個人事業主の「消費税」の休業損害基礎所得への含め方のポイント
交通事故にあわれた際、相手方保険会社との交渉や各種手続において以下のポイントを把握しておくことが極めて重要です。
- 税込所得を基礎とする計算。
弁護士基準(裁判所基準)での適正解決に向けて
交通事故の被害では、保険会社の提示額(自賠責基準や任意保険社内基準)と、裁判所や弁護士が適用する弁護士基準(裁判所基準)との間に大きな乖離が存在するケースが多々あります。
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交通事故に遭われた個人事業主の方にとって、怪我の治療期間中の収入減少を補償する休業損害の計算は、生活を左右する極めて重要な問題です。特に、会社員とは異なり「税金の処理」が絡むため、その計算方法は複雑で誤解が生じやすいポイントでもあります。
今回は、個人事業主の休業損害を計算する際、消費税をどのように基礎所得に含めるべきかについて、法律と実務の観点から分かりやすく解説します。
個人事業主の休業損害の基本的な考え方
事故による怪我で仕事ができなくなった場合、個人事業主は現実の収入減を証明して休業損害を請求します。会社員のように給与明細がないため、基本的には前年度の確定申告書をベースに算定が行われます。
ここで大きな疑問となるのが、「確定申告における所得を、税抜きの金額で考えるべきか、それとも税込の金額で考えるべきか」という点です。保険会社との示談交渉において、この点の認識のズレから適正な賠償金が支払われないケースが後を絶ちません。
「税込所得」が休業損害の基礎になる理由
結論から申し上げますと、個人事業主の休業損害の基礎所得は、原則として税込所得(税込ベース)を用いて計算します。その具体的な理由と実務上の取り扱いを見ていきましょう。
実収入主義に基づく判断
交通事故の損害賠償における休業損害は、被害者が「実際に得られたはずの収入」を補填する性質を持っています。個人事業主が手元に得る利益、あるいは事業を維持するために動かしているお金は、消費税の納税義務の有無に関わらず、最終的には税込の金額として動いています。
そのため、裁判実務においても、日々の事業活動や生活費の補填という観点から、税込金額をベースに基礎収入を認定することが妥当とされています。
課税事業者と免税事業者の違い
事業規模によって、消費税を国に納める「課税事業者」と、免税される「免税事業者」に分かれます。
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課税事業者の場合:受け取った売上には消費税が含まれており、仕入等で支払った消費税を差し引いて納税します。損害賠償の算定では、納税額を適切に考慮しつつ、原則として税込の事業所得を基礎とします。
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免税事業者の場合:消費税の納税義務は免除されていますが、売上に消費税分が含まれて顧客から支払われている実態に変わりはありません。したがって、免税事業者であっても税込所得をベースに休業損害を算出します。
消費税の処理をめぐる保険会社との交渉注意点
保険会社からの提示額には、必ずしも有利な条件が反映されているとは限りません。特に個人事業主の事案では、保険会社側が独自の判断で「税抜所得」をベースに休業損害を計算し、提示してくるケースが見受けられます。
もし保険会社から提示された休業損害の計算書に違和感を覚えた場合は、以下の点を確認しましょう。
- 確定申告書の所得金額が「税込」で計算されているか
- 消費税の納税や還付の実態が不当に差し引かれていないか
- 減収分の立証資料(売上台帳や通帳のコピーなど)が正確に反映されているか
税務処理の複雑な個人事業主の休業損害は、形式的な計算だけでは適正額に届かないことが少なくありません。保険会社の提示をそのまま鵜呑みにせず、少しでも疑問がある場合は、交通事故の損害賠償に詳しい弁護士に一度ご相談されることを強くお勧めします。専門家のサポートを受けることで、本来受け取るべき正当な休業損害を取り戻す可能性が高まります。
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