「不起訴処分」になった加害者に対して民事上で慰謝料請求できるかのポイント
交通事故にあわれた際、相手方保険会社との交渉や各種手続において以下のポイントを把握しておくことが極めて重要です。
- 刑事責任と民事責任の違い
- 民事裁判での勝訴。
弁護士基準(裁判所基準)での適正解決に向けて
交通事故の被害では、保険会社の提示額(自賠責基準や任意保険社内基準)と、裁判所や弁護士が適用する弁護士基準(裁判所基準)との間に大きな乖離が存在するケースが多々あります。
2020年4月の民法改正に伴う最新の法定利率(年3%)や適正な慰謝料計算基準に沿って対応することで、賠償額が増額する可能性が高まります。妥協される前に、まずは当事務所の無料相談をご利用ください。
交通事故に遭われた被害者の方にとって、加害者が刑事事件で「不起訴処分」になったという知らせは、大きなショックと不安を伴うものです。「罰せられないなら、慰謝料ももらえないのではないか」と泣き寝入りを考えてしまう方も少なくありません。
しかし、結論から申し上げますと、刑事事件で不起訴処分になった加害者に対しても、民事上の損害賠償請求(慰謝料請求)を行うことは十分に可能です。刑事罰の有無と、被害者が受け取るべき賠償金は、法律上完全に別の問題として扱われます。
専門弁護士の視点から、刑事と民事の違いや、不起訴後でも慰謝料を獲得するためのポイントを分かりやすく解説します。
刑事責任と民事責任の決定的な違い
交通事故が発生すると、加害者には「刑事責任」と「民事責任」という2つの責任が発生します。これらは目的や手続きが全く異なるため、一方の結果がもう一方にそのまま連動するわけではありません。
刑事責任の目的と「不起訴処分」の意味
刑事責任は、社会秩序を維持し、加害者の反省や社会的な処罰(罰金刑や懲役刑など)を目的としています。警察や検察官が捜査を行い、裁判にかけて刑罰を科すべきかを判断します。
ここでいう「不起訴処分」とは、検察官が「今回は裁判にかけない(起訴しない)」と判断した状態です。 不起訴になる理由には、以下のようなものがあります。
- 嫌疑不十分(犯罪の証明が足りない)
- 起訴猶予(罪は認めるが、被害とのバランスや反省の態度を考慮して今回は起訴を見送る)
- 嫌疑なし(犯人ではない)
このように、必ずしも「事故の責任が一切ない」と証明されたわけではなく、検察官の裁量や証拠の厳格な基準(刑事裁判では「reasonable doubt=合理的な疑いを挟む余地がない程度」の証明が必要)を満たさなかったために不起訴になるケースが多々あります。
民事責任の目的と損害賠償請求
一方、民事責任は、被害者が受けた精神的苦痛や経済的損害(治療費、休業損害、慰謝料など)を金銭によって回復・補償させることを目的としています。
民事上の賠償請求では、刑事裁判ほど厳格な証明は要求されません。民事裁判での勝訴や示談交渉においては、証拠の優越(どちらの主張がより真実らしいか)によって判断されます。そのため、刑事で不起訴になったとしても、民事では十分にお金を取り戻すことができるのです。
不起訴処分になった加害者に慰謝料を請求する方法
刑事処分が「不起訴」に終わった場合でも、被害者が諦めずに適切な手続きを踏むことで、慰謝料や損害賠償金を支払わせることができます。
示談交渉による解決
多くの交通事故の民事賠償は、裁判ではなく「示談交渉」によって解決します。加害者の加入している任意保険会社と、被害者側の弁護士(または本人)が話し合いを行い、損害賠償額を決定します。
任意保険会社は、警察が作成する「実況見分調書」や「交通事故証明書」を基に責任割合を判断します。検察官が下した「不起訴」という処分結果そのものよりも、事故態様そのものがどうであったかが重視されるため、不起訴になったからといって保険会社が支払いを一切拒否することは原則としてできません。
民事裁判での勝訴を目指す
もし加害者側が責任を認めなかったり、不当に低い金額を提示してきたりした場合は、民事裁判を提起することになります。
民事裁判では、被害者側が事故の発生、加害者の過失、そして自身の損害(ケガの状況や治療費など)を主張・立証します。刑事事件の記録(捜査資料)は、裁判の証拠として取り寄せること(刑事記録の閲覧・謄写)が可能です。この記録を活用して、加害者の過失を裁判官に認めさせ、勝訴判決を得ることで、強制的に慰謝料を支払わせることができます。
不起訴の場合に被害者が注意すべきポイント
加害者が不起訴になった事件で民事請求を進める際には、いくつかの注意点があります。
- 証拠の確保を徹底する
- 専門の弁護士に早い段階で相談する
刑事処分が出た後、検察庁から事故に関する記録を取り寄せることが可能になります。この記録には、事故当時の状況を示す重要な証拠が含まれています。
また、不起訴になったケースは、加害者側が「自分は悪くない」と主張してくるハードルが高くなっている場合があります。ご自身だけで交渉を進めると、不利な条件で示談させられてしまうリスクも高まります。
交通事故に精通した弁護士に依頼すれば、刑事記録を取り寄せて事故の過失割合を正しく分析し、適正な慰謝料請求を強力にサポートしてくれます。不起訴という結果に絶望せず、まずは専門家へご相談ください。
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