高齢者・幼児が歩行者だった場合の過失割合減額のポイント
交通事故にあわれた際、相手方保険会社との交渉や各種手続において以下のポイントを把握しておくことが極めて重要です。
- 歩行者保護
- 5%〜10%減額修正。
弁護士基準(裁判所基準)での適正解決に向けて
交通事故の被害では、保険会社の提示額(自賠責基準や任意保険社内基準)と、裁判所や弁護士が適用する弁護士基準(裁判所基準)との間に大きな乖離が存在するケースが多々あります。
2020年4月の民法改正に伴う最新の法定利率(年3%)や適正な慰謝料計算基準に沿って対応することで、賠償額が増額する可能性が高まります。妥協される前に、まずは当事務所の無料相談をご利用ください。
高齢者や幼児が交通事故に遭った場合の過失割合の基本と修正要素
交通事故において、歩行者は車を運転する側に比べて身体がむき出しの状態であるため、法律上は「交通弱者」として手厚く保護されています。特に、判断能力や身体能力が十分ではない高齢者や幼児が歩行者として事故に遭った場合、その特性が過失割合の算定において大きく考慮されます。
一般的に、事故の過失割合は過去の裁判例をもとにした「基本過失割合」をベースに決定されますが、当事者の属性や具体的な状況に応じて「修正要素」が加味されます。高齢者や幼児が被害者である場合、この修正要素によって被害者側の過失が5%〜10%程度減額されるのが特徴です。
交通弱者への配慮が重視される理由
なぜ高齢者や幼児が歩行者だった場合、過失割合が減額されるのでしょうか。その理由は、交通社会における危険の大きさや、事故を回避する能力の差にあります。
自動車を運転するドライバーには、前方をしっかりと注視し、歩行者の動きに対する「高度な注意義務」が課せられています。これに対し、幼児は予測し得ない行動をとる可能性が高く、高齢者は歩行速度が遅かったり、視野や聴力が低下していたりします。
そのため、法律や裁判実務では「大人の歩行者と同等の注意力を求めるのは酷である」と考えます。結果として、歩行者側に少し落ち度があったとしても、高齢者や幼児という理由で過失割合が5%から10%ほど有利に修正(減額)されるのです。
幼児(児童)に対する過失割合の減額と判断基準
幼児(一般的に未就学児や小学校低学年程度)が被害者となった場合、その年齢や責任能力の有無によって過失割合の修正が行われます。
幼い子供は善悪の判断や交通ルールの理解が十分ではないため、原則として責任能力がないとみなされることがあります。この場合、子供自身の過失は問われないか、あるいは大幅に軽減されます。
- 幼児自身の過失能力が否定されるケースでは、子供の過失はゼロまたは極めて低く評価されます。
- 保護者の監督義務違反(監督者責任)が問われる場合は別問題となりますが、加害者側との間で行う過失割合の交渉においては、歩行者側の過失が5%〜10%減額される修正要素として働きます。
- 通学中や集団行動中であったかどうかも、状況に応じた判断材料となります。
高齢者の歩行者における減額修正の適用ライン
高齢者(一般的に65歳以上、特に75歳以上の後期高齢者など)が歩行者として事故に遭った場合も、幼児と同様に過失割合の減額修正が検討されます。
ただし、高齢者であれば一律に減額されるわけではありません。身体機能の低下がどの程度事故に影響したか、あるいは現場の状況がどのように作用したかが重要視されます。
- 身体機能の低下(視力、聴力、歩行速度の衰えなど)が事故の遠因となった場合、5%程度の減額修正が適用されることが一般的です。
- 夜間や見通しの悪い場所であっても、高齢者の特性を考慮してドライバー側により強い注意義務が課されるケースが多く見られます。
- 一方で、著しい交通ルール違反(赤信号無視の横断など)があった場合は、高齢者であっても大きな過失が認定されるため、専門的な判断が必要です。
保険会社の提示する過失割合に納得できないときは
交通事故の示談交渉において、加害者側の保険会社が提示してくる過失割合は、必ずしも被害者側に有利な修正が十分になされていない場合があります。保険会社は自社側の支払額を抑えるため、高齢者や幼児に対する減額修正を見落としたり、適用しなかったりするケースも少なくありません。
もし、提示された過失割合に疑問を感じたときは、そのままサインをせず、過去の裁判例や類似の事故データに照らし合わせて検証することが重要です。
特に高齢者や幼児の事故では、5%や10%の過失割合の違いが、最終的な損害賠償金の受け取り額に大きな影響を与えます。適正な過失割合を主張するためには、事故現場の状況を示す証拠を集めるとともに、交通事故に精通した弁護士などの専門家に相談することが、納得のいく解決への確実な近道となります。
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