交通事故が発生した場合、警察への通報や相手方との連絡先交換を終えた後、忘れてはならないのが「自分自身が加入している任意保険会社(代理店)」への事故報告です。
自分が100%の被害者(もらい事故)であっても、ご自身の保険会社への連絡は必須です。連絡が遅れると、使えるはずだった保険金が受け取れなくなるなどの不利益を被る恐れがあります。
保険会社への事故連絡はいつまでに行うべきか?
自動車保険の約款では、事故が発生した場合は「遅滞なく(速やかに)」保険会社に通知する義務が定められています。
明確な期限が「〇日以内」と決まっているわけではありませんが、原則として事故に遭ったその日のうち、遅くとも数日以内には連絡を入れるべきです。 報告を数ヶ月放置してしまうと、「事故と損害(車の傷や怪我)の因果関係が不明確である」として、保険金の支払いを拒否されるリスクがあります。
自動車保険には「事故受付センター」などの専用ダイヤルがあり、24時間365日対応していることが多いため、休日や夜間であってもまずは第一報を入れておくことが重要です。
自分の保険会社に伝えるべき5つの内容
事故の連絡をする際は、焦らず以下の情報を正確に担当者に伝えてください。お手元に「保険証券」を用意しておくとスムーズです。
- 事故の発生日時と正確な場所
- 事故の状況(相手の車の動き、自分の車の動きなど)
- 相手方の情報(氏名、連絡先、相手の保険会社名など)
- ケガの有無と程度、搬送先の病院名
- 車両の損傷具合と、修理工場へのレッカー手配の要否
この段階では、過失割合について「自分が悪い部分もありました」などと不用意に自分の過失を認めるような発言は避けるのが無難です。客観的な事実のみを伝えてください。
報告時に必ず確認すべき「特約」の有無
自分の保険会社に連絡する最大のメリットは、自分が契約している保険の中から被害者救済に役立つ補償(特約)を引き出すことです。担当者に連絡した際、以下の特約が付帯されているか、また今回使用できるかを必ず確認してください。
1. 弁護士費用特約(最も重要)
弁護士に示談交渉などを依頼する際の着手金や報酬金(通常300万円まで)を保険会社が負担してくれる特約です。これがあれば、費用倒れを心配することなく、早期から弁護士を介入させて慰謝料の増額を図ることができます。しかも、使用しても等級は下がりません(保険料は上がりません)。
2. 人身傷害保険
過失割合に関わらず、実際の損害額(治療費や休業損害、慰謝料相当額など)が自分の保険会社から支払われる保険です。相手が無保険だったり、自分にも大きな過失があったりする場合に極めて役立ちます。
3. 搭乗者傷害特約
事故で入院や通院をした場合、実際の損害額とは別に、あらかじめ決められた定額の保険金(例:一時金として10万円など)が支払われる特約です。いわゆる「お見舞い金」のような性質のもので、これも等級への影響はありません。
もらい事故の場合は「示談交渉サービス」が使えない
あなたが赤信号停車中に追突されたような「過失割合 0対100(もらい事故)」の場合、ご自身の保険会社は相手方との示談交渉を代行することができません(弁護士法違反となるため)。
そのため、相手の保険会社からの低い提示額に対して、被害者自身で交渉に立ち向かわなければなりません。このような時こそ、上記で確認した「弁護士費用特約」を使って、交渉のプロである弁護士にすべてを委任することが最大の防衛策となります。