事故相手が「教習所の教習車」や「検定中」だった場合の責任のポイント
交通事故にあわれた際、相手方保険会社との交渉や各種手続において以下のポイントを把握しておくことが極めて重要です。
- 教習所の使用者責任
- 指導員の過失認定。
弁護士基準(裁判所基準)での適正解決に向けて
交通事故の被害では、保険会社の提示額(自賠責基準や任意保険社内基準)と、裁判所や弁護士が適用する弁護士基準(裁判所基準)との間に大きな乖離が存在するケースが多々あります。
2020年4月の民法改正に伴う最新の法定利率(年3%)や適正な慰謝料計算基準に沿って対応することで、賠償額が増額する可能性が高まります。妥協される前に、まずは当事務所の無料相談をご利用ください。
交通事故に遭った際、相手が「教習所の教習車」や「検定中」の車だった場合、通常の事故とは異なる不安を感じる方が多いでしょう。「相手は素人なのに、どこに請求すればいいのか」「教習所や指導員の責任はどうなるのか」と疑問は尽きません。
結論からお伝えすると、教習車との事故であっても、基本的な賠償の仕組みは通常の交通事故と変わりません。ただし、運行供用者責任や指導員の過失責任が絡むため、賠償請求の相手方が広がり、適切な対応を行えば十分な賠償金を受け取れる可能性が高くなります。
教習車との事故における法的責任の所在
教習車が絡む事故では、誰に責任があるのかが気になるところです。実は、車を運転していた教習生本人だけでなく、指導員や教習所全体に法的な責任が及びます。
教習生の責任と「使用者責任」
事故を起こしたのが仮免許を持った教習生であっても、不注意によって事故を起こした以上、不法行為責任(民法709条)を免れるわけではありません。
しかし、教習生は文字通り「運転の練習中」であり、経済的な資力が十分でないことも多いため、被害者救済の観点から教習所の使用者責任(民法715条)が大きくクローズアップされます。教習所は事業として教習を行っており、教習生を監督する立場にあるため、事故の損害を賠償する義務を負います。
同乗している指導員の過失責任
助手席に同乗している指導員(教習指導員・技能検定員)の責任も見逃せません。
- 指導員には、教習生の運転を常に監視し、危険な状況があれば直ちにブレーキを踏むなどの補助的措置をとる義務(危険防止義務)があります。
- 検定中であっても、検定員は安全確認や危険回避の指示・介入を行うべき立場にあります。
そのため、事故の原因が「教習生の不慣れな操作」だけでなく、「指導員の監督不行届」や「補助ブレーキの遅れ」にあると判断された場合、指導員自身も共同不法行為者として責任を負うことになります。
事故の相手は「教習所」全体と交渉することになる
被害者側から見ると、教習車との事故の最大のメリットは、相手が「個人」ではなく「組織(教習所)」である点にあります。
確実な賠償が期待できる理由
一般のドライバーとの事故の場合、相手が無保険であったり、資力が乏しかったりして示談金が支払われないリスクがあります。
しかし、指定自動車教習所であれば、事業用として手厚い任意保険(対人賠償・対物賠償)に必ず加入しています。さらに、教習所の信用に関わるため、誠実に対応せざるを得ないケースがほとんどです。したがって、賠償金の回収不能リスクが極めて低くなります。
連絡先は教習所の安全運転管理者や保険会社
事故直後は現場での混乱がありますが、その後のやり取りは教習所の責任者や、教習所が加入している損害保険会社の担当者が窓口となります。教習生個人と直接交渉する必要はありません。
教習車事故における過失割合の考え方
交通事故の示談交渉において最も揉めやすいのが「過失割合(責任の度合い)」です。教習車との事故では、特殊な状況を考慮して過失割合が認定されます。
教習中・検定中という特殊性
「教習中なのだから、一般車よりも下手くそなのは当然なのだから、周囲が避けるべきだ」という主張が通るわけではありません。基本的には、通常の道路交通法に基づいた基本過失割合がベースとなります。
ただし、指導員が同乗している以上、通常の初心者ドライバーの単独運転に比べて、危険予測や回避能力のバックアップがある前提で見られます。
被害者側に有利に働くケースもある
例えば、教習車が無理な進路変更や、交差点での安全確認不足で事故を起こした場合、指導員がその危険を容易に予見できたはずです。
この場合、指導員の監督義務違反が強く問われるため、教習所側の過失が重く見られることがあります。「教習車だからといって被害者が一方的に我慢させられる」ということは決してありませんので、客観的な証拠(ドライブレコーダーや防犯カメラ映像など)をもとに、適正な過失割合を主張することが重要です。
教習車事故で被害者が取るべき初期対応
通常の交通事故と基本的な流れは同じですが、相手が教習所であるからこそ意識しておきたいポイントがあります。
- 事故直後には必ず警察を呼び、人身事故として処理してもらう(後々のトラブルを防ぐため)。
- 相手の氏名だけでなく、教習所の名称、指導員の氏名、教習車の車両番号などをしっかりと控えておく。
- 痛みが小さくても必ず病院を受診し、診断書を取得する(人身事故への切り替えを行う)。
- 事故現場の状況がわかる写真や、可能であれば教習車のドライブレコーダーの映像提供を求めておく。
教習所の指導員は事故対応の経験が豊富である一方、教習所側の責任を軽く見せようと誘導してくる可能性もゼロではありません。もし過失割合や示談金の提示に納得がいかない場合は、交通事故に強い弁護士に早い段階で相談することをおすすめします。
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