交通事故で「妊婦が事故に遭い中絶」した場合の賠償のポイント
交通事故にあわれた際、相手方保険会社との交渉や各種手続において以下のポイントを把握しておくことが極めて重要です。
- 母親の肉体的・精神的損害。
弁護士基準(裁判所基準)での適正解決に向けて
交通事故の被害では、保険会社の提示額(自賠責基準や任意保険社内基準)と、裁判所や弁護士が適用する弁護士基準(裁判所基準)との間に大きな乖離が存在するケースが多々あります。
2020年4月の民法改正に伴う最新の法定利率(年3%)や適正な慰謝料計算基準に沿って対応することで、賠償額が増額する可能性が高まります。妥協される前に、まずは当事務所の無料相談をご利用ください。
交通事故は日常生活のあらゆる場面で突然降りかかってきますが、中でも妊娠中の被害者が遭う事故は、計り知れない恐怖と悲しみをもたらします。万が一、交通事故が原因で流産や人工妊娠中絶を余儀なくされた場合、非常に大きな肉体的・精神的損害を被ることになります。
このような悲惨な事態において、法的にどのような損害賠償請求が認められるのか、交通事故専門弁護士の視点から分かりやすく解説します。
妊娠中の交通事故と中絶における法的問題点
妊娠中の事故で最も心を痛めるのが、お腹の我が子を失うという結果です。法的な観点では、中絶や流産を余儀なくされた場合、損害賠償請求の構成がどうなるのかが重要な問題となります。
胎児の権利能力と損害賠償請求
日本の民法上、原則として人は「出生したとき」から権利能力を持ちます。そのため、生まれる前の胎児自体が損害賠償請求権の主体になることは原則としてできません(ただし、損害賠償請求権の観点では「生まれたものとみなす」という例外規定がありますが、死産・中絶の場合は解釈が分かれます)。
しかし、ここで重要となるのは、胎児を失ったことによって母親自身が受ける甚大な精神的損害(慰謝料)です。実務上、中絶や流産という結果に対する慰謝料は、母親自身の損害としてしっかりと請求の対象に含まれます。
事故と中絶の因果関係の証明
加害者側から適正な賠償金を引き出すためには、「交通事故が原因で中絶・流産せざるを得なかった」という因果関係を医学的に証明しなければなりません。
事故の衝撃によって胎盤剥離が起きた、あるいは母体保護のために強力なレントゲン撮影や薬物投与が必要となり、医師の診断のもとで中絶を選択せざるを得なかったという経緯を、カルテや診断書を用いて客観的に証明することが不可欠となります。
母親の肉体的・精神的損害に対する賠償の種類
交通事故によって中絶を余儀なくされた場合、請求できる損害賠償項目は多岐にわたります。心身ともに傷ついた状態での手続きは過酷ですが、正当な権利を守るために以下の項目を確認しておきましょう。
慰謝料(入通院慰謝料および後遺障害慰謝料・死亡慰謝料的性質)
事故による怪我の治療のための入通院に対する慰謝料に加え、中絶・流産という精神的苦痛に対する慰謝料が認められます。
この精神的損害の賠償額は、妊娠週数や事故の衝撃の大きさ、母親の悲しみの深さなどを考慮して決定されます。裁判例においても、我が子を失った精神的苦痛は非常に大きいものとして、通常の怪我の慰謝料とは別に考慮されるケースが多くあります。
休業損害と逸失利益
妊娠中であっても、仕事をしていた場合は事故による怪我や中絶手術、その後の療養のために仕事を休んだ期間の休業損害を請求できます。
また、事故による後遺障害が残った場合の逸失利益はもちろんですが、もし母体に重大な後遺症が残り、将来の労働能力に影響が出た場合も同様に請求の対象となります。
治療費および将来の医療費
中絶手術にかかった費用、入院費、通院交通費はもちろんのこと、事故や中絶に伴う精神疾患(PTSDやうつ病など)を発症した場合のカウンセリング費用や精神科の治療費も損害賠償の対象に含まれます。
示談交渉の注意点と専門家への相談の重要性
交通事故の被害に遭い、中絶という辛い経験をされた直後は、精神的にも肉体的にも通常の判断ができる状態ではありません。このような状況で示談交渉を行うことには大きなリスクが伴います。
安易な示談に署名しない
保険会社から早期に示談金の提示があっても、内容を十分に理解しないまま安易にサインをしてはいけません。
一度示談書に署名・押印してしまうと、後から「精神的な苦痛の大きさに気づいた」「後遺障害が出てきた」としても、原則として追加の請求を行うことはできなくなります。特に妊娠・出産・中絶に関する損害は、通常の事故とは異なる専門的な判断が求められるため、保険会社の提示額が適正であるか慎重に見極める必要があります。
交通事故専門弁護士に依頼するメリット
心身ともに疲弊している中で、加害者の保険会社と対等に交渉を行うことは非常に困難です。弁護士に依頼することで、以下のような大きなメリットが得られます。
- 示談交渉の窓口をすべて弁護士に一任できるため、精神的負担が大幅に軽減される
- 過去の裁判例に基づいた適正かつ高額な慰謝料基準(裁判基準)で請求できる
- 事故と中絶の因果関係を医学的・法律的に立証するためのサポートが受けられる
交通事故で妊婦が中絶という取り返しのつかない被害に遭われた場合、金銭だけでその悲しみが癒やされることはありません。しかし、適正な損害賠償を受けることは、これからの人生を歩むための重要な第一歩となります。泣き寝入りせず、まずは交通事情に精通した弁護士へご相談されることを強くおすすめします。
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