後遺障害診断書の「作成年月日」と症状固定日のズレのポイント
交通事故にあわれた際、相手方保険会社との交渉や各種手続において以下のポイントを把握しておくことが極めて重要です。
- 整合性の確保
- 保険会社への説明。
弁護士基準(裁判所基準)での適正解決に向けて
交通事故の被害では、保険会社の提示額(自賠責基準や任意保険社内基準)と、裁判所や弁護士が適用する弁護士基準(裁判所基準)との間に大きな乖離が存在するケースが多々あります。
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交通事故の被害に遭われ、治療を続けてもこれ以上症状が良くならない状態、いわゆる「症状固定」を迎えると、後遺障害等級認定の手続きへと進みます。その際に重要な書類となるのが「後遺障害診断書」ですが、ここでしばしば問題になるのが「作成年月日」と「症状固定日」のズレです。
この日付のズレは、損害保険料率算出機構(自賠責損害調査事務所)による審査や、相手方保険会社との示談交渉において、整合性の確認という観点から非常に重要な意味を持ちます。今回は、この日付のズレが生じる理由と、それに対する適切な対応策について、交通事故専門弁護士の視点から詳しく解説します。
後遺障害診断書の「作成年月日」と「症状固定日」のズレはなぜ生じるのか?
後遺障害診断書を作成する際、症状固定日と、医師が実際に書類を書いた作成年月日が一致しないことは実務上よくあることです。このズレが生じる背景には、医療現場ならではの事情が存在します。
日付がズレる主な理由と実態
医師が診断書を記載するタイミングは、症状固定の診断を下した当日とは限りません。多くの場合は以下のような理由から、数日から数週間のタイムラグが生じます。
- 医師のスケジュール調整や、カルテ等の資料確認に時間がかかるため。
- 被害者が症状固定の打診を受けた後、書類の完成を待って後日受け取りに行くため。
- 経過観察の期間を挟み、状態が安定したことを確認した上で遡って症状固定日と設定するため。
このように、日付が異なること自体は不自然なことではありません。しかし、自賠責保険の審査機関や相手方保険会社は、このズレを厳しくチェックすることがあります。
ズレがあることで懸念されるリスクと保険会社への説明方法
「作成年月日」が「症状固定日」よりも後になっている場合、保険会社から「症状固定日以降に治療を受けていないか」「本当にその日に症状が固定していたのか」と疑義を持たれるリスクがあります。この不信感を払拭するためには、正確な事実関係を論理的に説明しなければなりません。
保険会社や審査機関への説明のポイント
もし日付の前後関係やズレに関して保険会社から問い合わせがあった場合は、以下のポイントを明確に伝えることが重要です。
- 症状固定日以降は新たな治療を行わず、純粋に後遺障害診断書の作成待ちであったこと。
- 日付のズレは事務的な作成上のタイムラグによるものであり、医学的な判断日(症状固定日)にブレはないこと。
なお、症状固定日よりも前に作成年月日があるような不自然なケース(日付の誤記など)については、そのまま提出すると差し戻しの原因になります。必ず事前に医師に確認し、訂正してもらう必要があります。
整合性を確保してスムーズに後遺障害認定を受けるための対策
後遺障害の等級認定審査を有利に進めるためには、書類全体の医学的整合性を保つことが何よりも大切です。日付のズレで無用な誤解を生むのを防ぐため、以下の対策を講じましょう。
- 診断書を提出する前に、症状固定日と作成年月日の記載に矛盾がないかをご自身でも必ず確認する。
- もし不安な点があれば、主治医に「なぜこの日付のズレが生じたのか」の補足意見をカルテや診断書の備考欄に記載してもらうよう依頼する。
- 保険会社とのやり取りや示談交渉で不利にならないよう、専門的な知識を持つ弁護士にあらかじめ相談する。
交通事故における後遺障害の申請は、わずかな記載の不備や認識の違いが結果を左右することが少なくありません。日付のズレに関する疑問や、保険会社との交渉に不安を感じたときは、一人で抱え込まずに交通事故の損害賠償に強い弁護士へご相談ください。
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