賃貸借トラブルにおける原状回復費用や家賃の滞納をめぐり、突然裁判所から書類が届いてパニックになってしまう方は少なくありません。なかでも「呼出状」や「第1回期日指定書」という封筒を目にすると、どうしていいか分からず頭が真っ白になることでしょう。
ここでは、裁判所から呼出状が届いた際に借主がとるべき初動対応について、分かりやすく解説します。
【減額交渉と弁護士活用の重要性】原状回復の不当請求に対しては、国交省のガイドラインに基づき経年劣化や通常損耗分を主張する「答弁書」を速やかに作成・提出する必要があります。ご自身での対応が難しい場合や請求額が高額な場合は、直ちに弁護士へ緊急相談して出頭の委任や減額交渉を依頼することが不可欠です。
裁判所から「呼出状」が届いたときの初期の心構え
退去費用の請求や原状回復トラブルで貸主側と折り合いがつかない場合、相手が簡易裁判所や地方裁判所に訴訟を提起すると、自宅に特別送達と呼ばれる郵便で裁判所からの書類が届きます。
封筒の中には、主に以下の書類が入っています。
- 訴状(相手が何を請求しているのかが書かれた書類)
- 呼出状・第1回期日指定書(裁判所に来るべき日時と場所が書かれた書類)
- 答弁書用紙(自分の主張を書いて裁判所に提出する書類)
これらを受け取ったとき、絶対にやってはいけないのが「無視する(放置する)」ことです。書類を無視して指定された期日に裁判所に行かず、答弁書も出さないままでいると、原告(貸主側)の主張をすべて認めたとみなされ、原告勝訴の判決(欠席判決)が下されてしまいます。その結果、高額な退去費用や請求額がそのまま預金口座の差し押さえなどの強制執行につながるリスクがあります。
ステップ1:指定期日と請求内容の確認
封筒を開けたら、まずは落ち着いて以下の2点を確認しましょう。
- 第1回期日の日時と場所:いつまでに、どこに行けばよいのか(または書類を出せばよいのか)を確認します。
- 請求の趣旨と原因(訴状):相手が「いくら支払え」と主張しており、その理由はなぜなのかを読み取ります。
多くの場合、第1回期日は書類が届いてから1ヶ月前後先に設定されています。「まだ時間がある」と思って先延ばしにしていると、あっという間に期限が来てしまうため、届いたその日に動くことが重要です。
ステップ2:「答弁書」の作成と提出
裁判所から届いた「答弁書用紙」には、原告の主張に対して「認める」「認めない(争う)」という自分の立場を記載する欄があります。
原状回復費用のトラブルであれば、例えば「ガイドラインを超える過大な特約である」「経年劣化や通常損耗が含まれている」といった反論の要点を記載する必要があります。
ただし、法的な根拠や証拠に基づかずに感情的な主張だけを書いてしまうと、裁判上有利に働くことはありません。期限(通常は期日の数日前まで)に間に合わせる必要がありますが、ご自身だけで不備のない答弁書を作成するのは容易ではありません。
ステップ3:弁護士への緊急相談と出頭受任
裁判所から呼出状が届いた段階で、最も確実でリスクの少ない初動対応は、原状回復トラブルに強い弁護士へ直ちに相談することです。
弁護士に依頼するメリットには、以下のようなものがあります。
- 答弁書の作成・提出の代行: 法的根拠に基づいた適切な主張を整理し、期限内に裁判所へ提出してくれます。
- 第1回期日への代理出頭: 原則として、初回期日は弁護士が代理人として出席するため、仕事などを休んでご自身が裁判所に出頭する必要がなくなります(※事案や裁判所によっては本人の出頭が求められる場合もあります)。
- 減額交渉のプロによる対応: 貸主側(家主や管理会社)の代理人弁護士と対等に交渉し、法的に妥当な金額への減額や和解に向けた話し合いを進めてくれます。
「裁判なんて初めてでどうすればいいか分からない」「高額な退去費用を請求されて納得がいかない」と一人で抱え込んでしまうと、対応が遅れて取り返しのつかない事態になりかねません。
裁判所から呼出状が届いたときは、一刻も早く専門家である弁護士に相談し、適切な初動対応をとるようにしてください。当事務所では、依頼者に代わって裁判手続きや相手方との交渉を迅速にサポートいたします。
原状回復・退去費用の高額請求でお悩みの方へ
国交省ガイドラインに基づき、弁護士が適正金額への減額交渉・返還請求をサポートします。諦めて支払う前に、まずはお気軽にご相談ください。