加害者が社用車(営業車)を運転していた場合の会社責任のポイント
交通事故にあわれた際、相手方保険会社との交渉や各種手続において以下のポイントを把握しておくことが極めて重要です。
- 報償責任(民法715条)
- 会社への直接請求。
弁護士基準(裁判所基準)での適正解決に向けて
交通事故の被害では、保険会社の提示額(自賠責基準や任意保険社内基準)と、裁判所や弁護士が適用する弁護士基準(裁判所基準)との間に大きな乖離が存在するケースが多々あります。
2020年4月の民法改正に伴う最新の法定利率(年3%)や適正な慰謝料計算基準に沿って対応することで、賠償額が増額する可能性が高まります。妥協される前に、まずは当事務所の無料相談をご利用ください。
通勤中や業務中に、営業車などの社用車を運転する加害者に追突されるなどの交通事故に巻き込まれてしまったとき、多くの被害者様は「加害者本人だけでなく、その会社に対しても賠償金を請求できるのだろうか」と不安や疑問を感じることでしょう。
結論からお伝えすると、加害者が業務中に社用車を運転して起こした事故であれば、原則としてその車の所有者である「会社」に対して損害賠償を請求することが可能です。
会社には、労働者を雇い事業を営む者としての責任が発生するため、加害者のポケットマネーだけでは到底支払いきれない高額な示談金であっても、会社側から十分な賠償を受けられる可能性が高まります。
ここでは、交通安全・損害賠償法に精通した弁護士の視点から、社用車事故における会社の責任根拠や、被害者が直接請求を行うメリットについて詳しく解説します。
社用車事故で会社に責任を追及できる法的根拠
交通事故の加害者が会社の従業員であった場合、被害者はドライバー本人に損害賠償請求をするだけでなく、その背後にある会社に対しても法的な責任を問うことができます。その主な法的根拠となるのが、民法715条の「使用者責任」と、自賠法に基づく「報償責任」です。
民法715条に基づく「使用者責任」とは
民法715条では、ある事業のために他者を使用する者(使用者)は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負うと定めています。これが「使用者責任」です。
会社は、従業員に社用車を運転させて利益を得ている以上、その従業員が業務中に起こした不法行為について監督する責任も負うべきであるという考え方に基づいています。
ただし、「業務中」であることが大前提となります。例えば、以下のようなケースでは会社の責任が認められやすくなります。
- 取引先への営業回りや資材の運搬中に事故を起こした
- 出張先への移動中に社用車を運転していた
- 業務の途中で、会社に無断ではない一般的なルートを外れていない時間帯だった
一方、休日や深夜に私的な目的で社用車を無断使用して事故を起こした場合などは、原則として業務との関連性が否定され、会社の使用者責任は問えなくなります。
「報償責任」の考え方と運行供用者責任
運行を支配し、それによって利益を得ている者は、その運行によって生じた損害を賠償すべきであるという考え方を「報償責任」と呼びます。
これを自動車事故に適用したのが自賠法3条の「運行供用者責任」です。社用車の所有者や管理者は、たとえ事故当時の直接の運転者でなかったとしても、車を管理して事業の利益を得ている以上、運行供用者として損害賠償責任を免れません。
したがって、社用車を所有・管理している会社は、加害運転手と共同して被害者に対する賠償責任を負うことになります。
被害者が会社へ直接請求するメリットと注意点
加害者の個人賠償能力に頼るのではなく、会社に対して損害賠償を請求することには、被害者にとって非常に大きなメリットが存在します。
資力不足による回収不能リスクを防げる
人身事故の損害賠償金は、治療費、休業損害、入通院慰謝料、そして後遺障害が残った場合の逸失利益などを合算すると、数百万円から時には数千万円という高額になるケース珍しくありません。
もし加害者が資力のない個人の場合、判決や示談で勝訴しても、十分なお金を回収できない「資力不足(回収不能)」のリスクがつきまといます。
これに対して会社は、多くの場合、企業としての資力があるだけでなく、業務中の事故をカバーする「対人賠償責任保険(任意保険)」に加入しています。そのため、会社に対して責任を追及することで、適正な賠償金が確実に支払われる可能性が飛躍的に高まります。
会社側から「プライベート利用」と主張された場合の対策
社用車事故において、会社側が責任逃れをするために「あれは業務外の私的利用だった」「勝手に車を持ち出した」と主張してくるケースが少なくありません。
もし会社側からこのような主張をされた場合、被害者個人で反論するのは容易ではありません。そのため、以下のような客観的な証拠を集めることが重要です。
- 事故当時の運行記録や業務日報の開示要求
- 会社の許可証や鍵の管理状況に関する警察の捜査資料の確認
- 事故発生時刻や場所が、業務の経路と合致していることの立証
このような会社側との交渉や証拠収集に直面したときは、交通事故の損害賠償実務や企業責任の追及に精通した弁護士に早い段階で相談することをおすすめします。専門家のサポートを受けることで、会社側に対する法的な請求をスムーズに進めることが可能となります。
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