嗅覚障害(においが分からない)・味覚障害(味がしない)の等級のポイント
交通事故にあわれた際、相手方保険会社との交渉や各種手続において以下のポイントを把握しておくことが極めて重要です。
- アリナミンテスト
- T&Tオルファクトメータ。
弁護士基準(裁判所基準)での適正解決に向けて
交通事故の被害では、保険会社の提示額(自賠責基準や任意保険社内基準)と、裁判所や弁護士が適用する弁護士基準(裁判所基準)との間に大きな乖離が存在するケースが多々あります。
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交通事故の衝撃によって脳や神経を損傷すると、事故後に「においが分からない」「味がしない」といった後遺症が残ることがあります。これらは嗅覚障害や味覚障害と呼ばれ、日常生活に大きな支障をきたす重大な症状です。
しかし、目に見えにくい症状であるため、後遺障害等級の認定を受けるには適切な検査と医学的な証明が不可欠となります。本記事では、嗅覚障害・味覚障害における後遺障害等級の認定基準と、必要となる専門的な検査について詳しく解説します。
嗅覚障害・味覚障害で認定される後遺障害等級
交通事故による味覚や嗅覚の脱落・減退は、自賠責保険の後遺障害等級において以下の基準で評価されます。症状の重さに応じて適切な等級を目指すことが重要です。
嗅覚障害の等級基準
嗅覚障害は、鼻の機能や脳の損傷度合いによって等級が分かれます。
- 第12級相当:両側の鼻の嗅覚が完全に脱落したもの(においを全く感じない)
- 第14級相当:一側の鼻の嗅覚が完全に脱落したもの、または両側の鼻の嗅覚が著しく低下したもの
両側の完全脱落が認められる場合は12級が基準となり、労働能力への影響や日常生活の不便さが考慮されます。
味覚障害の等級基準
味覚障害についても、舌や味覚神経の損傷、脳のダメージによって判定されます。
- 第12級相当:一品以上の飲食物の味を全く感じないもの(味覚の完全脱落)
- 第14級相当:味覚が著しく低下したもの(味覚減退)
このように、味覚や嗅覚の障害は12級または14級の獲得を目指すことになりますが、いずれも客観的な医学的証明がなければ等級認定は困難です。
等級認定に必須となる専門的な検査
味覚や嗅覚の異常は主観的な感覚であるため、保険会社や損害保険料率算出機構に対して「本当に症状がある」ことを証明しなければなりません。そのために活用されるのが、専門的な検査データです。
嗅覚検査(アリナミンテストとT&Tオルファクトメータ)
嗅覚障害の立証には、主に以下の2つの検査が行われます。
- アリナミンテスト:静脈注射によってアリナミン(ビタミンB1製剤)を投与し、薬剤が肺から血流を経て鼻粘膜に達した際、ニンニクのようなにおいを感じるまでの時間を測る検査です。嗅覚の脱落や低下を簡易的かつ客観的に判定できます。
- T&Tオルファクトメータ:5種類の基準臭(香り)を染み込ませたにおい紙を使い、どの程度の濃度であればにおいを感じ、何のにおいかを識別できるかを調べる日本で最も一般的な嗅覚定量検査です。
これらの検査結果を用いることで、嗅覚がどの程度失われているかを数値やデータとして示しやすくなります。
味覚検査(電気味覚検査など)
味覚障害を立証するためには、主に以下の検査が実施されます。
- 電気味覚検査:舌に微弱な電流を流し、金属的な味(味覚)を感じる閾値を測定する検査です。味覚神経の障害を客観的に数値化できるため、裁判や後遺障害認定において重要な証拠となります。
- 血清亜鉛検査など:味覚障害の原因が外傷性であるのか、あるいは亜鉛不足などの他の原因によるものかを除外するため、血液検査が行われることもあります。
事故直後からの受診と弁護士への相談の重要性
嗅覚障害や味覚障害の被害において最も注意すべき点は、事故直後からの継続的な通院と記録です。
事故の衝撃で頭部を打撲した場合、脳震盪や脳挫傷の治療に意識が向きがちになり、「においが分からない」「味がしない」という症状の訴えがカルテに記載されないケースが少なく後から発覚することがあります。事故後、少しでも違和感を覚えたら、担当医にその旨を必ず伝え、カルテに記載してもらいましょう。
また、後遺障害の申請手続きは専門的な知識を要するため、保険会社とのやり取りを含めて交通事故に強い弁護士に早い段階で相談することをおすすめします。適正な検査を受け、確実な証拠を揃えることで、妥当な後遺障害等級の認定と適切な損害賠償金の獲得につながります。
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