高速道路での事故の過失割合:追突事故や落下物への衝突時の責任の所在

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、弁護士による交通事故示談交渉・後遺障害等級認定の実務経験に基づき、最新の法令および裁判所基準(弁護士基準)に沿ってわかりやすく解説しています。

高速自動車国道や自動車専用道路(以下、高速道路)は、車が時速80km〜100kmという極めて速いスピードで走行することを前提に作られた特別な道路です。

そのため、歩行者や自転車が存在せず、交差点もないという点で一般道とは事故の形態が異なりますが、いざ事故が起きると大惨事になりやすいのが特徴です。 高速道路での事故の過失割合は、「高速走行を前提とした厳しいルール(駐停車の原則禁止、車間距離の保持など)」に基づいて決定されます。ここでは代表的な3つの事故パターンの過失割合を解説します。

Q 高速道路で停車中の車に追突してしまった事故、過失割合はどうなる?ガス欠や故障で止まっていた場合は?
A 【法律・裁判所基準の要点】高速道路上の駐停車は原則禁止されており、渋滞や事故などのやむを得ない理由で停止していた先行車への追突は基本過失割合が【先行車:0パーセント対後続車:100パーセント】となります。一方、ガス欠や故障など理由のない停止で発炎筒や停止表示板による警告義務を怠っていた場合は、追突した後続車だけでなく停止車両にも【先行車:40パーセント対後続車:60パーセント】の過失が認定されることがあります。
【損をしないための対策・弁護士活用のメリット】高速道路での事故は相手方の保険会社が不利な過失割合を主張してくるケースが多々あります。ドライブレコーダーの映像など客観的証拠を元に適切な判例タイムズ基準を適用し、正当な損害賠償金を獲得するためには、事故直後の早い段階で交通事故に強い弁護士へ相談・依頼することが最も確実な解決策となります。

1. 高速道路上での「駐停車」への追突事故

高速道路の本線上では、危険防止などのやむを得ない理由がない限り、車を駐停車することが法律(道交法75条の8)で固く禁じられています。 それにもかかわらず、本線上に止まっていた車(先行車)に、後ろから走ってきた車(後続車)が追突してしまった場合の過失割合は、非常に複雑です。

① 「やむを得ない理由」で止まっていた場合(渋滞・事故など)

先行車が、前方の渋滞や事故を避けるため、あるいは自身の事故により動けなくなって停止していた場合。

  • 基本割合【停止した先行車:0%、追突した後続車:100%】

  • 渋滞の最後尾への追突は、完全に後続車の前方不注意(または車間距離不保持)とされ、100対0になります。

② 「理由なく(または過失で)」止まっていた場合(ガス欠・故障など)

先行車が、単なるガス欠や整備不良による故障などで本線上に停止し、かつハザードランプや三角表示板などで後続車に危険を知らせる義務(退避・警告義務)を怠っていた場合。

  • 基本割合【停止した先行車:40%、追突した後続車:60%】

  • 「高速道路で止まる方が悪い」と思いがちですが、追突した後続車の方に「前を見ていれば避けられたはずだ」として重い過失(60%)が問われます。

  • ただし、先行車が三角表示板などをしっかり立てていたのに追突した場合は、後続車の過失が「80%〜100%」へと加重されます。

2. インターチェンジなどの「合流地点」での事故

インターチェンジやサービスエリアから本線に合流しようとする車(A)と、すでに本線を走っている車(B)が衝突した場合。

法律上、合流しようとする車は、本線を走っている車の進行を妨げてはならない(本線優先の原則)と定められています。

  • 基本割合【合流車(A):70%、本線車(B):30%】

  • 合流する側に重い責任がありますが、本線側にも「合流してくる車に注意してスピードを調整する義務」があるため、100対0にはならず30%の過失が問われます。

3. 高速道路上の「落下物」への衝突事故

トラックの荷台から落ちた積荷や、外れたタイヤなどの「落下物」に乗り上げて事故を起こした場合。

落とした側(落下主)が特定できている場合、道路に物を落として危険を生じさせた責任は極めて重くなります。

  • 基本割合【落下主:60%、乗り上げた後続車:40%】

  • 落下主が悪いのは当然ですが、後続車にも「車間距離を十分にとり、前方を見ていれば落下物を発見して避けられたはず」として40%の過失が問われます。

  • ただし、夜間で落下物が見えにくかった場合や、前の車が急に避けて落下物が突如現れた場合などは、後続車に有利な「修正要素」として働き、過失割合が10%〜20%程度軽減される可能性があります。

ドライブレコーダーがないと「言った者勝ち」になる危険性

高速道路での事故、特に合流時の接触や、無理な車線変更(割り込み)による事故の場合、お互いのスピードが速いため、「相手がウインカーを出さずに急に割り込んできた」「いや、十分な距離をとって車線変更したのに後ろからぶつけてきた」と、主張が真っ向から対立することが頻発します。

目撃者もそのまま通り過ぎてしまうことが多いため、ドライブレコーダーの映像がなければ真実を証明することは困難です。 保険会社から提示された「高速道路の基本過失割合」に納得がいかない場合、安易に示談に応じず、まずは夕陽ヶ丘法律事務所にご相談ください。車の損傷の傷跡(衝突角度など)や警察の実況見分調書から事故状況を論理的に再構築し、妥当な過失割合を勝ち取るためのサポートを行います。

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※過失割合が大きいケースなど、ご状況により別途お見積もりとなる場合がございます。

FAQよくある質問

Q. 高速道路の本線上で渋滞のため停止していたところ、後ろから追突されました。高速道路でも過失割合は100対0になりますか?

A. はい、渋滞や事故などの正当な理由で停止・徐行していたところに追突された場合は、一般道と同じく原則として「追突した側が100%悪い(100対0)」となります。

Q. 高速道路を走っていたら、前方に故障で止まっている車がいて、避けきれずに追突してしまいました。止まっていた相手が悪いはずですが、私の過失はどうなりますか?

A. この場合、追突してしまったあなた(後続車)の過失の方が大きくなります。高速道路上での駐停車は原則禁止されているため、止まっていた車(先行車)にも重大な過失がありますが、基本割合は「先行車:40%、追突した後続車:60%」となります。後続車には前方不注意の責任が重く問われるためです。

弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、借金問題、既婚者との男女トラブルなど、日常の不測の事態に直面した皆様の心理的なご負担を少しでも和らげ、円満な解決を導くためのサポートを徹底して行っています。どんな小さなお悩みでも、まずは当事務所の事務スタッフがLINEのチャットにて丁寧にお話をお伺いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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