治療費打ち切り後に「後遺障害申請(被害者請求)」を行う手順のポイント
交通事故にあわれた際、相手方保険会社との交渉や各種手続において以下のポイントを把握しておくことが極めて重要です。
- 自賠責への直接申請
- 診断書手配。
弁護士基準(裁判所基準)での適正解決に向けて
交通事故の被害では、保険会社の提示額(自賠責基準や任意保険社内基準)と、裁判所や弁護士が適用する弁護士基準(裁判所基準)との間に大きな乖離が存在するケースが多々あります。
2020年4月の民法改正に伴う最新の法定利率(年3%)や適正な慰謝料計算基準に沿って対応することで、賠償額が増額する可能性が高まります。妥協される前に、まずは当事務所の無料相談をご利用ください。
交通事故の被害に遭われ、治療を継続している最中に保険会社から突然「治療費の支払いを打ち切る」と告げられてしまうケースは非常に多くあります。まだ痛みや痺れが残っている状態での打ち切り宣告に、不安や怒りを感じる方は少なくありません。
しかし、保険会社が治療費の打ち切りを告げてきたからといって、後遺障害の申請を諦める必要はありません。むしろ、このタイミングで適切な手順を踏んで「被害者請求」を行うことが、適正な賠償金を受け取るための重要な分岐点となります。
本記事では、治療費打ち切り後に後遺障害申請(被害者請求)を行う具体的な手順と、損害賠償実務における重要なポイントを交通事故専門弁護士の視点から分かりやすく解説します。
治療費打ち切り後の後遺障害申請の全体像と重要ポイント
保険会社から治療費の打ち切りを打診された際、まだ完治していない場合は、以下の選択肢を検討することになります。
- 健康保険や労災保険に切り替えて自費で治療を継続する
- 医師と相談の上、「症状固定(これ以上治療を続けても改善が見込めない状態)」と判断し、後遺障害の申請手続きに入る
痛みが残存しており、これ以上の回復が見込めないと判断した場合は、速やかに後遺障害の等級認定手続きを進めるのが一般的です。申請方法には、加害者の任意保険会社に任せる「事前認定」と、被害者自身が直接手続きを行う「被害者請求」があります。
納得のいく等級を獲得するためには、書類のコントロールがしやすい被害者請求を選択することが極めて有効です。
被害者請求とは?メリットと事前認定との違い
後遺障害の認定を申請するにあたり、その仕組みを正しく理解しておく必要があります。事前認定と被害者請求の最大の違いは、誰が書類をまとめて提出するかという点です。
事前認定のデメリット
事前認定は、加害者の任意保険会社がすべての手続きを代行してくれます。被害者側の手間は少ないですが、相手方の保険会社は「できるだけ低い等級(または非該当)にしたい」という立場にあるため、審査に有利な資料が十分に揃えられないまま提出されてしまうリスクがあります。
被害者請求を選ぶべき理由
これに対し、被害者請求は被害者自身が自賠責保険会社に対して直接書類を提出する方法です。
- 提出する資料を自分で確認・精査できる
- 医師に作成してもらった診断書やカルテのコピーなど、有利な医学的証拠を自ら追加できる
- 手続きの進行状況を自分で把握できる
このように、被害者請求は主導権を握って納得のいく申請ができるという大きなメリットがあります。
後遺障害申請(被害者請求)の具体的な4つの手順
実際に被害者請求を進めるための具体的なステップを順序立てて解説します。手順に沿って確実に進めることが大切です。
1. 医師と相談し「症状固定」の診断を受ける
まずは担当医と症状についてよく話し合います。治療を継続しても改善しないと医学的に判断された時点で、「症状固定」の診断を受けます。この日以降の治療費は原則として自己負担(または健康保険適用)となりますが、後遺障害診断書の作成が可能になります。
2. 「後遺障害診断書」を取り付ける
後遺障害申請において最も重要となるのが、医師に作成してもらう「後遺障害診断書」です。自覚症状や他覚的所見(レントゲンやMRI画像などの客観的証拠)が正確に記載されているかどうかが、等級認定の成否を分けます。診断書に不備や記載漏れがないか、提出前に必ず内容を確認しましょう。
3. 事故の状況や損害を証明する添付書類を集める
後遺障害診断書以外にも、申請に必要な書類をご自身で集める必要があります。
- 交通事故証明書
- 診療報酬明細書や施術所等の証明書
- 事故現場の見取り図や写真(必要に応じて)
- 自身のこれまでの治療経過をまとめた陳述書など
これらの書類を不備なく揃えることで、損害保険料率算出機構(損保料率機構)に対して、怪我の重大性を正確に伝えることができます。
4. 加害者の自賠責保険会社へ請求書類一式を提出する
必要書類が一式揃ったら、加害者が加入している自賠責保険会社(請求先)へ書類を郵送または持参して提出します。提出後、損保料率機構の調査事務所による医学的な審査が行われ、通常1〜2ヶ月程度で結果(等級)が通知されます。
被害者請求を成功させるための注意点と専門家への相談
治療費打ち切り後に被害者請求を行う際、最も注意すべき点は「医学的根拠の補強」です。ただ痛いと訴えるだけでは、非該当(後遺障害なし)と判断されてしまう確率が高くなります。
特にむち打ちや腰椎捻挫などの目に見えにくい症状の場合、MRI画像などの客観的所見と、医師による一貫した症状の記載が不可欠です。もし診断書の記載内容に不安がある場合や、どのような資料を添付すべきか悩んだときは、交通事故の実績が豊富な弁護士へ早めに相談することをおすすめします。
弁護士に依頼することで、被害者請求の書類作成サポートや、より有利な資料の集め方について専門的なアドバイスを受けることができます。適正な後遺障害等級を獲得し、正当な賠償金を受け取るために、泣き寝入りせず確実な手順で申請を進めていきましょう。
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