交通事故でケガをした場合、被害者には治療費だけでなく「入通院慰謝料(傷害慰謝料)」が支払われます。この慰謝料は、被害者の精神的苦痛に対して支払われるものですが、実務上は「どのくらいの期間、どのくらいの頻度で通院したか」をベースに計算されます。
そのため、自己判断で通院を休んでしまったり、間違った通院方法を続けてしまうと、最終的に受け取れる賠償金が大きく減額されてしまう危険性があります。
本記事では、適正な慰謝料を受け取るために知っておくべき「通院のルールとNG行動」について解説します。
適正な慰謝料をもらうための「通院の基本ルール」
1. 通院頻度の目安は「週2〜3回(月10日程度)」
むちうち(頸椎捻挫)や打撲などの場合、痛みが続く限りは週に2回から3回程度のペースで通院を継続するのが理想的です。 「痛みが引いてきたから」「仕事が忙しいから」と自己判断で月に2〜3回しか通院しない期間が続くと、保険会社から「治療の必要性がない(すでに治癒している)」と判断され、慰謝料が実通院日数ベースで大幅に減額されてしまいます。
2. 通院期間は「症状固定」まで継続する
通院期間の目安としては、むちうち症の場合で概ね3ヶ月〜半年程度が一般的です。 保険会社から「そろそろ3ヶ月なので治療費を打ち切ります」と言われても、まだ痛みが残っているのであれば、主治医と相談して治療を継続してください(※これを症状固定と呼びます)。保険会社が言う「目安」はあくまで彼らの都合であり、治療を終了するタイミングを決めるのは保険会社ではなく「医師」です。
絶対にやってはいけない!3つのNG行動
NG行動①:事故後、すぐに病院(整形外科)に行かない
事故直後は興奮状態にあり、痛みを感じにくいことがあります。しかし「大したことない」と自己判断して病院に行かず、数日経ってから痛みが出て受診した場合、「そのケガが本当に交通事故によるものなのか(因果関係)」を保険会社から疑われ、治療費の支払いを拒否されるリスクが高まります。 事故に遭ったら、自覚症状がなくても必ずその日のうち(遅くとも数日以内)に整形外科を受診してください。
NG行動②:整形外科に行かず「整骨院(接骨院)」だけに通う
整骨院の柔道整復師による施術は、法的には「医療行為」ではなく、医師による治療とは区別されます。 整形外科(医師)の指示や許可なく整骨院だけで施術を受けていると、保険会社から治療費の支払いを拒否されるケースが多発しています。また、万が一痛みが残って「後遺障害」の申請をする際、後遺障害診断書を書けるのは医師だけです。 整骨院を利用する場合でも、必ず月に1〜2回は整形外科に通院して医師の診察を受けることが鉄則です。
NG行動③:痛い部位を医師にすべて伝えない
事故直後の初診時に、「首が一番痛いから」と首のことだけを伝え、腰や腕の痛みを伝えないまま数週間が経過してしまうことがあります。 後から「実は腰も痛くて…」と伝えても、保険会社は「事故とは関係ない日常生活でのケガだ」として交通事故の治療部位として認めてくれません。初診時には、少しでも違和感や痛みがある部位を「すべて漏らさず」医師に伝えてカルテに残してもらうことが非常に重要です。
保険会社への対応に迷ったら、弁護士へご相談を
通院を続けていると、相手の保険会社から「そろそろ治療は終了にしませんか?」「今月で治療費の対応を打ち切ります」といったプレッシャーをかけられることがあります。
まだ治療が必要な状態で打ち切られてしまうと、その後の通院が自費になるだけでなく、最終的な慰謝料額も少なくなってしまいます。 「自分の通院頻度は適切か?」「保険会社から打ち切りを打診されたがどうすればいいか?」とお悩みの方は、一人で抱え込まずに夕陽ヶ丘法律事務所までご相談ください。弁護士があなたに代わって保険会社と交渉し、安心して治療に専念できる環境をお守りします。