脊髄損傷の症状別等級(1級〜12級)と将来の介護費用の請求のポイント
交通事故にあわれた際、相手方保険会社との交渉や各種手続において以下のポイントを把握しておくことが極めて重要です。
- 麻痺の程度
- 将来介護費(日額基準)の算定。
弁護士基準(裁判所基準)での適正解決に向けて
交通事故の被害では、保険会社の提示額(自賠責基準や任意保険社内基準)と、裁判所や弁護士が適用する弁護士基準(裁判所基準)との間に大きな乖離が存在するケースが多々あります。
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交通事故によって脊髄を損傷した場合、身体の広範囲に麻痺やしびれなどの重大な後遺症が残ることが少なくありません。脊髄損傷は、損傷した部位や程度によって症状が大きく異なり、後遺障害等級も1級から12級までの幅広い段階で審査されます。
将来にわたって医療や介護が必要になるケースが多いだけに、適切な等級認定と適正な損害賠償金の獲得は、その後の生活を左右する極めて重要な問題です。この記事では、症状別の等級基準と、高額になりやすい将来の介護費用の請求方法について、交通事故専門弁護士の視点から詳しく解説します。
脊髄損傷の症状と後遺障害等級(1級〜12級)
脊髄損傷による後遺障害は、手足の麻痺や排泄障害などの症状に応じて等級が認定されます。自賠責保険における等級は、日常生活における介護の要否や労務に服すことができるかが大きな判断基準となります。
1級・2級(重度の四肢麻痺・対麻痺)
脊髄損傷で最も重度とされるのが1級および2級です。
- 1級1号:神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
- 2級1号:神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
首のあたり(頸髄)を損傷した場合などに発症しやすく、四肢が完全に麻痺して自力での身の回りの動作が全くできない、または大部分で他人の介助が必要な状態です。
3級・5級・7級・9級(中等度の麻痺・機能障害)
介護までは必要としないものの、身体の機能に重大な制限が残るケースです。
- 3級3号:神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
- 5級2号:神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特別の軽易な労務以外の労務に服することができないもの
- 7級4号:神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
- 9級10号:神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
片側の手足が麻痺する「単麻痺」や、両下肢の麻痺(対麻痺)など、症状の範囲や労働能力の喪失度合いに応じて細かく区分されます。
12級(局部に頑固な神経症状を残すもの)
麻痺の範囲が限定的である場合や、画像所見などで裏付けられるしびれ・痛みなどの頑固な神経症状が残存する場合は、12級13号に該当します。見た目の麻痺が軽くても、適切な検査によって客観的な証拠を残すことが等級認定のポイントとなります。
将来の介護費用の請求と算定方法
脊髄損傷で1級や2級などの重度後遺障害が認定された場合、損害賠償請求において大きなウェイトを占めるのが将来の介護費用です。被害者本人が生存している期間、継続的に発生する費用であるため、高額な請求が認められるケースが多くあります。
将来介護費用の算定における「日額基準」
将来の介護費用は、原則として以下の計算式によって算定されます。
- 将来介護費用 = 1日あたりの介護費用の額(日額) × 365日 × ライプニッツ係数(中間利息控除)
日額の基準については、近親者(家族)による介護か、職業付添人(ヘルパー等)による介護かによって異なります。
- 職業付添人の場合:実際に支払った実費全額が基準となります。
- 近親者の場合:職業付添人に準じる金額として、1日あたり8,000円から10,000円程度を目安に認められることが多いですが、被害者の症状の重篤さや介護負担の大きさに応じて個別具体的に判断されます。
将来介護費の請求で重要なポイント
将来の介護費用を認めてもらうためには、単に等級が該当しているだけでは不十分です。主治医による詳細な診断書に加え、日常生活における具体的な介護の必要性(食事、入浴、排泄、移乗などの介助状況)を立証しなければなりません。
また、平均余命までの期間に対応するライプニッツ係数を掛け合わせて算出するため、生存期間の長さや、将来における医療・介護体制の変化も見据えた主張が必要です。
脊髄損傷の示談交渉は弁護士にご相談を
脊髄損傷の損害賠償請求では、適切な後遺障害等級の獲得から、高額な将来介護費用の立証まで、医学的および法律的な高度な専門知識が求められます。保険会社から提示される示談案には、将来の介護費用が十分に加味されていないケースも少なくありません。
適正な賠償金を受け取り、今後の生活の基盤をしっかりと築くためにも、脊髄損傷の案件に精通した交通事故専門弁護士へ早い段階でご相談されることを強くおすすめします。
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