腰椎すべり症・分離症が事故で顕在化した時のポイント
交通事故にあわれた際、相手方保険会社との交渉や各種手続において以下のポイントを把握しておくことが極めて重要です。
- 無症状からの事故契機発症立証。
弁護士基準(裁判所基準)での適正解決に向けて
交通事故の被害では、保険会社の提示額(自賠責基準や任意保険社内基準)と、裁判所や弁護士が適用する弁護士基準(裁判所基準)との間に大きな乖離が存在するケースが多々あります。
2020年4月の民法改正に伴う最新の法定利率(年3%)や適正な慰謝料計算基準に沿って対応することで、賠償額が増額する可能性が高まります。妥協される前に、まずは当事務所の無料相談をご利用ください。
交通事故に遭った後、これまで感じたことのなかった腰の痛みに悩まされていませんか。病院で検査を受けたところ、「腰椎すべり症」や「腰椎分離症」と診断され、医師から「事故がきっかけで症状が出た(顕在化した)」と言われた方もいるでしょう。
しかし、保険会社から「それはもともとの持病(既往症)であり、事故とは関係ありません」と治療費や慰謝料の支払いを拒まれてしまうケースが後を絶ちません。無症状だった腰椎すべり症や分離症が事故を契機に発症・悪化したことを立証し、適正な賠償金を受け取るためには、法律と医学の双方に基づく戦略的なアプローチが不可欠です。
腰椎すべり症・分離症の事故による顕在化とは?
交通事故の強い衝撃によって、それまで無症状で日常生活に支障がなかった背骨の変形や亀裂が刺激され、激しい痛みや足のしびれといった神経症状を引き起こすことを、法的な実務上「素因悪化」や「顕在化」と呼びます。
そもそも腰椎すべり症・分離症とは何か
腰椎分離症は、スポーツや日常生活での負荷により、背骨(腰椎)の一部に亀裂が入る疲労骨折の一種です。一方、腰椎すべり症は、その分離症などが原因で、あるいは加齢や靭帯の緩みによって、上の骨が前の骨に対して前方に滑り出してしまう状態を指します。
これらはレントゲンやMRIを撮影すると、事故とは関係のない過去の蓄積として偶然発見されることが少なくありません。そのため、保険会社は「事故前からあったものだから、今回の事故とは無関係だ」と主張してくるのです。
「無症状」であったことの立証の重要性
損害賠償請求において最も重要なポイントは、事故前は一貫して無症状であり、問題なく日常生活を送れていたことを証明することです。
たとえ骨の変形がもともと存在していたとしても、事故前になんの自覚症状もなく、治療を受けた履歴もなければ、現在の痛みは「事故の衝撃によって初めて引き起こされた(顕在化した)」と評価されるべきです。
既往症と主張されたときに備える3つの対策
保険会社から「既往症である」と主張された場合、被害者側が泣き寝入りする必要はありません。医学的な因果関係を法的に裏付けるため、以下の3つの対策を講じることが極めて重要です。
1. 事故直後からの継続的な通院と正確な症状伝達
事故後、少しでも腰に違和感を覚えたら、放置せずに速やかに整形外科を受診してください。「そのうち治るだろう」と我慢して期間が空いてしまうと、「事故と腰痛の因果関係はない」と判断されてしまいます。
また、医師には「事故の衝撃で腰が痛む」「足にしびれが出る」など、具体的な症状をもれなくカルテに記載してもらうことが大切です。
2. 画像所見の専門的な分析
MRIやCTなどの画像診断は、すべり症や分離症の状態を正確に把握するために不可欠です。
医師の診断書や画像データを基に、その骨の変形が「新鮮な外傷(事故によるもの)」の側面をどの程度含んでいるか、あるいは「既存の変形が事故の強い外力によっていかに悪化したか」について、主治医の意見書を取り付けることが有効な手段となります。
3. 弁護士による法的・医学的アプローチ
保険会社との示談交渉では、被害者本人がどれだけ「事故前は痛みがなかった」と主張しても、医学的な知識や過去の判例がなければ覆すことは困難です。
交通法務に精通した弁護士であれば、医師への適切な照会や、類似の裁判例に基づいた意見書の作成を通じて、事故とすべり症・分離症の顕在化との間にある因果関係を法的に論証することができます。
被害者が知るべき後遺障害等級認定のポイント
腰椎すべり症や分離症が事故によって顕在化し、治療を尽くしたにもかかわらず腰痛や下肢痛が残存した場合、自賠責保険に対して後遺障害等級の申請を行うことになります。
認定される可能性のある等級
症状や神経学的所見の有無によって、以下の等級が認定される可能性があります。
- 12級13号:局所に頑固な神経症状を残すもの
- 14級9号:局所に神経症状を残すもの
既往症減額への対策
保険会社や損害保険料率算出機構は、もともとの骨の変形(既往症)を理由に、後遺障害の賠償金や慰謝料を減額しようと主張してくることがあります(素因減額)。
しかし、事故前に関節の可動域制限や痛みが一切なく、労働にも支障がなかった事実を客観的な証拠(健康診断の結果や家族の陳述など)で裏付けることができれば、不当な減額を防ぐ、あるいは減額割合を最小限に抑えることが可能です。
腰椎すべり症や分離症の顕在化を巡るトラブルは、専門的な医学知識と高度な損害賠償の法的知識が求められる難易度の高い事案です。保険会社の主張に納得がいかない場合や、既往症を理由に示談を迫られている場合は、一人で悩まずに交通事故を多く扱う弁護士へ早めにご相談ください。
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