肋軟骨損傷後の胸部の持続的な痛みのポイント
交通事故にあわれた際、相手方保険会社との交渉や各種手続において以下のポイントを把握しておくことが極めて重要です。
- エコー・MRIでの軟骨損傷立証。
弁護士基準(裁判所基準)での適正解決に向けて
交通事故の被害では、保険会社の提示額(自賠責基準や任意保険社内基準)と、裁判所や弁護士が適用する弁護士基準(裁判所基準)との間に大きな乖離が存在するケースが多々あります。
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交通事故の衝撃によって胸部を強く打ち付けた場合、骨折がなくても長期間にわたって激しい痛みに悩まされることがあります。その原因の一つが肋軟骨損傷です。
しかし、肋軟骨はレントゲンに写りにくいという特性があるため、痛みが持続しているにもかかわらず、保険会社から適切な補償を受けられないケースが後を絶ちません。
この記事では、肋軟骨損傷による痛みの原因と、適切な損害賠償請求を行うために不可欠なエコー・MRIを用いた立証方法について、交通事故専門弁護士の視点から詳しく解説します。
肋軟骨損傷とは?レントゲンで発見できない理由
交通事故でシートベルトによる圧迫やハンドルへの強打を受けると、胸の骨(胸骨)と肋骨をつなぐ肋軟骨が損傷することがあります。
レントゲン(X線)の限界
一般的に、交通事故後の検査として最初に行われるのはレントゲン撮影です。しかし、肋軟骨は骨ではなく「軟骨」組織であるため、カルシウム沈着の度合いによってはレントゲン画像に影が映りません。
そのため、医師から「骨に異常なし(全治〇週間・打撲)」と診断され、痛み止めを処方されて終わりになってしまうケースが多く見られます。
痛みが持続するメカニズム
軟骨には血管が乏しいため、一度損傷すると修復に時間がかかります。また、呼吸をするたびに胸郭が伸縮するため、肋軟骨は常に微細な負荷を受け続けています。
これが原因で、深呼吸、咳、寝返りなどの日常的な動作でも強い痛みが持続し、被害者の生活や仕事に深刻な支障をきたすことになります。
エコー(超音波)とMRIによる立証の重要性
客観的な画像所見がないまま治療期間が経過すると、保険会社から「痛みの原因不明」として治療費の打ち切りや、後遺障害非該当の判断を下されるリスクが高まります。
ここで重要となるのが、エコー検査(超音波検査)やMRI検査を活用した損傷の可視化です。
1. エコー検査のメリット
エコー検査は、軟骨や靭帯などの軟部組織を描出するのに非常に優れています。
- リアルタイムで動かしながら患部を観察できる
- 左右差や圧痛部位の腫れ、軟骨の変形を確認しやすい
- 比較的低侵襲かつ短時間で実施できる
熟練した医師がエコーを用いることで、レントゲンでは見逃される肋軟骨の微細な損傷や炎症をとらえることが可能です。
2. MRI検査のメリット
MRI検査は、体内を高磁場と電磁波でスキャンするため、骨だけでなく軟骨や周囲の筋肉・靭帯の立体的な異常を詳細に映し出すことができます。
- 軟骨内部の断裂や浮腫(むくみ)を確認できる
- 骨挫傷(骨の内部のダメージ)の有無も同時に判別できる
- 第三者(損害保険料率算出機構など)に対して説得力の高い証拠になる
肋軟骨損傷で後遺障害等級認定を目指すポイント
痛みが完治せず、事故後も胸部の痛みが残存した場合、後遺障害診断書を医師に作成してもらい、後遺障害等級の申請を行うことになります。
1. 医師への正確な症状伝達とカルテの記載
「胸が痛い」と口頭で伝えるだけでなく、「深呼吸時に右側の第4肋軟骨部が鋭く痛む」「特定の姿勢で体をひねると痛む」など、具体的な痛みの性質や位置をカルテに詳細に記載してもらうことが不可欠です。
2. 画像所見と臨床症状の一致
後遺障害の審査では、「その痛みを裏付ける客観的証拠(画像所見)」が極めて重視されます。
前述のエコーやMRI検査によって肋軟骨の損傷部位が画像として証明されている場合、14級9号(局部に神経症状を残すもの)や、場合によっては12級13号(局部に頑固な神経症状を残すもの)の後遺障害等級認定の可能性が大きく高まります。
3. 早めの弁護士相談が解決の近道
肋軟骨損傷は医学的にも特殊な部位であり、保険会社との交渉において「画像所見がない」という理由で不当な示談を迫られがちです。
治療の初期段階から適切な検査(エコー・MRI)を受けて証拠を確保し、交通事故に精通した弁護士にサポートを依頼することが、正当な慰謝料や賠償金を受け取るための最も確実な方法といえます。胸の痛みに悩んでいる方は、一人で抱え込まずに専門家へご相談ください。
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