保険会社が「判例タイムズ」を誤って適用している時の指摘のポイント
交通事故にあわれた際、相手方保険会社との交渉や各種手続において以下のポイントを把握しておくことが極めて重要です。
- 類似判例の提示
- 弁護士反論。
弁護士基準(裁判所基準)での適正解決に向けて
交通事故の被害では、保険会社の提示額(自賠責基準や任意保険社内基準)と、裁判所や弁護士が適用する弁護士基準(裁判所基準)との間に大きな乖離が存在するケースが多々あります。
2020年4月の民法改正に伴う最新の法定利率(年3%)や適正な慰謝料計算基準に沿って対応することで、賠償額が増額する可能性が高まります。妥協される前に、まずは当事務所の無料相談をご利用ください。
保険会社が「判例タイムズ」を誤って適用している時の指摘と対処法
交通事故の示談交渉において、保険会社が提示する過失割合の根拠として頻繁に引用されるのが「判例タイムズ(別冊判例タイムズNo.38『民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準』)」です。これは実務上の重要な指針であることは間違いありませんが、保険会社が常に正しい解釈をしているとは限りません。
保険会社は事務処理の効率化を図るため、事故状況を型にはめて判断しがちです。しかし、実際の交通事故は一つとして同じものはなく、判例タイムズの基準を機械的に適用すべきではないケースも多々存在します。
なぜ保険会社は「判例タイムズ」を誤用するのか
保険会社が提示する過失割合に疑問を感じた場合、まずは彼らがどの「図」を適用しているのかを確認する必要があります。誤用が発生する主な背景には、以下の二点があります。
事故状況の認識のズレ
判例タイムズには、交差点の形状や信号の有無など、細かく分類された「認定基準図」が掲載されています。保険会社は、警察が作成した実況見分調書や当事者の供述を基に図を選定しますが、事故の核心部分の事実認識が被害者の主張と食い違っている場合、全く別の項目(図)を適用してくることがあります。
「特段の事情」の無視
判例タイムズの基準は、あくまで標準的な状況を前提としたものです。しかし、現実には以下の要素が過失割合に大きく影響します。
- 著しい過失(わき見運転、飲酒運転など)
- 重過失(酒酔い運転、著しい速度超過など)
- 交通規制の有無や特殊な道路環境
- 被害者が回避不能であったか否か
保険会社は、これら過失を修正する要素をあえて考慮せず、基本の過失割合のみを提示して示談を急がせることがあります。
保険会社の誤った適用を指摘する方法
保険会社が提示する過失割合が不当だと感じた場合、感情的に反論するのではなく、客観的な事実と法的根拠に基づいて指摘する必要があります。
1. 適用している「図」の根拠を問う
まずは「どの図を根拠にその過失割合を算出しているのか」を明確にさせましょう。その上で、事故現場の図面や写真、ドライブレコーダーの映像を突き合わせ、保険会社が前提としている事故状況と、実際の状況に乖離がないかを精査します。
2. 「修正要素」を具体的に主張する
判例タイムズには、基本の過失割合を修正するための要素が記載されています。保険会社が無視している修正要素を具体的に指摘してください。
- 相手方の著しい過失がある場合、基本割合からさらに相手方の過失を上乗せするよう主張します。
- 被害者側に過失が認められる場合でも、それが回避不能な状況であったことを法的な観点から説明します。
3. 類似判例を提示して反論する
判例タイムズだけでなく、実際の裁判例を調べることも有効です。判例タイムズの基準はあくまで「目安」であり、裁判所は個別の事案ごとに柔軟な判断を下します。
過去の裁判例の中で、今回の事故状況と類似しつつも、被害者にとって有利な判断がなされた事例を探し出し、「貴社が提示する図の適用は、〇〇という裁判例の趣旨に照らせば不適切である」と論理的に反論します。
弁護士による反論の重要性
保険会社との交渉において、被害者自身が判例タイムズの誤用を指摘するのは非常に骨の折れる作業です。特に、保険会社の担当者は過失割合の専門家であり、一般の方が法的な論理武装で対抗するのは困難を伴います。
弁護士は、以下のプロセスを通じて、保険会社の不当な主張を覆します。
- 実況見分調書等の証拠を精査し、事実関係を再構築する。
- 判例タイムズの適用が誤っていることを、法的構成に基づいて書面で通知する。
- 裁判所が採用する可能性の高い「修正要素」を漏れなく主張し、適正な過失割合を導き出す。
特に、過失割合が1割変わるだけで、賠償金額は大きく変動します。もし保険会社の提示する過失割合に少しでも納得がいかない場合は、安易に示談書にサインせず、早急に交通事故に強い弁護士へ相談することを強く推奨します。
判例タイムズはあくまで「道具」であり、それをどう使いこなすかが損害賠償の成否を分ける鍵となります。専門家の力を借りて、適正な権利を主張しましょう。
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