足関節(足首)の骨折(三果骨折等)による可動域制限の認定のポイント
交通事故にあわれた際、相手方保険会社との交渉や各種手続において以下のポイントを把握しておくことが極めて重要です。
- 足関節の背屈・底屈角度の比較計測。
弁護士基準(裁判所基準)での適正解決に向けて
交通事故の被害では、保険会社の提示額(自賠責基準や任意保険社内基準)と、裁判所や弁護士が適用する弁護士基準(裁判所基準)との間に大きな乖離が存在するケースが多々あります。
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交通事故で足首を強く受傷し、足関節の骨折(三果骨折など)を負ってしまった方にとって、治療後の後遺障害等級認定は非常に重要な問題です。特に骨折が治った後も足首が思うように動かない「可動域制限」が残った場合、適正な等級を獲得できるかどうかがその後の損害賠償額を大きく左右します。
ここでは、足関節の可動域制限が後遺障害としてどのように評価され、認定されるのかについて交通事故専門弁護士の視点から詳しく解説します。
足関節の可動域制限と後遺障害等級の仕組み
交通事故で足首の骨折、特に脛骨・腓骨・内果・外果・後果などが複雑に関わる三果骨折などを生じると、関節面が破壊されるため、治療後も関節の動きが制限されやすくなります。
後遺障害等級の審査では、動かせる角度(可動域)がどの程度狭くなっているかが健側(負傷していない反対側の足)との比較によって厳密に測定されます。自賠責保険の基準において、足関節の主要な動きである「背屈(足首を上に反らす動き)」と「底屈(足首を下に伸ばす動き)」の可動域がどの程度制限されているかがポイントとなります。
後遺障害等級の目安
足関節の機能障害として認定される可能性のある等級は以下の通りです。
- 下肢の三大関節(股・膝・足)の一関節に「用を廃したもの」:8級7号(健側の可動域の10度以下または固定)
- 一関節に「著しい障害を残すもの」:10級11号(健側の可動域の2分の1以下に制限されているもの)
- 一関節に「障害を残すもの」:12級7号(健側の可動域の4分の3以下に制限されているもの)
三果骨折のような重度の骨折では、骨癒合が得られても関節の硬縮や変形により、10級や12級に該当する可動域制限が残るケースが少なくありません。
背屈・底屈角度の正しい計測方法と重要性
足関節の可動域を測定する際は、医学的な基準に則って正確に行う必要があります。ここでの数値がわずか数度の違いで等級の分かれ目になることもあるため、非常に重要なプロセスです。
背屈と底屈の測定基準
医師が計測する際、以下の2つの方向の可動角度を測定します。
- 背屈(はいくつ):足の裏を上に反らせる動き(基準値:通常20度程度)
- 底屈(ていきつ):つま先を下に伸ばす動き(基準値:通常40度程度)
これらの合計可動域、あるいはそれぞれの可動域が、健側と比較してどの程度失われているかを算出します。
他動値と自動値の違いに注意
可動域の測定には、患者自身が自分の力で動かす「自動値」と、医師が手で動かして測定する「他動値」があります。
- 痛みを我慢して動かす自動値だけでなく、他動値(他人が動かしたときの可動域)も計測されます。
- 骨折後の関節拘縮では、他動値であっても関節が固まって動かない状態であることが正確に証明されなければなりません。
正確な等級認定を受けるための実務上のポイント
可動域制限で適正な等級を獲得するためには、主治医の協力と専門的なアプローチが不可欠です。保険会社から提示される資料をそのまま鵜呑みにするのではなく、以下の点に注意してください。
医師への適切な検査依頼
事故直後から「足首が曲がらない」「突っ張り感がある」という症状をカルテや診断書に一貫して記載してもらうことが大前提です。 また、症状固定の時期を迎えた際には、医師に正確な可動域測定(ゴニオメーター等の器具を用いた計測)を行ってもらい、後遺障害診断書に数値と「なぜ制限されているのか(骨変形、関節面の不整、軟部組織の癒着など)」の医学的理由を詳細に記載してもらう必要があります。
測定方法の誤りに備える
非専門医の中には、正しい測定方法に慣れておらず、適当な数値記載になってしまうケースや、痛みを考慮せず無理に動かした数値を記載してしまうケースが見受けられます。 もし、実際の可動域よりも広く計測されてしまうと、本来受けられるはずの等級が非該当になったり、下位等級になってしまったりするリスクが生じます。
弁護士への早めの相談が有効
足関節の骨折における可動域制限の認定は、画像所見(CTやMRIなどによる関節面のズレ)と可動域の数値が整合しているかどうかが厳しく審査されます。 もし「適切な等級に納得がいかない」「正確な計測がされているか不安」という場合は、交通事故に精通した弁護士に相談することをおすすめします。専門的知見から後遺障害診断書の記載内容のチェックや、異議申し立ての手続きをサポートし、適正な賠償金獲得への道筋を切り開くことができます。
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