後遺障害等級14級と12級の境界線:客観的証明と推定の違いのポイント
交通事故にあわれた際、相手方保険会社との交渉や各種手続において以下のポイントを把握しておくことが極めて重要です。
- 「医学的に証明できる」vs「医学的に説明できる」。
弁護士基準(裁判所基準)での適正解決に向けて
交通事故の被害では、保険会社の提示額(自賠責基準や任意保険社内基準)と、裁判所や弁護士が適用する弁護士基準(裁判所基準)との間に大きな乖離が存在するケースが多々あります。
2020年4月の民法改正に伴う最新の法定利率(年3%)や適正な慰謝料計算基準に沿って対応することで、賠償額が増額する可能性が高まります。妥協される前に、まずは当事務所の無料相談をご利用ください。
自動車事故による怪我で治療を続けたものの、痛いやしびれといった症状が残ってしまった場合、検討するのが後遺障害の申請です。中でもむち打ち症などの神経症状において、12級13号と14級9号のどちらに認定されるかは、将来受け取れる損害賠償金の金額を大きく左右する極めて重要な境界線となります。
この2つの等級の決定的な違いは、画像所見などの有無による「医学的証明」と「医学的説明」という基準の違いにあります。適切な等級を獲得し、泣き寝入りを防ぐためのポイントを交通事故専門の弁護士が詳しく解説します。
後遺障害14級と12級の決定的な違いとは
後遺障害等級の認定は、損害保険料率算出機構(自賠責調査事務所)という中立的な機関が行います。神経症状に関する等級のうち、12級13号と14級9号は、被害者が受ける賠償金において数百万単位の差を生むことがあります。
まずは、それぞれの定義と認定基準の根底にある違いを正確に把握しておきましょう。
14級9号「局部に神経症状を残すもの」
14級9号は、事故による受傷と症状との因果関係が、医学的に「説明可能(推定)」と判断される場合に認定されます。
- 画像所見(MRIやレントゲン)では異常が確認できない
- しかし、事故の衝撃の大きさや治療の経過、症状の一貫性などから、その痛みやしびれが存在することが十分に推認できる
むち打ち症で後遺障害申請をした場合、多くのケースがこの14級に該当します。
12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」
一方、12級13号は、レントゲンやMRIなどの画像検査により、神経圧迫などの他覚的所見が「医学的に証明できる」場合に認定されます。
- MRI画像などで椎間板ヘルニアや頸椎の変形が明確に写っている
- その画像所見と、被害者が訴えている神経症状の部位が医学的に一致している
14級の「説明できる」から一歩進んで、客観的な証拠によって「証明できる」レベルに達しているかどうかが、12級との大きな境界線となります。
「証明」と「推定」の壁を突破するための重要ポイント
14級から12級へステップアップするため、あるいは14級の認定を確実に勝ち取るためには、主治医との連携や検査の質が勝負を分けます。
1. 適切な画像検査の実施
画像所見がなければ12級の獲得は極めて困難です。
- 事故直後から首や腰に強い痛みがある場合は、早期にMRI検査を受けること
- 病院の撮影機器の性能(磁場の強さなど)によって異常が写らないこともあるため、必要に応じて高磁場MRIのある医療機関で再検査を行う
画像に異常が写るかどうかが、12級への扉を開く最初の関門となります。
2. 医師の診断書と症状固定のタイミング
自賠責保険の審査では、医師が作成する「後遺障害診断書」の内容がすべてと言っても過言ではありません。
- 症状がどのように身体に残っているかを具体的に記載してもらう
- 毎回の診察で、医師に痛みの部位や程度を正確にカルテに記録してもらう
- 治療を途中で投げ出さず、一貫した治療継続の事実を残すこと
3. 被害者請求の活用による立証の工夫
保険会社に手続きを任せる「事前認定」ではなく、被害者自身が資料を集めて申請する「被害者請求」を利用するのが鉄則です。
- 医師に作成してもらった診断書に加え、自身の症状の一貫性を裏付ける「陳述書」を添付する
- 専門の弁護士のサポートを受けながら、医学的意見書やこれまでの通院記録を補強資料として提出する
等級認定に納得がいかない場合の対処法
申請の結果、本来12級に該当するはずが14級になったり、あるいは「非該当(等級なし)」になったりするケースは少なくありません。
もし結果に納得がいかない場合は、泣き寝入りせずに異議申し立てを行いましょう。初回の申請時に不足していた客観的証拠や新たな医学的所見を追加で提出することで、結果が覆る可能性もあります。
後遺障害の等級認定は非常に専門性の高い領域です。医学的な証明と法律的な主張の双方に精通した交通事故専門の弁護士に早い段階で相談し、適正な賠償金を受け取るためのサポートを受けることを強くおすすめします。
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