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脊髄不完全麻痺(3級・5級・7級・9級)

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、弁護士による交通事故示談交渉・後遺障害等級認定の実務経験に基づき、最新の法令および裁判所基準(弁護士基準)に沿ってわかりやすく解説しています。

脊髄不完全麻痺(3級・5級・7級・9級)のポイント

交通事故にあわれた際、相手方保険会社との交渉や各種手続において以下のポイントを把握しておくことが極めて重要です。

  • 歩行補助具の有無
  • 排尿障害。

弁護士基準(裁判所基準)での適正解決に向けて

交通事故の被害では、保険会社の提示額(自賠責基準や任意保険社内基準)と、裁判所や弁護士が適用する弁護士基準(裁判所基準)との間に大きな乖離が存在するケースが多々あります。

2020年4月の民法改正に伴う最新の法定利率(年3%)や適正な慰謝料計算基準に沿って対応することで、賠償額が増額する可能性が高まります。妥協される前に、まずは当事務所の無料相談をご利用ください。

交通事故によって脊髄を損傷し、身体の自由が制限される「脊髄不完全麻痺」は、被害者の方およびそのご家族にとって、今後の生活を大きく左右する重大な問題です。特に後遺障害等級の認定は、受け取れる損害賠償金の金額に直結するため、正確な知識を持たなければなりません。

この解説記事では、脊髄不完全麻痺における後遺障害等級(3級・5級・7級・9級)の判断基準や、歩行補助具の有無、排尿障害が等級に与える影響について、交通事故専門弁護士の視点から分かりやすく解説します。

Q: 記事のポイント
A: 脊髄不完全麻痺の後遺障害等級は、3級・5級・7級・9級に分かれており、麻痺の範囲や程度、歩行補助具の必要性、そして排尿障害などの膀胱直腸障害の有無が重要な判断基準となります。適正な等級認定を受けるためには、医学的な証明と専門的な法的サポートが不可欠です。

脊髄不完全麻痺とは?完全麻痺との違いと等級の仕組み

脊髄不完全麻痺とは、交通事故などの強い衝撃によって脊髄が損傷を受けつつも、神経の一部が温存されている状態を指します。完全に感覚や運動機能が失われる「完全麻痺」とは異なり、リハビリテーションによって症状が改善する可能性もありますが、長期にわたって深刻な後遺症が残ることが少なくありません。

後遺障害等級認定においては、麻痺の範囲(四肢すべてなのか、片側だけなのかなど)や、日常生活における動作の制限度が厳しく審査されます。

脊髄損傷における「完全」と「不完全」の境界線

医学的には、仙髄(S4-5)の感覚や肛門の随意的な収縮が保たれているかどうかが、完全麻痺と不完全麻痺を分ける大きな基準となります。

交通事故の示談交渉や後遺障害申請においては、画像所見(MRIやCT)と神経学的検査の結果が一致していることが重要です。

3級・5級・7級・9級の具体的な認定基準

脊髄不完全麻痺の等級は、症状の重さに応じて段階的に分かれています。それぞれの基準を正しく理解しておきましょう。

3級・5級に該当する状態

3級3号または5級2号に該当する場合、生命維持や日常生活の基本動作に甚大な支障が生じているケースがほとんどです。

  • 3級3号:神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身従い得ないもの(生命維持に必要な身の回り以外の動作が不能な状態)
  • 5級2号:神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労働以外の労働に服することができないもの

7級・9級に該当する状態

7級4号や9級10号は、労働能力が相当程度失われるものの、日常動作はある程度自立しているケースが対象となります。

  • 7級4号:神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労働以外の労働に服することができないもの
  • 9級10号:神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労働が相当程度の制限されるもの

歩行補助具の有無が等級認定に与える影響

歩行能力の評価は、脊髄不完全麻痺の等級を決定する上で極めて重要な要素です。自力歩行が可能なのか、それとも何らかの補助具が必要なのかによって、認定される等級が大きく変動します。

杖や装具の必要性が示すもの

医師の診断書や画像所見に加え、実際の歩行状態がどのように評価されるかがポイントになります。

  • ロフストランド杖や短下肢装具(KAFOなど)が常に必要な状態
  • 手すりや他者の介助がなければ移動が困難な状態
  • つかまり歩きは何とかできるが、実用的な歩行とは認められない状態

これらが客観的に証明されることで、上位等級への該当性が認められやすくなります。

排尿障害(膀胱直腸障害)の評価と重要性

脊髄不完全麻痺では、運動麻痺だけでなく、自律神経の障害による排尿障害(膀胱直腸障害)を伴うことが多くあります。排尿障害は、日常生活の質(QOL)を著しく低下させるため、後遺障害等級の審査においても非常に重視されます。

排尿障害が等級にプラスされる仕組み

尿意が分からない、残尿がある、自己導尿や尿道カテーテルが必要な状態などは、それぞれ障害の程度に応じて評価されます。

  • 尿路変更術を受けている場合や、重度の蓄尿・排尿障害がある場合
  • 1日のうち何度も自己導尿を行わなければならない場合
  • 膀胱機能の回復が見込めず、永続的な管理が必要と診断された場合

運動麻痺の等級に排尿障害の状況が加味されることで、総合的な後遺障害等級が引き上げられるケースも存在します。

適正な後遺障害等級を獲得するために

脊髄不完全麻痺の被害者が適正な賠償金を受け取るためには、医学的な証拠を揃えるだけでなく、法的な主張を適切に行う必要があります。

自賠責保険の等級認定において、実際の症状よりも低い等級(あるいは非該当)と判断されてしまうトラブルは後を絶ちません。主治医に対して正確な自覚症状を伝え、必要な神経学的検査をもれなく実施してもらうことが大前提となります。

さらに、示談交渉の段階では、将来の介護費用や逸失利益の算定において高度な専門知識が求められます。少しでも疑問や不安がある場合は、交通事故に強い弁護士へ早期に相談し、適切なサポートを受けることを強くおすすめします。

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弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人 (いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

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