手関節(手首・舟状骨骨折)の偽関節・変形障害と後遺障害のポイント
交通事故にあわれた際、相手方保険会社との交渉や各種手続において以下のポイントを把握しておくことが極めて重要です。
- 舟状骨の骨折見落とし
- 偽関節の認定。
弁護士基準(裁判所基準)での適正解決に向けて
交通事故の被害では、保険会社の提示額(自賠責基準や任意保険社内基準)と、裁判所や弁護士が適用する弁護士基準(裁判所基準)との間に大きな乖離が存在するケースが多々あります。
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交通事故によって手首を強打し、病院で「ただの捻挫」と診断されたにもかかわらず、痛みが引かないというケースは少なくありません。その原因の一つとして見落とされやすいのが舟状骨(しゅうじょうこつ)骨折です。
舟状骨は手の親指側にある小さな骨ですが、血流が非常に乏しいため、適切な治療を行わないと骨がくっつかない偽関節(ぎかんせつ)と呼ばれる状態になりやすい特徴があります。偽関節や変形障害が残ると、将来にわたって手首の痛みや可動域制限に悩まされることになります。
本記事では、舟状骨骨折の見落としが起きる理由から、偽関節が後遺障害として認定されるためのポイントまで、交通事故専門の弁護士が詳しく解説します。
手関節(舟状骨骨折)の偽関節・変形障害とは?
交通事故で手をついて転倒した際などに発生する舟状骨骨折は、被害者にとっても医師にとっても発見が難しい障害の一つです。ここでは、なぜ見落としが発生するのか、そしてそれがなぜ後遺障害につながるのかを解説します。
初期のレントゲンで見落とされやすい理由
事故直後の病院で撮影する通常のレントゲン検査では、重なり合う手根骨の影に舟状骨が隠れてしまい、微細なひびや骨折線が映らないことが多々あります。
医師から「骨に異常はありません、ただの捻挫です」と告げられても、数週間経ってから激しい痛みが続く場合は、舟状骨骨折の見落としを疑う必要があります。痛みが引かないときは、より詳細に骨の状態を確認できるCT検査やMRI検査を受けることが極めて重要です。
偽関節・変形障害がもたらすリスク
舟状骨は特殊な形状をしており、心臓から遠い末梢側から中枢側へ向けて血液が流れる構造をしています。そのため、骨折によって血管が断たれると、骨へ栄養が行き届かなくなります。
結果として、骨が癒合しないまま月日が経つ「偽関節」の状態に陥ります。偽関節になると、手首を使うたびに骨同士がこすれ合い、慢性的な痛みや握力の低下、さらには手関節全体の変形障害や変形性手関節症を引き起こすリスクが高まります。
舟状骨骨折で後遺障害等級認定を目指すためのポイント
手首の痛みや動かしにくさが残存した場合、損害保険料率算出機構に対して後遺障害等級認定の申請を行うことになります。適正な等級を獲得するためには、以下のポイントを押さえておく必要があります。
1. 画像所見による「偽関節」の客観的証明
後遺障害の審査において最も重視されるのは、肉眼的な痛みではなく、医学的な「他覚的所見」です。
つまり、レントゲンやCT、MRIの画像によって、骨が癒合していない(偽関節である)ことが明確に証明されていなければなりません。主治医と密にコミュニケーションを取り、画像診断のレポートに偽関節の状態が正確に記載されているかを確認しましょう。
2. 機能障害(可動域制限)の正確な測定
偽関節や変形障害に伴い、手首を曲げたり伸ばしたりする動き(背屈・掌屈など)に制限が生じることがあります。
障害認定基準では、健側(正常な反対側の手)と比較して可動域がどの程度制限されているかを角度で測定します。測定方法は日本整形外科学会および日本手の外科学会の基準に従う必要があり、医師に正確に測ってもらうことが不可欠です。
3. 被害者請求による申請手続き
後遺障害の申請には、加害者の任意保険会社に手続きを任せる「事前認定」と、被害者自身が必要書類を集めて提出する「被害者請求」があります。
舟状骨骨折の偽関節や変形障害は医学的な専門性が高いため、保険会社任せにしていると、十分な資料が揃わないまま非該当(等級なし)と判断されてしまうリスクがあります。納得のいく結果を得るためには、弁護士のサポートを受けながら被害者請求を選択し、詳細な医学的意見書などを添付して申請することをおすすめします。
まとめ:手首の痛みが残ったら早めに専門家へ相談を
舟状骨骨折の偽関節や変形障害は、受傷初期の見落としから適切な治療が遅れがちになり、損害賠償実務においても専門的な立証が求められる難しい事案です。
「事故から時間が経っているのに手首が痛む」「いつまでも握力が戻らない」といったお悩みを抱えている場合は、泣き寝入りする前に、交通事故と医療知識に精通した弁護士へ早めにご相談ください。適正な後遺障害等級の獲得と、納得のいく損害賠償金の実現に向けて全面的にサポートいたします。
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