年収が「将来上がる見込み(若年労働者)」の逸失利益基礎収入のポイント
交通事故にあわれた際、相手方保険会社との交渉や各種手続において以下のポイントを把握しておくことが極めて重要です。
- 全労働者平均賃金の適用。
弁護士基準(裁判所基準)での適正解決に向けて
交通事故の被害では、保険会社の提示額(自賠責基準や任意保険社内基準)と、裁判所や弁護士が適用する弁護士基準(裁判所基準)との間に大きな乖離が存在するケースが多々あります。
2020年4月の民法改正に伴う最新の法定利率(年3%)や適正な慰謝料計算基準に沿って対応することで、賠償額が増額する可能性が高まります。妥協される前に、まずは当事務所の無料相談をご利用ください。
交通事故で若年層の被害者が重傷を負ったり、残念ながら亡くなってしまったりした場合、将来得られるはずだった収入の補償である逸失利益の計算が大きな問題となります。
特に、学生や新社会人などの若年労働者は、事故当時まだ低い収入であっても、将来的に昇給して平均賃金以上の収入を得る見込みが十分にあります。このような場合、実際の収入ではなく、全労働者平均賃金を基礎収入として計算することが認められています。
このルールを知らないまま保険会社の提示する低い金額で示談してしまうと、数百万円から数千万円もの損害を被るリスクがあります。本記事では、若年労働者の逸失利益の計算方法と、全労働者平均賃金が適用される理由について、交通事故専門弁護士が詳しく解説します。
若年労働者の逸失利益とは?基礎収入の基本的な考え方
交通事故における逸失利益は、「基礎収入 × 労働能力喪失率 × ライツマン系数(就労可能年数に応じた係数)」という計算式で算出されます。
ここで最も重要となるのが、計算の土台となる基礎収入です。通常は事故前年の実際の収入(年収)をベースにします。しかし、社会経験の浅い若年者の場合、実際の収入をそのまま適用すると著しく不公平になってしまいます。
そのため、実収入が低くても将来的に昇給が見込まれる若年層に対しては、例外的な救済措置として全労働者平均賃金をベースに計算することが認められています。
なぜ若年労働者は「全労働者平均賃金」が適用されるのか
交通事故の損害賠償においては、「公平の理念」が重視されます。学生や社会人になりたての若者は、年齢やキャリアの段階ゆえに賃金が低く抑えられています。
もし実際の低い収入をそのまま将来の分まで固定してしまうと、将来得られたはずの正当な利益が失われてしまいます。
- 将来の昇給やキャリアアップの可能性が失われることへの救済
- 労働者全体の平均的な賃金水準と均衡を保つため
- 不法行為による損害を被った被害者救済の公平性確保
上記のような理由から、実収入をそのまま使うのではなく、統計上の平均賃金を用いることで不利益を補正します。
対象となる「若年労働者」の範囲と具体的な適用基準
では、具体的にどのような人が「将来昇給が見込まれる若年労働者」として扱われるのでしょうか。実務上は、以下のような方が対象となります。
- 18歳未満の未成年者(幼児、児童、生徒、学生など)
- 大学・短大・専門学校などの学生、生徒
- 20代〜30代前半の若年社会人(フリーターや非正規雇用者も含む)
特に学生の場合は、事故当時まったく収入がなくても、卒業後に就職して働くことが確実視されるため、原則として学歴別の全労働者平均賃金が適用されます。
学歴別・全労働者平均賃金の参照方法
基礎収入を算出する際は、厚生労働省が実施する「賃金構造基本統計調査」のデータが用いられます。
大学卒であれば「大卒・大学院卒の平均賃金」、高校卒であれば「高卒の平均賃金」というように、本人の実際の学歴、または将来到達し得た学歴に対応する平均賃金が基準となります。
また、女性の若年労働者についても、かつては男女別の平均賃金が使われていましたが、現在は全労働者(男女合算)の平均賃金を基礎とすることが一般的になっており、より公平な補償が受けられるようになっています。
保険会社の提示額に注意!適正な逸失利益を獲得するためのポイント
若年労働者の逸失利益の計算において、保険会社が提示してくる示談案には十分な注意が必要です。
保険会社は、会社の利益を守るため、若年被害者であっても「現在の低い給与ベース」や「アルバイト時代の収入」をそのまま基礎収入として計算した示談金を提示してくるケースが少なくありません。
示談に応じる前に確認すべきこと
保険会社から提示された示談書にサインをする前に、以下のポイントを確認しましょう。
- 実際の収入ではなく、統計上の平均賃金が使われているか
- 学歴や年齢に応じた適切なデータが採用されているか
- 就労可能年数や労働能力喪失率に誤りがないか
もし保険会社の提示額に疑問を感じたら、そのまま鵜呑みにせず、一度交通安全や損害賠償法に精通した専門家に相談することをおすすめします。
若年労働者の将来の可能性を守るためには、法的な根拠に基づいて正しい基準の適用を主張し続けることが不可欠です。少しでも不安がある場合は、早めに専門家のサポートを受け、適正な賠償金を受け取りましょう。
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