オーナー大家(不動産賃貸業)の休業損害:家賃収入への影響のポイント
交通事故にあわれた際、相手方保険会社との交渉や各種手続において以下のポイントを把握しておくことが極めて重要です。
- 不動産管理の自ら行う労務部分のみ。
弁護士基準(裁判所基準)での適正解決に向けて
交通事故の被害では、保険会社の提示額(自賠責基準や任意保険社内基準)と、裁判所や弁護士が適用する弁護士基準(裁判所基準)との間に大きな乖離が存在するケースが多々あります。
2020年4月の民法改正に伴う最新の法定利率(年3%)や適正な慰謝料計算基準に沿って対応することで、賠償額が増額する可能性が高まります。妥協される前に、まずは当事務所の無料相談をご利用ください。
交通事故に遭ったとき、会社員や自営業者であれば「休業損害」が支払われることは広く知られています。しかし、オーナー大家として不動産賃貸業を営んでいる場合、「家賃収入が入るのだから、休業損害は出ないのではないか」と不安に思う方は少なくありません。
結論からお伝えすると、オーナー大家であっても、自身で行っていた管理・運営業務の労務に対する対価として、休業損害が認められるケースがあります。ただし、家賃収入そのものがそのまま補償されるわけではない点に注意が必要です。
本記事では、不動産賃貸業を営むオーナー大家の休業損害について、その考え方や計算方法、請求時の注意点を専門弁護士の視点から解説します。
オーナー大家の休業損害の考え方
交通事故による休業損害は、「事故による怪我のために働くことができず、収入が減少した損害」を補填するためのものです。そのため、不動産賃貸業における収益の性質を正確に理解しておく必要があります。
家賃収入は「不労所得」とみなされる
法律上、家賃収入の大部分は不動産という資産から生み出される利益(果実)であり、労働の対価ではない「不労所得」と整理されます。そのため、事故によってオーナーが怪我をし、入居者の募集や家賃の集金業務が一時的にできなくなったとしても、家賃そのものが途絶えていない限り、家賃の全額を休業損害として請求することは原則としてできません。
休業損害の対象となるのは「労務部分」
オーナー大家であっても、物件の管理、清掃、入居者からのクレーム対応、退去時の立ち会い、修繕業者との交渉などを自らの労働として行っている場合、その労務部分については休業損害が認められます。
つまり、管理会社のサポートを受けず、すべて自分で切り盛りしている「自主管理物件」のオーナーほど、休業損害が認められやすい傾向にあります。
休業損害の具体的な計算方法と証明のポイント
オーナー大家の休業損害を算定するにあたっては、自ら行っていた業務がどれだけの金銭的価値を持つのかを証明しなければなりません。保険会社は「家賃が入っているから損害はない」と主張してくることが多いため、客観的な資料を揃えることが重要です。
収入の基礎となる金額の算出
個人事業主として不動産所得を得ている場合、基本的には「確定申告書の所得金額」をベースに計算します。ただし、前述の通り純粋な不労所得部分は控除し、労務提供によって得ていた実質的な報酬部分を切り分ける作業が必要になります。
具体的な計算方法は以下の通りです。
- 事故前の年間所得から、資産運用に伴う純粋な資本利益部分を引いた額を算出する
- 1日あたりの基礎収入を割り出す
- 事故による治療期間中の実休業日数を掛け合わせる
請求のために用意すべき重要書類
保険会社に納得してもらい、適正な休業損害を獲得するためには、以下の書類を準備して「実際に労働ができず、事業に支障が出たこと」を証明します。
- 確定申告書(青色申告または白色申告の控え)
- 収支内訳書
- 日常的に行っていた管理業務の内容をまとめた業務日誌やメモ
- 事故前に行う予定だった修繕工事の契約書や見積書(対応できずキャンセルや延期になったもの)
保険会社と交渉する際の注意点
不動産賃貸業の休業損害は法的判断や専門的なアプローチが必要となるため、保険会社との交渉が難航しがちです。最後に、被害者であるオーナー大家が知っておくべき注意点を解説します。
管理会社に委託している場合との違い
すでに多くの物件の管理を管理会社やハウスメーカーに委託しており、オーナー自身はほとんど実務を行っていない場合、残念ながら休業損害は認められません。なぜなら、事故に遭っても管理会社が業務を代行するため、オーナーの労務提供が途絶えることがないからです。
自身の労働実態と業務委託の範囲を明確にしておく必要があります。
弁護士への相談が解決の近道
保険会社は「不動産所得があるから休業損害は発生しない」と一蹴してくることがよくあります。しかし、自分で管理を行っていた実績や証拠を示し、法的な観点から交渉を行うことで、正当な休業損害が認められるケースは多数あります。
もし示談交渉が行き詰まったときは、交通事故や損害賠償法に精通した弁護士に一度相談することをおすすめします。適正な損害賠償金をスムーズに獲得するための心強いサポートを受けることができます。
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