腕(上腕骨・前腕骨)の変形障害(12級8号)の判定のポイント
交通事故にあわれた際、相手方保険会社との交渉や各種手続において以下のポイントを把握しておくことが極めて重要です。
- 15度以上の屈曲変形
- レントゲン。
弁護士基準(裁判所基準)での適正解決に向けて
交通事故の被害では、保険会社の提示額(自賠責基準や任意保険社内基準)と、裁判所や弁護士が適用する弁護士基準(裁判所基準)との間に大きな乖離が存在するケースが多々あります。
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交通事故によって腕を負傷し、骨折などの重傷を負った場合、治療が終わった後も骨が曲がってくっついてしまう「変形障害」が残ることがあります。上腕骨や前腕骨の変形障害は、後遺障害等級の12級8号に認定される可能性があります。
等級認定を受けるためには、医学的な基準や適切な検査が不可欠です。この記事では、腕の変形障害で12級8号が認定されるための条件や、レントゲンなどの検査における重要なポイントを交通事故専門弁護士が解説します。
腕の変形障害(12級8号)とは?認定の基本要件
後遺障害等級12級8号は、「上肢の三大関節メンの1つに機能障害を残すもの」や「長管骨に変形障害を残すもの」などが対象となります。腕の骨(上腕骨や前腕骨)の変形障害における具体的な基準は、15度以上の屈曲変形が残っていることです。
ここでいう「長管骨」とは、腕や脚の骨のように管状の形状をした長い骨を指します。上腕骨(肩から肘までの骨)や前腕骨(肘から手首までの橈骨・尺骨)はすべて長管骨に含まれます。
15度以上の屈曲変形とは何か
「15度以上の屈曲変形」とは、骨が本来のまっすぐな状態から、外側に向かって15度以上曲がったまま癒合してしまった状態を指します。
見た目に明らかに曲がっていることが分かる場合だけでなく、医学的な画像検査によって正確な角度を測定し、15度以上であることが証明されなければ12級8号には該当しません。
レントゲン・画像検査が持つ決定的な重要性
後遺障害の等級認定審査は、基本的に書類と画像資料の審査(書面審査)で行われます。そのため、主観的な痛みの訴えではなく、客観的な証拠としてのレントゲン(X線)写真が何よりも重要視されます。
変形障害の認定を確実にするためには、以下のポイントを満たした画像資料が必要です。
- 正確な角度測定が可能な方向から撮影されたレントゲン写真であること
- 必要に応じて立体的な骨の状態がわかるCTスキャン画像が添付されていること
- 担当医師が後遺障害診断書に正確な変形角度を記載していること
画像不備による等級非該当リスクに注意
どれほど実際に腕が曲がっていても、撮影されたレントゲン写真の角度が不適切であったり、医師の診断書の記載が曖昧であったりすると、「変形障害なし」と判断されて非該当(等級なし)になってしまうリスクがあります。
特に骨折の治療後は、骨の癒合状態を多角的に捉える必要があるため、日常的な診察時から「変形が残っていること」を主治医にしっかりとカルテや画像に残してもらうことが極めて重要です。
変形障害と併せて認定されやすい「機能障害」や「神経症状」
腕の骨に変形が残るような大けがをした場合、骨が曲がっているだけでなく、周囲の筋肉や神経、関節にも悪影響が及ぶことが少なくありません。
そのため、12級8号の変形障害単体に留まらず、以下のような他の後遺障害が併せて認定される可能性があります。
- 肘や肩などの関節が十分に動かなくなる「機能障害」
- 骨折部や神経の圧迫による慢性的な痛みやしびれの「神経症状(12級13号や14級9号)」
複数の後遺障害が認定されると、併合等級によってさらに上位の等級が適用される可能性があり、受け取れる損害賠償額(慰謝料や逸失利益)も大きく変わってきます。
腕の変形障害で適正な賠償金を得るためのポイント
12級8号の認定を受けることは、適正な賠償金を受け取るための第一歩に過ぎません。保険会社から提示される示談金には、弁護士基準(裁判基準)よりも大幅に低い自賠責基準や任意保険基準が使われていることが多々あります。
特に労働能力喪失期間や喪失率の評価において、変形障害が仕事や日常生活にどのような支障をきたしているかを法的に主張・立証することが求められます。
骨折の治療が完了し、主治医から症状固定を告げられた段階で、ご自身だけで後遺障害申請手続きを進めるのではなく、交通事故に精通した弁護士に相談することをおすすめします。専門家のサポートを受けることで、適切な等級認定の確率を高め、納得のいく解決を目指すことができます。
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