外国人労働者(技能実習生・特定技能)の休業損害と本国賃金のポイント
交通事故にあわれた際、相手方保険会社との交渉や各種手続において以下のポイントを把握しておくことが極めて重要です。
- 日本での支給給与基準
- 母国還元。
弁護士基準(裁判所基準)での適正解決に向けて
交通事故の被害では、保険会社の提示額(自賠責基準や任意保険社内基準)と、裁判所や弁護士が適用する弁護士基準(裁判所基準)との間に大きな乖離が存在するケースが多々あります。
2020年4月の民法改正に伴う最新の法定利率(年3%)や適正な慰謝料計算基準に沿って対応することで、賠償額が増額する可能性が高まります。妥協される前に、まずは当事務所の無料相談をご利用ください。
近年、日本国内では多くの外国人労働者(技能実習生や特定技能外国人など)が活躍されていますが、万が一交通事故に遭ってしまった際、休業損害の計算方法を巡って大きなトラブルになるケースが後を絶ちません。
「日本の低い給与基準で計算されるのか」「母国で得ていたはずの収入と比較されるのか」といった疑問や不安を抱える被害者の方、そしてそのサポートをされる方に向けて、法律の専門的観点から正しい知識と対処法を解説します。
外国人労働者の休業損害はどの基準で計算されるのか?
交通事故によって仕事を休み、収入が減少した場合、加害者側に請求できるのが休業損害です。外国人労働者の場合、この金額をどのように算出するのかが最初の争点となります。
日本の損害賠償法では、国籍を問わず「現実の収入」を基準に損害を算定するという原則があります。そのため、基本的には日本で働き、事故前実際に受け取っていた給与明細をベースに計算が行われます。
日本での支給給与が基本となる理由
日本の裁判実務や示談交渉において、休業損害の基礎となるのは「事故前3ヶ月間の平均賃金」などが一般的です。
- 技能実習生や特定技能外国人であっても、日本国内の事業所に雇用されている以上、日本人労働者と同様に扱われます。
- 雇用契約書や給与明細、タイムカードなどが重要な証拠となります。
- 不法就労などの例外的なケースを除き、在留資格の有無によって休業損害が否定されることは基本的にありません。
「本国の賃金水準」と比較されることはあるか?
「日本での給与は母国の水準より高いから、減額されるのではないか」と心配される方もいますが、そのような心配は原則として不要です。
日本で適法に働き、日本の生活コストを基準に経済活動を行っている以上、適用されるのは日本国内の賃金基準です。本国の物価や賃金水準に換算されて減額されるような不当な計算方法は、法的な根拠がありません。
母国への送金や将来の賃金上昇に関する注意点
外国人労働者の休業損害を考える際、給与の全額が日本で消費されるわけではない点や、将来的なキャリアパスについても考慮しなければならない場面があります。
特に、技能実習から特定技能への移行期や、母国への送金を家族の生活費にあてている場合などは、保険会社との交渉で専門的な主張が求められます。
母国送金分の扱いに差はあるのか?
「給与の大半を母国に送金しているから、日本国内での生活費分しか休業損害が認められないのではないか」という誤解を受けることがありますが、これは間違いです。
- 労働の対価として得た給与の使い道(貯蓄、国内での消費、母国への送金)は労働者の自由です。
- 収入そのものが損害の基礎となるため、送金実績があるからといって休業損害が減額される法的な理由はありません。
不当に低い賃金である場合の法的アプローチ
技能実習生などのなかには、最低賃金ギリギリ、あるいはそれ以下の不当な労働環境に置かれているケースも残念ながら存在します。
このような場合、単にその低い給与明細通りの額で休業損害を計算すると、被害者にとって著しく不利になってしまいます。違法な低賃金や、本来得られるはずだった適正な昇給・残業代が見込まれる場合は、弁護士を通じて本来あるべき賃金水準を主張・立証していく必要があります。
外国人労働者が適正な休業損害を獲得するためのポイント
外国人労働者が交通事故の被害に遭った場合、言葉の壁や日本の法制度・保険実務への不慣れにつけこまれ、保険会社から不利な示談を提示されるリスクが高まります。
適正な賠償金を受け取るためには、以下のステップを踏むことが極めて重要です。
- 事故直後から給与明細や雇用契約書、源泉徴収票などの証拠を確実に保管しておく。
- 保険会社からの説明や示談案に安易にサインせず、内容を慎重に確認する。
- 労働法や交通事故損害賠償に精通した弁護士に早い段階で相談する。
外国人労働者の休業損害や本国との関わりに関する問題は、個々の在留状況や契約内容によって判断が分かれる繊細な分野です。泣き寝入りすることなく、専門家のサポートを受けて正当な権利を主張しましょう。
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