育児休業(育休中)の女性の休業損害:育休手当との関係のポイント
交通事故にあわれた際、相手方保険会社との交渉や各種手続において以下のポイントを把握しておくことが極めて重要です。
- 家事従事者としての主婦休損請求。
弁護士基準(裁判所基準)での適正解決に向けて
交通事故の被害では、保険会社の提示額(自賠責基準や任意保険社内基準)と、裁判所や弁護士が適用する弁護士基準(裁判所基準)との間に大きな乖離が存在するケースが多々あります。
2020年4月の民法改正に伴う最新の法定利率(年3%)や適正な慰謝料計算基準に沿って対応することで、賠償額が増額する可能性が高まります。妥協される前に、まずは当事務所の無料相談をご利用ください。
交通事故に遭われた際、被害者が専業主婦や育児休業中(育休中)である場合、「収入がないから休業損害は請求できないのではないか」と不安に思われる方が非常に多くいらっしゃいます。
結論からお伝えすると、育休中であっても休業損害を請求できる可能性は十分にあります。法律上、家事従事者としての労働が認められているためです。育児休業給付金(育休手当)との関係性も含め、適正な賠償金を受け取るためのポイントを詳しく解説します。
育休中の女性でも休業損害は請求できる
交通事故による休業損害は、原則として「事故当時の収入を基礎として、ケガのために働けなくなった分の収入減少分」を補償するものです。そのため、産休や育休を取得して無給状態(または給付金受給状態)にあった方の場合、一見すると損害が発生していないように思われがちです。
しかし、裁判実務において育休中の女性は「家事従事者(主婦・主夫)」として扱われます。家事労働も財産的な価値を持つ労働とみなされるため、賃金センサス(男女全年齢平均の賃金)をベースにして休業損害を算出することが認められています。
なぜ家事従事者としての休損が認められるのか
育児休業は、あくまで「職場復帰を前提として一時的に仕事を休んでいる状態」にすぎません。労働者としての地位を有していると同時に、家庭内では日常的な家事や育児という労働を担っています。
事故によって家事や育児ができなくなった場合、それは家事労働の喪失を意味するため、休業損害の請求権が発生するのです。
育児休業給付金(育休手当)と休業損害の関係
育休中の方が最も気になる疑問の一つが、「国から受給している育児休業給付金と休業損害は相殺されてしまうのか」という点でしょう。
結論から申し上げますと、育児休業給付金は休業損害から差し引かれない(損益相殺されない)のが一般的です。
差し引かれない理由
損益相殺とは、同一の事故によって得た利益を損害額から控除する仕組みです。しかし、育児休業給付金は「雇用保険の被保険者が育児休業を取得した場合に支給される給付」であり、交通事故の損害賠償金とは性質が異なります。
加害者側から「給付金が出ているのだから、その分は休業損害を減額してほしい」と主張されるケースが見受けられますが、法的な根拠は薄いといえます。ただし、事案の具体的な状況や保険会社の対応によっては交渉が難航することもあるため注意が必要です。
復職遅延が生じた場合の注意点
事故のケガが原因で、予定していた時期に職場復帰ができなくなったり、育休期間を延長せざるを得なくなったりするケースがあります。
この場合、以下のような複雑な損害が発生します。
- 本来得られるはずだった給与と育休手当の差額
- 復職予定日が遅れたことによる経済的損失
このようなケースでは、単なる家事従事者としての休損計算だけでなく、実際の給与体系や復職計画に基づいた立証が必要となります。
育休中の休損請求で損をしないためのポイント
適正な額の休業損害を獲得するためには、被害者自身がしっかりと証拠を残し、正しい主張を行うことが不可欠です。保険会社の提示する金額をそのまま鵜呑みにせず、以下のポイントを押さえましょう。
医師の診断書と家事への支障を証明する
休業損害を請求するためには、「ケガのために家事ができなかったこと」を証明しなければなりません。
- 医師の診断書に家事労働の制限について記載してもらう
- 通院期間やケガの程度(骨折、むち打ちなど)を明確にする
- 家族のサポート状況(夫や両親に家事を代わってもらった事実など)を記録しておく
これらの事情を丁寧に積み上げることで、家事従事者としての休業損害が認められやすくなります。
弁護士への相談がおすすめな理由
保険会社は、育休中の被害者に対して「無職だから休損は出ない」「育休手当が出ているから減額する」といった独自の主張をしてくることが少なくありません。法律の専門知識がない状態で示談交渉を進めると、本来受け取れるはずの正当な賠償金を大幅に下回る金額で合意させられてしまうリスクがあります。
交通事故に強い弁護士に依頼すれば、過去の裁判例に基づいた適正な休業損害の計算を行い、保険会社との交渉を有利に進めることが可能です。育休中の休損請求や育休手当との関係でお悩みの方は、一人で抱え込まず、早い段階で交通事故専門の弁護士へご相談されることを強くお勧めします。
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