去時にトラブルに発展してしまった場合は、感情的に言い争うのではなく、まずは冷静に話し合いましょう。
もし納得のいかない高額請求をされたときは、一人で抱え込まずに消費者センターや、賃貸トラブルに詳しい弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。
原状回復・退去費用の高額請求でお悩みの方へ
国交省ガイドラインに基づき、弁護士が適正金額への減額交渉・返還請求をサポートします。諦めて支払う前に、まずはお気軽にご相談ください。