股関節(人工関節置換)の後遺障害等級(8級・10級)と賠償金のポイント
交通事故にあわれた際、相手方保険会社との交渉や各種手続において以下のポイントを把握しておくことが極めて重要です。
- 人工関節挿入による等級
- 可動域の制限。
弁護士基準(裁判所基準)での適正解決に向けて
交通事故の被害では、保険会社の提示額(自賠責基準や任意保険社内基準)と、裁判所や弁護士が適用する弁護士基準(裁判所基準)との間に大きな乖離が存在するケースが多々あります。
2020年4月の民法改正に伴う最新の法定利率(年3%)や適正な慰謝料計算基準に沿って対応することで、賠償額が増額する可能性が高まります。妥協される前に、まずは当事務所の無料相談をご利用ください。
交通事故によって股関節に重傷を負い、人工関節を挿入する手術を受けられた被害者の方にとって、今後の生活や正当な賠償金の受け取りは大きな不安材料であることでしょう。
股関節の機能障害は労働能力に直結するため、後遺障害等級の認定が賠償金額を大きく左右します。本記事では、人工関節置換術を行った場合の後遺障害等級(8級・10級)の基準と、それによって決まる賠償金について、交通事故専門弁護士の視点から分かりやすく解説します。
股関節の人工関節置換術における後遺障害等級の仕組み
交通事故で股関節を骨折するなどして、人工関節や人工頭頭を挿入置換した場合には、後遺障害等級の申請が可能です。
後遺障害の審査を行う損害保険料率算出機構では、人工関節を入れたという事実だけでなく、その後の「関節の可動域の制限(動く範囲)」がどの程度残っているかによって等級を判断します。
8級7号が認定される基準
後遺障害等級8級7号(「1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの」)に該当するのは、主に以下のようなケースです。
- 人工関節または人工頭頭を挿入置換したもので、かつ、関節の可動域が健側の可動域角度の2分の1以下に制限されているもの
- 完全に強直(固まって全く動かない状態)しているもの
8級が認定されると、後遺障害慰謝料だけでも319万円(弁護士基準)が基本となり、労働能力喪失率も45%と評価されるため、高額な賠償金が期待できます。
10級11号が認定される基準
後遺障害等級10級11号(「1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの」)に該当するのは、主に以下のようなケースです。
- 人工関節または人工頭頭を挿入置換したものの、可動域の制限が健側の2分の1以下には至らないもの
つまり、手術によってある程度は動くようになった場合でも、人工関節を入れたこと自体が評価され、原則として10級11号が認定されます。
10級11号の場合、後遺障害慰謝料の基準(弁護士基準)は190万円となり、労働能力喪失率は27%となります。
等級によって大きく変わる損害賠償金の金額
後遺障害等級が8級になるか10級になるか、あるいは非該当になるかによって、受け取れる示談金の総額は数百万円単位で変わってきます。
賠償金の大きな柱となるのは以下の2つです。
- 後遺障害慰謝料:精神的苦痛に対する賠償
- 後遺障害逸失利益:後遺障害が原因で将来得られなくなる収入に対する賠償
これらは自賠責保険の基準ではなく、過去の裁判例に基づいた弁護士基準(裁判基準)を用いて請求することで、最も高額な金額を受け取ることができます。
逸失利益の計算における注意点
逸失利益は、「基礎収入 × 労働能力喪失率 × 労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」で計算されます。
8級(喪失率45%)と10級(喪失率27%)では、この計算のベースとなる喪失率が大きく異なるため、特に現役世代の被害者の方にとっては、1段階の等級差が将来の生活を左右する非常に重要な要素となります。
正確な可動域の測定がなされていないと、本来8級に該当すべきところを10級と判断されてしまうリスクもあるため注意が必要です。
正当な等級を獲得するための重要なポイント
人工関節置換術後の後遺障害等級認定をスムーズに進め、適正な賠償金を得るためには、いくつかの重要なポイントがあります。
正確な可動域測定を行う
主治医に診断書を作成してもらう際、関節の可動域測定が正確に行われているか確認することが不可欠です。
- 測定方法が誤っていると、実際の可動域よりも広く計測され、低い等級になってしまうおそれがある
- 可動域の制限を正確に反映してもらうための資料を医師に提供することが大切である
弁護士への早期相談がおすすめ
保険会社から提示される示談案は、多くの場合、裁判基準よりも大幅に低い独自基準で作られています。
また、後遺障害の申請手続き(事前認定または被害者請求)においても、どのような書類を提出するかで結果が変わることがあります。
交通事故で股関節に重い障害を負い、人工関節を挿入された方は、示談にサインする前に一度、交通事故に精通した弁護士へご相談ください。医学的知識と法的アプローチの両面からサポートを受けることで、適正な等級と納得のいく賠償金を獲得できる可能性を高めることができます。
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