CRPS(複合性局所疼痛症候群・RSD)の後遺障害等級認定の難しさのポイント
交通事故にあわれた際、相手方保険会社との交渉や各種手続において以下のポイントを把握しておくことが極めて重要です。
- 関節拘縮
- 皮膚変化
- 骨脱塩の3条件立証。
弁護士基準(裁判所基準)での適正解決に向けて
交通事故の被害では、保険会社の提示額(自賠責基準や任意保険社内基準)と、裁判所や弁護士が適用する弁護士基準(裁判所基準)との間に大きな乖離が存在するケースが多々あります。
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交通事故による怪我の治療後、いつまでも激しい痛みが引かない場合、それはCRPS(複合性局所疼痛症候群)あるいはRSDを発症している可能性があります。CRPSは、通常の治癒過程を超えて持続する激しい痛みや、自律神経症状、運動障害を伴う難治性の疾患です。
しかし、このCRPSは目に見えない痛みが主症状であるため、後遺障害等級認定の審査において非常に難易度が高いとされています。適切な等級を獲得するためには、医学的な条件を正確に立証しなければなりません。
交通事故専門弁護士の視点から、CRPSの等級認定における重要ポイントと対策について詳しく解説します。
CRPS(RSD)とは?なぜ後遺障害認定が難しいのか
交通事故で骨折や軟部組織の損傷を負った後、完治したはずなのに「焼けるような激しい痛み」や「腫れ」「冷感・熱感」が続くことがあります。これがCRPSです。
従来はRSD(反射性交感神経性ジストロフィー)と呼ばれていたものが、現在ではCRPSに含まれます。
審査で厳しく見られる理由
自賠責保険の後遺障害審査において、CRPSは極めて厳格に判断されます。理由は以下の通りです。
- 痛みの程度や範囲を数値化しにくいこと
- 事故との因果関係や、器質的な異常(目に見える体の変化)の証明が困難であること
- 単なる神経症状(局所の痛み)と区別される必要があること
そのため、ただ「痛い」と訴えるだけでは、非該当(等級なし)や低めの等級になってしまうケースが後を絶ちません。
等級認定の鍵を握る「3条件」の立証
CRPS(特にRSD型)として上位の等級(2級や7級など)を目指す場合、損害保険料率算出機構(自賠責調査事務所)の基準では、以下の3条件が揃っていることが極めて重要視されます。
1. 関節拘縮(かんせつこうしゅく)
負傷した部位の関節が動かしにくくなり、可動域が著しく制限されている状態を指します。
- 受傷部位の関節が他動的(医師や家族が動かした場合)にも十分に動かないこと
- 可動域制限の測定値が、医学的な資料としてカルテに残っていること
2. 皮膚変化(色調・温度・発汗異常など)
外見上の変化が客観的に確認できるかどうかも大きな判断材料となります。
- 皮膚の色が蒼白あるいは紫紅色に変色していること
- 患部が周囲の皮膚と比べて異常に冷たい(あるいは熱い)こと
- 汗を異常にかいている、または全くかかないといった発汗異常があること
3. 骨脱塩(骨萎縮・こつだつえん)
レントゲンやMRIなどの画像検査で、骨のカルシウム成分が抜け、密度が低下している所見が確認できる必要があります。
- いわゆる「まだら状の骨萎縮」が画像上で認められること
- 医師による画像所見の読影が、後遺障害診断書にしっかりと記載されていること
これら3つの条件のうち、一つでも欠けているとCRPS特有の高次等級認定が難しくなるため、主治医と連携して全ての症状をカルテや診断書に漏れなく記載してもらう必要があります。
CRPSで適正な等級を獲得するための実務的対策
CRPSの後遺障害申請を成功させるためには、被害者自身が法的・医学的な知識を持ち、戦略的に動くことが求められます。
専門医による診断と一貫した通院
まずは、痛みの専門外来やペインクリニックなど、CRPSの診断・治療実績が豊富な専門医を受診することが大前提です。また、事故直後から現在に至るまで、症状の経過がカルテに一貫して記録されていることが必要です。
医師への適切な情報提供
多くの一般整形外科医は、CRPSの診断基準や後遺障害認定の要件を十分に把握していない場合があります。
- 「CRPSの3条件(関節拘縮・皮膚変化・骨脱塩)について診断書に記載してほしい」と具体的に伝える
- 患部の皮膚変化の写真(変色や腫れがわかるもの)を自分で撮影し、資料として提出する
交通事故専門弁護士への早期相談
CRPSは、通常の損害賠償請求の枠を超えた高度な医学的立証技術を要します。
- 医師が作成した診断書の内容に不備がないかチェックしてもらう
- 画像検査(レントゲンやMRI)の所見が十分に反映されているか確認する
- 非該当となった場合に、異議申し立てを行うためのサポートを受ける
CRPSでお悩みの方は、一人で抱え込まず、交通事故と後遺障害認定に精通した弁護士へ早めにご相談ください。適切なアドバイスとサポートを受けることが、正当な補償への第一歩となります。
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